タオル一本の奇跡「乾布まさつ」のすすめ【わが超人的なる青春時代】

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船瀬俊介連載コラム

風邪をひいた。四年ぶりの風邪である。今回のヤツはしつこい。暖かくしなくてはとパジャマの上にジーパンを履いたり、夜は卵酒を熱憫で飲み過ぎたり……。

しかし、なかなかスカッと治らない。

そこでハタと気付いたのが「暖衣飽食」。これは東洋に伝わる不健康な生活への戒めの言葉である。

つまり暖かい衣服を着て、たらふく美食をしていると、体を壊すよ。不健康になるよ。弱くなるよ。……という訓戒なのだ。

また、田舎の亡くなった祖母の言葉も耳元によみがえってきた。「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」。楽をし過ぎると後で辛い目に遭うよ。

最初に苦しいことをやっておけば、後は楽だよ。……と当たり前だが、なんとも含蓄のある言葉ではないですか。

私は二0歳そこそこで九州の福岡から東京に出てきた。下宿は三畳―間という”惨状“であった。仕送り二万円で生活しなければならない。

雪が降っても素肌にシャツ一枚

そこで、徹底的な節約ライフを送ることとなる。まず、部屋に暖房器具がない。それなら自分で暖めればいい…と始めたのが「乾布まさつ」である。

夜、寝る前にタオルで両手、胸、腰、背中、両足…と一カ所で一0回数えながらゴシゴシやった。

体は見る間に赤くなり、ポカポ力して気持ちがいい。そのままパンツ1丁で寝を掛け布団はなく、近くのダイエーのバーゲンで買ってきた毛布一枚だけだ。

朝、目覚めると布団の上でアグラを掻いて、またタオルでゴシゴシ……。

暖かいので下着など着ない。素肌にシャツ一枚で大学に通った。それも半袖である。この朝晩の「乾布まさつ」を毎日、習慣として続けた。

夏が過ぎ、秋も終わり、冬になった。それでも素肌に半袖シャツのみというスタイルで過ごしていた。

ある昼下がり、なんとも冷え込む一日だった。と…銀色の空から”灰“が振ってきた。見上げると一面の”灰“……。

「どこか火事なのか?」スワッと思ったら何かが頬に落ちてきた。冷たい!雪だった。素肌に夏の半袖シャツ一枚なんだから寒いはずだ。それでも「乾布まさつ」だけで暖房ゼロで過ごした。

ある明け方、夢を見た。目覚めると三畳間一面にキラキラと雪が積もっていた。毛布の上にも…と、跳ね起きた。

「寒いー」。窓ガラスを開けるとこんもり雪が積もっている。危うく凍死するところだった。この日からタートルネックの黒のセーターに”衣替え“した。

それも、やはり素肌の上に一枚きり。こう思い出して書いていて、われながら呆れる。人間は鍛えればなんとまぁ頑健強靭になれるものかーーー

今、振り返ると私の学生時代は、つまりチョー貧乏だったが、チョー健康だった、と言える。それもタオルたった一本で!

「乾布まさつ」の効用は、まず安上がり。ゴワゴワのタオル一本で一年はもつ。つまりコストはゼロに等しい。暖房費もゼロだ。血行がよくなる。

体はいつもポカポカ。被服費もほとんどゼロ。

冬まで素肌にシャツ一枚で過ごせるからだ。風邪をひかない。免疫力が上がるのだろう。さらに精神的にも安定するようだ。

皮膚は”第二の脳“とも言われる。人間が胎内で受精し発生するさまを顕微鏡で見ると胚が分割して、ちょうど空気の抜けたゴムボールを潰すような形態変化をする。

内部に包まれた”表皮“が発達して脳や脊髄になる。つまり皮膚と神経組織は、その発達段階では一緒のものなのだ。

だから心身の緊張や安らぎも皮膚にすぐに現れる。

逆に言えば、皮膚を鍛えると神経も鍛えられる。

つまり「乾布まさつ」で脳や自律神経の働きも活発になる。おんぼろタオル一本で暖房費、医療費、おまけに衣料費ゼロとなれば、これはもう奇跡ではないか。

そして、地球温暖化防止にこれほど貢献できるライフスタイルはあるまい。

そこで、とりあえず朝・晩の「乾布まさつ」を三〇ン年ぶりに始めてみた。これがなんとも調子よく、ポカポカ気持ちいい。

風邪もすぐに抜けそうだ。あなたも始めてごらんなさい。女性の方なら冷え性など一発で治りますから。

体も助かる。財布も助かる。地球も助かる。タオル一本からの”革命“始めてみませんか?

2005年4月 月刊社会民主 「船瀬俊介の躰にいいコラムVOL . 8」より転載

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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