気の人間学 矢山 利彦 (著)

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気の人間学

1 人間は物質からできた身体と気のエネルギーからできた身体を持っている より

気功を料理のように学ぼう

気功法とはどんなものですか?いう質問を受けたときに、私は気功法とは料理法のようなものですと答えることにしています。

材料を一定の手順に従って調理していくとさまざまな料理ができ上がってきます。

そして味は数字で表わしたり機械で測定したりはできませんが、食べてみればそのでき具合は、判然として知ることができます。

気功法は自分の心身を材料にして、気感という具体的に感じることのできる感覚をたよりに、気の能力を発達させていきます。

そして、皆がおいしいという料理はやはりおいしいように、気の能力が発達すると、自分や相手の気の能力のステージを知ることができるようになってきます。

武道を長年訓練してこられた方なら、互いに向かいあってほんの少しでも手合わせをすると相手の実力や調子はよくわかります。

このような能力は、動物が生存するために基本的にもっている能力ですが、現代人はあまり使っていません。

物事を知るためには、それを体験してみることが近道です。気は自分で感じ、自分で出してみるのが気の世界」を最もよく知る方法なのです。

気功料理のシェフとして、気の世界のクッキング・マニュアルを述べていきましょう。

気功法の源流は、武術、医術、密教、道教、ヨーガであり、そこから教義の部分を取り除いた心と体の技法を気の能力を高めるという目的に沿って、融合進化させたものが私の提唱する気功法です。

私自身の気功法の歩みは、長年行なってきた空手を中心とする武術、医師として研鑽してきた東洋医学と、その源流のひとつである仙道、大学時代から興味をもって学んできた心身医学、

それに密教の修行、トランスパーソナル心理学やパラサイコロジーの理論などを土台にして、患者や友人たちと研究実践するなかから気の技法を生みだしてきたものです。

気功法上達のための10の基本ルール

無理なく、スピーディーに、気の能力がつくための基本ルールを10にまとめて最初に提示します。

①人間は物質体であると同時に、エネルギー体として存在している。

②気には物質次元の気、生物次元の気、生物を超える次元の(宇宙的)気の大きく三つのレベルがあると考えられる。

③気には質的側面(正気、邪気)と量的側面がある。

④人は、気の豊富な場所や人に集まり、気の枯れ(ケガレ)た場所や人から遠ざかる。

⑤気功法訓練の原則/より拘束事項の少ない自由度の高い方向へ向かう自由原理。

⑥より快適に感じる方向へ動かす快適原理。

⑦気功法には情報入力と情報出力のシステムがあり、両方を同時に訓練すると進歩が早い。

⑧気功法訓練の過程でpit fall (落とし穴)に陥らないためには、現実生活に対する脳の働きと気の世界に対する脳の働きを同時に高めていく必要がある。

これをダブル・コンピュータ仮説という。

⑨気功法は、小宇宙としての人間の可能性を開発することにより、天地自然の理を悟り、大宇宙と交流するためのシステムである。

⑩気の根源は太極の無(無尽蔵の無、タオ)である。

ここにあげた基本ルールが最終的な真理であるなどというつもりはありませんが、私のやり方で心身を調理するとこんな味のする料理(=気功法)ができると考えていただいて、気功法に興味のある方の役にたつ情報が提供できれば幸いです。

気功法の基本ルール1

「人間は物質体であると同時にエネルギー体として存在している」

この基本ルールは、気功法において最も土台となるべきものであると同時に、かなり高度の気のステージにおいても必要なルールで、このことが身体のレベルでよくわかっていると、気功法訓練の途上で出てくる、さまざまな疑問に自分で答を見出すことができます。


ここ10年ぐらい研究を続けてきた結果、間違いなく「気」のエネルギーが存在していることがわかっている。

本書では、日々、「気」のエネルギーを使って患者を治療している「気」の実務家が、「気」の実務を行うときの基本的な理論と実際のコツを述べる。

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