水は答えを知っている  江本 勝 (著)

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水は答えを知っている (サンマーク文庫)

人間であるということ以前に、私たちは水なんだというふうに考えてみることによって、人間とはいったい何か、という問いへの答えにいっそう近づくように思うのです。

水の正体がわかれば、人間の本質がわかり、私たちがなぜいま生きているのか、という謎も解けることになります。

水とはいったい何なのでしょうか。

まず考えられるのは、水は生命力だということです。人間は、体内の五0%の水を失うと生きていくことができません。

人間は水によって栄養素を体内にとりこみ、それらは血液や体液によって体中に運ばれ、循環します。

体内を水が流れることによって、生命はいきいきと活動することができるのです。生命という視点から考えてみると、水とはエネルギーの伝播役、運び屋といえるのです。

エネルギーの運び屋である水は、体内を通る貨車であると考えられます。

貨車の中がきれいに掃除されることなく、ゴミがたまっていたり汚れていたりしたら、運ぶ荷物も汚れてしまいます。

水は常にきれいでなくてはいけません。

水がエネルギーの伝播役であるという考え方は以前よりよく知られ、病気の治療などに利用されてきました。なかでもユニークなのが、ホメオパシーです。

ホメオパシーは、十九世紀前半にドイツ人の医師サミュエル・ハーネマンによって開発された療法ですが、その起源は古く、紀元前五ー四世紀の古代ギリシャにおいて医学の父といわれたヒポクラテスも同様の療法を書き残しているそうです。

それは一言でいうと、「類は類を癒す、毒をもって毒を制す」という方法です。

たとえば、鉛の毒にやられた人は、同じ鉛を+のマイナス十二乗からマイナス四百乗倍といった、物質の分子が存在しなくなるぐらいにまで薄めた水を飲むことによって、症状を消すことができるのです。

そのぐらいに希釈すると、水の中に物質はまったく残っていません。

しかし、物質のもっていた性質だけは残ります。その水が、鉛の毒を消す薬になるのです。

ホメオパシー療法では、希釈すればするほど効果は高まるとされています。

これは、体内にある毒の濃度が高ければ高いほど、希釈率も高いほうがよいのではないか、と私は考えています。

つまり、もはや物質の効果で症状を消しているのではなく、水に転写された情報が、毒
の症状という情報を相殺しているのだと考えられるのです。

水は情報を転写し、記憶しているということができます。

海の水は、海で営まれている生命の物語を記憶しているかもしれません。氷河は、何百万年という地球の歴史を封じこめているのかもしれないのです。

水は地球を循環し、私たちの体の中を経て、さらに世界へと広がっていきます。

水の記憶している情報がもし読めたなら、そこには壮大なドラマが刻みこまれているのがわかるでしょう。

水を知ることは宇宙と大自然、生命すべてを知ることなのです。

水は心の鏡です。

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水はさまざまな顔をもち、人間の意識を形にして見せてくれます。なぜ、水は人の心を映し出すのでしょうか。意識とは、いったい何なのでしょうか。

そのことを説明するには、まずみなさんに知っていただきたいことがあります。それは、次のようなことです。

すべての存在はバイブレーションです。森羅万象は振動しており、それぞれが固有の周波数を発し、独特の波動をもっています。

私の話は、すべてこのことを前提にしています。そして、水の研究を続けてきた私は、これが宇宙の根本原理であることを知っています。

言葉にすると、たった一行で終わってしまいますが、初めて耳にする人にとっては、このことはとてもわかりづらい話かもしれません。

「すべてが振動だって?目の前にあるこのテーブルも椅子も、私の体も、目に見えるものすべてが振動しているっていうのは、いったいどういうことだ?」

たしかに、手にさわって質感を確かめることができ、中身もぎっしりとつまった木材や石、コンクリートなどが振動しているなんて、まず信じられません。

しかし、いま量子力学などの科学の世界では、物質とは本来、振動にすぎないということが常識になっています。

物を細かく分けていくと、すべては粒であり、波でもある、という不可解な世界に入っていくのです。

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もしあなたがミクロの体をもち、宇宙の成り立ちがどうなっているのか探検に行ったとします。

そして、原子というレベルまで小さくなると、この世界のいかなるものも、原子核のまわりを電子が回っているだけだということがわかります。

電子の数と形によって、原子は固有の振動をもつことになるのです。

どんなものでもすべて、ミクロの世界ではぎっしりとつまった素材ではなく、原子核のまわりをひたすらに動き回る波のように感じることでしょう。

すべては帯に振動し、動いています。そして、超高速で点滅を繰り返しているのです。

般若心経には次のようなくだりがあります

「色即是空、空即是色ーーー目に見えるものには実体がなく、目に見えないものには実体がある」

昔お釈迦様がいわれたとされる、この謎のような言葉が、奇しくも現代科学によって実証されたというわけです。

水は答えを知っている (サンマーク文庫)
江本 勝 サンマーク出版 2011-01-17
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