病気にならないための新常識 伊藤 豊 (著)

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病気にならないための新常識

中村天風先生の「怒るな、怖れるな、悲しむな」という言葉があります。いわゆる強いストレスが続くことが、血液の上昇、動悸、食欲低下が現れ、体調不良から病気を発症します。

「スポーツは体にいい! 」を卒業しましょう。ストレスの活性酸素が体内の細胞を傷つけ、がん、生活習慣病、老化などの原因に。

50歳までタバコを吸い続けた人は吸い続けたほうがいい。

禁煙のストレスと、喫煙でストレス解消できるメリットを天びんにかけて。禁煙治療で「自殺」の副作用があることは知られされていません。

痛風は、ビール・プリン体が駄目……ではありません。針状結晶を作れなければいい。つまみにビタミンAを含む、アーモンドにピーナッツ、アジにイワシでおいしく飲むことです。

がんの「早期発見」なんて嘘。

コレステロールに善玉も悪玉もない。

白血球も自律神経の支配を受けている。

塩分摂取量が増えると血圧は低下する。

「小腸」を守ることが健康のためには最も重要。

クモ膜下出血と脳梗塞は交感神経過緊張。

「病人の80%はストレスが原因である」「ストレスでさらに重症化する」ことが確かめられています。

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「病気になる」のは、そこに必ず健康を害した理由があります。

情報化時代の現在、本物の情報がどれだかわからず、誤情報が一人歩きしているのを心配しています。

特に。「医学的情報」は「非常識」が氾濫しています。それ故、多くの人は病気の原因を究明するようなことも考えず、

今、目の前にある症状に対する「対症療法」に依存している状態です。免疫力で守られている体をどう支えるのか、考えてみたいと思います。

私たちの体をコントロールしている自律神経

●活動の交感神経と鎮静の副交感神経

神経系の末梢神経に属する自律神経は、60兆もの細胞の働きを調整するために全身にはりめぐらされており、自分の意志の力ではコントロールできない神経です。

心臓が動いているのも、消化吸収できるのも、自律神経が働いているからです。

さらに体温調節から排泄まで、それぞれの機能を一時も休まずコントロールしてくれているのが自律神経です。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つがうまく働くことでバランスをとっています。

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交感神経は「運動性」「活動」の神経で「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」「ドーパミン」などの神経伝達物質によって興奮・活性化します。

一方の副交感神経は、「鎮静」「リラックス」の神経で、「アセチルコリン」などの神経伝達物質によって興奮・活性化します。

この二つの神経が、シーソーのように互いのバランスをとることで、私たちの身体は正常に、健康に保たれています。

しかし、何かの原因で、いずれか一方の神経のみが過剰に優位になる=過緊張になると、様々な症状を引き起こします。

たとえば交感神経が過緊張になった場合には精神的にイライラしやすく、動悸がしたり、食欲が不振になります。

さらに組織や細胞は傷ついたり破壊されたりして、胃潰瘍や糖尿病、甲状腺機能障害、肝炎を起こしたりします。

また、組織の老化によって動脈硬化が起こりやすくなったり、排て便秘や胆石、脂肪肝などにつながります。

そのほか眼精疲労や味覚障害、不眠などの睡眠障害が起こりますし、さらに免疫系の働きが低下して、ウイルスによる感染症などにかかりやすくなります。

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一方の副交感神経も過緊張になった場合には、アトピーやぜん息などのアレルギー疾息、血流が過剰に増加することで頭痛やのぼせ、

排泄・分泌機能が過剰になるために下痢や骨粗しょう症、その他、知覚過敏や、エネルギー代謝が低下することによる肥満などに結びつくことがあります。

自律神経のバランスが良いとき、私たちは健康

中村天風先生は「たとえ病というものがあっても、病気というものはない」と言われました。

私たちの体は恒常性を保っために、自律神経の支配をうけています。私たちの体のすべての細胞の働きは、自律神経が調整しているのです。

自律神経の「交感神経」と「副交感神経」は、両者が自分の役割をきちんと果たして上手にバランスをとることで健康が保たれています。

たとえば、典蒋したり怒ったりして交感神経が優位になったとき、血管が収縮して、血圧が上がり、脈が速くなります。

そしてその状態から、リラックスして副交感神経が優位になったとき、血圧が下がり、脈も正常に戻るのです。

心配で食欲がなくなるのは交感神経が優位になるためであり、落ち着いて食欲が出てくるのは副交感神経が優位になるためです。

このように状況が変わるに従って、交感神経、副交感神経がバランスよく働いてくれるとき、私たちの健康は良好でいられるのです。

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このバランスを保っている自律神経が乱れる一番大きな原因は「心身のストレス」です。

天風先生の「怒るな、怖れるな、悲しむな」という言葉があります。この「怒り、怖れ、悲しみ」いわゆる強いストレスが、ノルアドレナリンの分泌を促し、交感神経をどんどん活発にして、過緊張を引き起こすのです。

この緊張が続くと肉体的には、血圧の上昇、動悸、食欲低下が現れ、体調不良から病気を発症することにつながってしまいます。

交感神経が過緊張したあとは、病気にならないように、何とか元に戻そうとする反応がおきます。

それがストレスから自分を守るための免疫反応です。そしてこのときに優位になるのが副交感神経です。

副交感神経が優位になったとき、免疫力が正しく働き、病気の予防や治療につながるのです。

ただ、この副交感神経も優位になりすぎると、過剰反応でアレルギー疾患などの病気になることがあります。

病気にならないための新常識
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