しょうがは常備薬として、いつも台所においておきたい 

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森下敬一 『食べもの健康法』●しょうが

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しょうがは常備薬として、いつも台所においておきたい。突発的におこる体の変調を治すのに即効をあらわすからだ。

まず、カゼの場合。本くず粉を水でといて火にかけ、透明でドロリとなったところで、古しょうがのおろし汁とはちみつを加える。

熱いうちにフーフー吹きながら飲むと、すぐに体が温まってきて、発汗が促される。温かくして、早めに床につけば、軽い風邪なら、これだけで治ってしまう。

また、夜のセキにも卓効がある。

この場合、しょうが湯を飲めばよい。古しょうがのおろし汁、大さじ半杯ぐらいに熱湯を注いで、熱い内に吹きながら飲む。

好みで、はちみつで甘味をつけたりブランデーで香りづけしてもよい。

子供が夜、ゼンソクの発作を起こした場合は、古しょうがのおろし汁を、首や肩、背にすりこんで、マッサージしてやるといい。

カニやエビなどを食べた後、急に腹痛や下痢を起こした場合も、生姜湯が有効である。

関節炎や神経痛などの疼痛、および脚気や中風による手足の運動麻痺については古しょうがのおろし汁と同量のごま油をよく混ぜ合わせたものを、患部に強くすりこむとよい。

以上のようなしょうがの薬効は、古く奈良時代ごろから知られ、活用されてきたといわれる。

貝原益軒の『養生訓』にも「生姜の生で絞りたる汁は、毒を消し、吐き止め、腹中を温め、風邪を去るの効あり」とある。

漢方薬の処方では常用されているもののうち、実に3分の1にしょうがが加えられている。

しょうがが即効をあらわすのは、有効成分が、胃腸粘膜や皮膚から吸収されやすいからだ。

しょうが特有の薬効は、血管を拡張して血液循環を良くし、胃腸を温める作用があるところから生まれる。

血液循環の悪い体は、冷たい外気にあたると、体表近くの血管は異常に収縮し、血液は内臓や間接部にうっ滞しやすくなる。

血液の欠乏状態も、うっ血状態も、ともに組織器官の正常な活動を障害する条件で、冷え、痛み、機能減退などの異常をおこしやすくするものなのだ。

勿論、しょうがの薬効は救急に用いるだけでなく、普段の食生活においても積極的に活用したい。

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常食していると胃腸の調子を整えるのに卓効がある。ただし、効き目はかなり強いので少量ずつ用いること。

特に魚料理や脂っこい料理では、しょうがならではの特性を発揮する。辛味成分は蛋白質や脂肪の消化を促進し香味成分は消臭に有効で、消化液の分泌を促す。

「ハジカミ」という別名は、辛くて歯をしかめるところから生まれたものといわれるけれど、とうがらしやカラシ、わさびほどの刺激性はないから安心して用いてよい。

■中国風のしょうがモチ

材料(6人分)

・しょうが・・・20g
・グルテンミート・・・80g
・しいたけ・・・中4枚
・たけのこ・・・100g
・だし汁・・・6カップ
・くず粉・・・大さじ2
・自然塩・・・小さじ2
・しょうゆ・・・少々
・ザーサイ・・・適量
・ねぎ・・・少々
・梅花にんじん・・・1人1枚あて
・ごま油・・・大さじ1
・玄米モチ・・・12切れ

<作り方>

①材料はそれぞれ千切りにしておきます。

②鍋を熱し、ごま油を加え、しょうが、しいたけを炒め、さらにグルテンミート、たけのこを加えて炒めます。

③ ②にだしを加え、しばらく煮てから、塩で調味し、しょう油を香りづけ程度に落とし、同量の水で溶いたくず粉を入れてとろみをつけます。

④玄米もちをこんがり焼いておきます。

⑤お椀にモチを2切れいれておき③を注ぎ、ザーサイ、ねぎ、梅花にんじんを上に飾ります。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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