脳がよみがえる断食力 山田豊文(著)  

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脳がよみがえる断食力 (青春新書INTELLIGENCE)

なぜ、成功者は断食するのか?

一流アスリート、芸術家、経営者…成功者がこぞって実践する山田式ファスティングとは?脳の飢餓状態が五感を研ぎ澄まし、あらゆる機能を飛躍的にアップさせる

私はこれまで、プロゴルファーや格闘家といったアスリート、さらには芸術家、経営者たちに、断食を指導してきた。

「断食」と聞くと、ほとんどの人はダイエット効果やデトックス(体内の毒素排出)効果、あるいは心身のリセット効果を思い浮かべるだろう。もちろんそれもある。

しかしじつは、それ以上に、断食には人生を変える秘密が隠されているのだ。

それが、断食の脳への効果である。

断食を経験した人は皆、頭が冴える、記憶力や理解力が高まる、物事に動じなくなる、身体がしなやかに動かせるようになる、疲れにくくなる、といった変化を実感する。ひとことでいうと、脳の仕事力が飛躍的にアップするのだ。

これが「断食力」である。

断食が必要なのは、アスリートに限った話ではない。自分の「能力」を呼び覚ますということは学業や仕事といった場面で、成果を出せることにつながる。

つまり、断食は人間のあらゆる活動において、成功のカギを握っているのである。

近年、子どもの学力低下が問題になっているが、断食は教育の場面でも有効だ。実際、ある進学校では大学受験前に断食を実施し、一流大学合格者を多数輩出していると聞いたことがある。

「そうはいってっも、自分には断食なんて無理だ」と思うかもしれない。

しかし私のすすめる断食は、飲まず食わずのつらいものとは違う。健康面に配慮しながら、体に溜まった毒素を排出し、脳を活性化させる方法だ。

 動体視力がアップした選手時代の落合博満監督

私が断食の指導をおこなったアスリートもかなりの数にのぼる。

現役時代、打撃部門のタイトルを独占する三冠王の栄誉を3回も手にした落合博満中日ドラゴンズ監督もその一人だ。

もっとも、落合氏の場合は日頃からトレーニングを積んでいることもあって、体脂肪も低く、ダイエットが目的というわけではなかった。

眼目は、40歳を過ぎてから衰えが目立つようになっていた動体視力を復活させることにあった。

「動体視力と断食?いったいどんな関係があるのだ」

そう首をかしげる人が少なくないかもしれない。

しかし関係は「おおあり」なのだ。動体視力はもちろん、視神経の働きと密接にかかわっている。

その視神経が俊敏に働くためには、すばやく情報伝達がおこなわれる必要がある。ここに断食が関係してくるのだ。

事実、断食を実践した落合氏は43歳で21本のホームランを打った。これは米大リーグにもない、シーズン最多ホームランの最年長記録だ。

 じつは逆効果の「焼肉でスタミナ」

「このところ疲れ気味だから、スタミナつけなきゃ。よし、焼肉行くか。」

こんな言葉を、そこここでよく耳にする。肉こそ最高のスタミナ食、肉は最良のタンパク源、という信仰はまだまだ広くはびこっているようだ。

体にとってタンパク質が不可欠な栄養素であることは間違いない。

筋肉や骨、またホルモンや酵素の材料になったり、エネルギーが不足した際には、エネルギー源にもなるタンパク質だが、その一方で“問題児”にもなる。

その代表的なものが、肝臓と腎臓への負担だ。

このように、肉を食べ過ぎれば、肝臓にも腎臓にも大きな負担を強いることになるのである。

「焼肉でスタミナを!」という考えは危険を孕んだものであることを知らなければならない。

もう一つの問題は、肉をたくさん食べると、血液が酸性に傾いてしまうことだ。このとき体はどうするか?

じつは、骨や歯のカルシウム(アルカリ性)を溶かして、血液中に送り込むのである。これは「脱灰」と呼ばれる。

脱灰が起これば、骨や歯は弱くなる。また、視力低下や糖尿病、心筋梗塞の引き金になることも指摘されている。

 「勝負時」にこそファスティングを!

正月などはどうしても“食っちゃ寝、飲んじゃ寝”で過ごしてしまいがちだ。

新たな気持ちで一年をスタートするためにも、仕事はじめの前にミネラルファスティングに取り込むのもいいのではないだろうか。

さらに、受験や就職、結婚や独立など、人生にはいくつかの節目がある。そんな「勝負時」にこそミネラルファスティングをおこない、「脳力」を余すことなく発揮してほしい。

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by ヨメレバ