梅干し&梅のレシピ―抗菌・抗酸化作用で健康力をアップ ! 石澤 清美 (著)

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梅干し&梅のレシピ―抗菌・抗酸化作用で健康力をアップ ! (食べてすこやかシリーズ)

悔干し&梅の健康効果に注目!

「梅はその日の難のがれ」ということわざがあります。

朝、梅千しを食べておけば、難(主に病気のこと)をのがれられるという意味です。

昔の人が梅干しの健康効果をいかによく理解していたかがわかります。平安時代の書物「医心方」には、村上天皇の病が梅千しとこぶ入りのお茶で平癒したとの記述があります。

ところで、中国から日本へ渡ってきた当初は、梅の実をくんせいし、乾燥させた飢息の状態でした。

烏梅は鎮痛・解毒作用があるとされ、漢方薬として用いられるほか、紅花染めの媒染剤としても重宝されました。

その後、長期保存が可能になる塩漬けが考えられ、梅千しの登場となります。

長らく僧侶や武士しか口にできない時代がつづきましたが、江戸時代になって、幕府が梅の植樹を奨励したため、庶民の食卓にも登場するようになりました。

現在は研究が進み、梅や梅干しには、体にとってよい効果がいろいろあることがわかってきています。

食中毒を防ぐ効果

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梅干しには、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌の増殖を防ぐ働きがあることがわかっています。

主に梅干しに含まれるクエン酸の働きといわれていますが‘梅干しにふれている部分にのみ有効なので、ごはんの真ん中に梅干しをおくよりは、果肉をちぎってごはんにまぜ込んだほうが有効といわれています。

また、梅干しを食べると、胃液や胆汁液の殺菌作用が増強され、口から入ってくる腐敗菌の増殖を防ぐ働きも期待できるといわれています。

ただし、最近売られている「調味梅干し」では、その抗菌作用が低下しているとの指摘があります。

こうした効果を期待するなら、手作りの梅干しがよいようです。

インフルエンザウイルスやピロリ菌にも有効

和歌山県立医大と和歌山県みなべ町の共同研究では、梅干しから抽出した成分でインフルェンザウイルスの働きを抑制できるという実験データがあります。

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ただし、その効果を得るには梅干し5個を毎日食べる必要があるということですから、塩分のとりすぎが心配となります。

このほかにも、同じ研究グループによる研究で、梅干しに含まれるシリンガレシノールという成分に、胃に害を及ぼし、がんなどの発症に関係するヘリコバクターピロリ菌を抑制する働きがあることもわかっています。

梅香るじゃこごはん

材料(4人分)

米・・・360ml(2合)
酒・・・大さじ1
しょうが・・・1かけ(10g)
梅干し・・・2個
ちりめんじゃこ・・・15g
青じそ・・・6枚

作り方
1 米は洗ってざるに上げ、炊飯器に入れる。酒を加えて通常の目盛りまで水を加える。

2 しょうがはみじん切りにし、栴干し、じゃことともに1に加え、普通に炊く。

3 炊き上がったら、青じそをあらみじんに切って加える。梅干しをくずしながらさつくりとまぜ、種を除き、器に盛る。

梅なめたけ

材料(2人分)

えのきだけ・・・大1袋(180g)

しょうが・・・1かけ(10g)

梅干し・・・2個

A「みりん・・・ 大さじ2 酒・・・大さじ2 薄口しょうゆ・・・大さじ1」

作り方

1 えのきだけは石づきを切って2~3cm長さに切り、しょうがはせん切りにし、なべに入れる。

2 梅干しは果肉をこまかくちぎり、種とともに1に加える。

3 Aを注いで、ざっとまぜてふたをし、中火にかける。ふつふつし始めたらさっとまぜ、1分ほど蒸し煮にする。

4 ふたをとり、まぜながら好みのかげんまで煮詰める。種をとり除いて保存する。冷蔵庫で1 週間ほど保存できる。


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梅の季節は、一年のちょうど真ん中ごろ。

初めて梅を漬けた二十歳そこそこのころから、毎年飽きることなくつづけている梅仕事は、今年も半分を過ぎたのだと、少しの間、立ち止まらせてくれるたいせつな時間です。

何―つ変わることなく、繰り返しのように思える梅仕事も、味つけやら仕込み方法やら、そのときの自分に合わせて少しずつ変わっていて、1kgしか漬けることのできなかった年もあれば、必要があって30kgも仕込んだ年もありました。

積み重ねた年月を梅の香とともに、鮮明に思い描くことができます。

梅は生では食べられたものではありませんが、その香りはすがすがしく豊か。仕込むつかの間、台所は廿ずっぱさに包まれ、至福のひとときとなります。

強烈な酸味のおかげで保存漬けの中では失敗が少なく、漬けてみれば、みな簡単。

そして、どれも長く保存ができるのもうれしいところ。さらにつけ加えれば、時に醸され、少しずつ変化してゆく昧も楽しみの―つです。

漬けてすぐに食べられるものではないけれど、必ず、時間がつくり上げてくれます。初めて漬けるかたも、しばらく漬けていないかたも、今年は、梅を漬けてみませんか?

石澤 清美

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