知られざる世界権力の仕組み[上] [下] ロスチャイルド&ロックフェラー帝国の全貌

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知られざる世界権力の仕組み[上] ロスチャイルド&ロックフェラー帝国の全貌

第一章 ロスチャイルド家のと勃興一族の世界支配 より

「国家の通貨さえ発行・管理させてもらえれば、法律をだれがつくろうとわたしは気にしない」

ーーマイアー・アムシェル・バウアー(・ロスチャイルド)

ロスチャイルド家の誕生と五人の息子たち

フォーブス誌の一九八三年一二月一九日号は「ドイツの一○大銀行のうちの半数がフランクフルトを本拠にしている」ことに注目した。

徴税と金儲けに関するバビロニア通貨制度の現代版である近代世界金融制度は、ドイツのヘッセン州フランクフルト・アム・マインにおいて完成された。

農民や小商人への金貸しも金儲けになるが、ほんとうの利益は政府に融資することにあると、マイアー・アムシェル・バウアー(のちのロスチャイルド)が発見したのだった。

一七四三年にフランクフルトで生まれたマイアー・アムシェルは、グッタ・シュナッパー(一七五三~一八四九)と結婚した。

三年の徒弟期間をハノーヴァーのオッペンハイム銀行で勤め、この期間中に中将フォン・エシュトルフ男爵の用を務める機会を得た。

フォン・エシュトルフは、ヨーロッパ随一の富裕な人物で、プロイセン王国のヘッセン方伯フリードリッヒニ世の主席顧問官だった。

フリードリッヒの資産は七○○○万から一億フローリンに相当し、その多くはスウェーデン王の兄弟である父親のヴィルヘルム八世から相続したものだった。

フォン・エシュトルフ男爵はマイアー・アムシェルが投資で金を殖やすことにかけて並々ならぬ才能を発揮していると方伯に助言した。

方伯はすぐさまマイアー・アムシェルを呼びにやらせた。

このころ、英国王ジョージ三世〔在位一七六○~一八二○年〕はアメリカの反乱軍を鎮圧しようと躍起になっていた。

国王の軍隊は野戦に習熟した頑強なアメリカ軍に打ち負かされつつあった。

マイアー・アムシェルが手はずを整えて、ジョージ三世はヘッセン方伯から屈強な若者のヘッセン人兵士一万六八○○人を傭兵として借り受けることになった。

これだけのすごい追加資産がヘッセン方伯にはあったのだ。

一七八五年に方伯がわずか二五歳で頓死すると、この有利な関係は絶たれた。

しかしながら、方伯の後継者となった選帝侯ヴィルヘルム一世に対しても、マイアー・アムシェルは絶対的な影響力を獲得する。

選帝侯はマイアー・アムシェルと同じ一七四三年の生まれだった。二人はまるで一足の靴のようだといわれた。それほどびったりウマが合ったのだ。

亡くなった方伯は気むずかしくて要求のきびしい人物だったので、マイアー・アムシェルにしてみれば、その関係がこんなふうに変化するのは嬉しいかぎりだった。

事実、方伯の突然の死によって、幸運にもマイアー・アムシェルは、ヨーロッパ最大の財産を管理する責任を手に入れたのである。

繁栄を築き上げたとき、マイアー・アムシェルはユダヤ小路にあるシフ家との共同家屋の戸口の上に、大きな赤い楯の紋章を掲げた。

この紋章にちなんで姓を「ロートシルト」〔ドイツ語で「赤い楯」の意、ロスチャイルドはその英語訛り〕とした。

一八ーニ年に死亡したマイアー・アムシェルは、一0億フランを遺産として五人の息子に遺した。

長男のアンセルム〔一七七三~一八五五〕はフランクフルトの銀行の責任者を任された。

彼には子供がなく、銀行はのちに閉鎖される。

次男のサロモン〔一七七四~一八五五〕はウィーンに派遣され、アルンシュタイン、エスケレス、ガイムラー、シュタイン、ジーナというユダヤ人五家族の共同で前々から行なわれていた銀行業の独占を、まもなく乗っ取った。

三男のネイサン〔一七七七~一八三六〕はロンドン支店を設立したが、それはマンチェスターでの織物・染料関係の取引で利益を上げたことが原因で広く恐れられ憎しみを買ったあとのことだった。

四男のカール〔一七八八~一八五五〕はナポリに赴き、そこでオカルト団「アルタ・ヴェンディタ」の団長となった。

末っ子のヤコブ〔一七九二~一八六六〕はパリにロスチャイルド商会のフランス支店を創立した。

このようにヨーロッパの主要都市に戦略的に配置された五人の息子たちは、儲けの大きい対政府融資事業を開始した。

今日、ロスチャイルド家の持株はキュラソー〔ベネズエラ沖に浮かぶオランダ領アンティルの島〕のファイブアローズ基金とカナダのトロントにあるファイブアローズ社に集中されている。

ファイブアローズという名前は、五人の息子を指す五本の矢を爪でがっしりつかむワシを象ったロスチャイルド家の紋章に由来している。

金融恐慌・不況・飢饉・戦争・革命で暴利を貪る

対政府融資を行なって成功するための教訓の第一は、「需要の創出」にある。

すなわち、金融恐慌・不況・飢饉・戦争・革命の創出に参加することである。

ロスチャイルド一族の圧倒的成功は、なすべきことを意欲的に行なったことにある。

フレデリック・モートンは『ロスチャイルド一族』の序文でこう書いている。

ロスチャイルド一族の歴史がこの一五○年のあいだずっと、西ヨーロッパの裏面史であり続けたのは、驚くべきほどである。

……個人でなく国家に融資して成功したために、一族は巨大な利益を貯めこんだ。

……かつてある人は、ロスチャイルド家の富は数々の国家の破産の上に成り立っていると言った。

『シティーの帝国』のなかでE.C ・クヌースは次のように言っている。

ロスチャイルド商会がカネを儲けたのは、歴史が大崩壊するときと歴史上の大戦争が起きるとき、つまりまさに他人がカネを失う時期であったという事実は、疑う余地がない。

一九三七年七月八日付のニューヨーク・タイムズ紙の記事によれば、ドイツの歴史家ヴィルヘルム教授は次のように述べたという。

ロスチャイルド一族はカネによる支配をヨーロッパの政治にもちこんだ。ロスチャイルドは、世界をカネとカネの働きのイメージに改造する仕事を引き受けたカネの亡者である。

富を用いることとカネとがヨーロッパ人の生活の法律となってしまった。

われわれにはもはや国家というものは存在しない。あるのはただ、経済区分だけである。

次は、一八七九年六月四日付のニューヨーク・タイムズ紙の記事である。

世界的に有名な銀行N・M・ロスチャイルド商会の長であるライオネル・N・ド・ロスチャイルド男爵が死去した。享年七一。

同氏は一八0八年に同商会をロンドンに創立し、一八三六年に死亡した故N・M・ロスチャイルド男爵の息子である。

同氏の父は、ロスチャイルド一族の名声と権力はすでに世界に広がっていたのだが、それを不滅のものにするために、家族がまとまって共通の目的に献身することが必要であるという結論に達したのだった。

そうするために、一族の者同士で結婚し一族以外の者と結婚しないようにすべきだと提案した。

一八二六年、フランクフルトに家長会議が召集され、ネイサン男爵の見解が承認された。

南北戦争は米国を分断するために仕組まれた

ジョン・リーヴズはロスチャイルド家公認の伝記『ロスャイルド:国家の金融支配者』のなかで、ライオネルの娘レオノーラ〔一八三九~六六〕と、パリのジェームズ〔=ヤコブ〕・ロスチャイルドの息子で彼女のいとこにあたるアルフォンス〔一八二七~一九○五〕との結婚式のため、一族が一八五七年にロンドンに集まったとき、ディズレーリ(イギリス首相)が次のように誇らしげに述べたことに注目している。

この屋根の下にロスチャイルド一族の家長の方々が集まっています。ロスチャイルドの名前はヨーロッパのあらゆる首都で地球のあらゆる地域で有名となっています。

もしよろしければ、われわれで合衆国を二つの部分に分け、一つを、ジェームズ、あなたに、そして一つを、ライオネル、あなたに差し上げましょう。

わたしが忠告すれば、ナポレオンはそのとおりにすべてをやってくれるでしょう。

これが南北戦争の政治的なはじまりであった。

ロスチャイルドは、急速な成長を遂げてますます繁栄する自由なアメリカ共和国に恐れを抱いていた。

そこでもしこの国を二つの弱小国家に分割すれば、世界にまたがる彼らの利害にとって危険がより少なくなるだろうと内密に決定したのである。

ジョン・リーヴズは「ロスチャイルドーー国家の金融支配者」にこう書いている。

ネイサンがイギリス政府を支援した最初の機会は一八一九年だった。このとき六○○○万ドルの融資を引き受けた。

一八一八年から三二年にかけては八回の融資を行ない総額一億五四○万ドルに達した。その後の一八回の対政府融資は総額七億ドルにのぼった。

ロスチャイルドにとって、アメリカ独立戦争とフランス革命の勃発ほど都合のいいことはなかった。

おかげで、それ以後に手にすることになる莫大な富の基礎を築くことができたからだ。

ロスチャイルドは昔(そして今も)ヨーロッパの支配権力であった。

なぜなら、すべての政治勢力がこの大金融独裁者の統治を喜んで承認し、従順な家臣のように文句一ついわず貢ぎ物をしたからである。

その影響力たるや、まさに全能であって、いかなる戦争もロスチャイルドの支援がなければはじまらないといわれたほどである。

彼らが昇った地位は政治・経済界にたいへんな力を持ち、ロスチャイルドはヨーロッパの絶対権力者となった。

一族に関する古文書は、もし公開されれば歴史の解明に大いに役立つはずであるが、大衆にとっては深い謎、巧妙に隠された封印の書なのである。


この世界を真に支配しているのは誰か?金融恐慌・不況・飢饉・戦争・革命の捏造者の実名を暴く

現在の世界の大いなる難問は「支配者はだれなのか?」という問題である。

どの国でも、はっきりと目に見え、だれもが知っている人物が支配している。彼らは選挙で選ばれたか、武力で権力を掌握したか、陰謀によって地位を与えられた者たちである。

だがほんとうは、これらの指導者たちは一つの国際的グループによって秘密裡に選ばれるのだ。この国際的グループこそが「世界権力」なのである。

[目次]

・序章: 新世界権力とはなにか?

・第一章: ロスチャイルド家の勃興と一族の世界支配

・第二章:ソヴィエト・ロシア帝国の誕生と崩壊

・第三章:フランクリン ルーズヴェルトの虚像を剥ぐ

・第四章:アメリカ経済を自在に操作する七人の金融家

・第五章:ホワイトハウス結託企業・ベクテル社の秘密

・第六章:世界権力の諜報機関CIAの秘密活動を暴く

・第七章:「財団」とは世界権力の犯罪シンジケートである

・第八章:慈善事業を隠れ蓑にするペテン財団の全犯歴

・第九章:世界権力という寄生体の覇権は永続しない

・解説:太田龍 ユースタス・マリンズをより深く理解するために

知られざる世界権力の仕組み[下] 寄生体シンジケートが富と権力を握る
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