「食べること、やめました」―1日青汁1杯だけで元気に13年 森 美智代 (著)

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「食べること、やめました」―1日青汁1杯だけで元気に13年

「食断ちで脊髄小脳変性症も克服!」あなたは信じますか?

奇跡の女性鍼灸師がいることを。「人は食べなくても生きていけるのか?」その答えが今、初めて明かされる。

必要とする人に、この情報を届けたい

一日に青汁一杯という食生活になってしばらくすると、だんだんそのことが知られ、テレビや雑誌の取材が来るようになりました。

インタビューを受けたり、鍼灸院や自宅で撮影をしたり、スタジオで録画撮りをしたり……。


健康養生法のコツがわかる本

甲田光雄先生といっしょにテレビ出演したことも何度かあります。

私自身は、ここまでお話ししてきた通り、長い期間をかけて自然に青汁一杯の食生活になったので、あまり特別という感覚はありません。

しかし、もちろん現代栄養学に照らすと「不思議だなあ」と思います。養護教諭になるためにやってきた医学や栄養学の勉強内容からみても、まったく説明がつかないことは、自分でもわかっていますから。

だからこそ、こういう実例があることを、みなさんに知っていただきたいという思いが
あります。

私の例に限らず、甲田先生の長年の研究成果として、少食でさまざまな症状や病気が治ること、体調がよくなったり、エネルギーが湧いてきたり、いろいろな能力が開かれたりすることは、多くの例で実証されています。

その情報を、必要とする人のところに届けたいのです。

この章では、そういった専門的・科学的な視点から、私やほかの少食実行者の体を調べた結果、わかったことや検査データなどをご紹介しましょう(本文に出てくる先生方の肩書きは当時のものです)。

基礎代謝量は同年代の女性のマイナス43%

同大学(順天堂大学)では、私の休の基礎代謝量についても検査していただきました。

基礎代謝量とは、前にも触れましたが、私たちが安静にしているときでも、内臓などの活動に使われる、最低限必要なエネルギーのことです。

現代栄養学では、これを下回るエネルギー量しかとっていなければ、筋肉や骨が損なわれて健康が維持できないとされています。

基礎代謝量は、厳密には体格や年齢、環境条件などによって違ってきますが、おおむね成人女性で一二00キロカロリー、成人男性で一四00キロカロリーとされています。

ところが、私の基礎代謝量を調べていただいた結果、同年代の女性の平均値より四三%も少ないことがわかったのです。

つまり、たいへんな省エネ体質、いい換えれば「やせに」くく太りやすい体」ということになります。青汁一杯で元気に生きていられる秘密は、こんなところにもあるようです。

ただし、私の青汁一杯は六0キロカロリーですから、基礎代謝量が同年代女性のマイナス四三%だとしても、「森さんのケースは、それだけでは説明できない」と佐藤先生はおっしゃっていました。

計算上だけでいうなら、私の体は、日一日とエネルギー源として使われ、なくなっていくはずだというのです。

それでも、こうして元気でいるのは、基礎代謝量が少ないのに加え、ここまであげたいくつかの体の適応(変化)が絡み合って、うまい具合に体が維持されるようになっているのでしょう。

生菜食実行者の基礎代謝量に関しては、大阪府立大学教授の山口雄三先生のご研究もあります。

甲田先生のところで、生菜食を一年間実行した五人の協力者を対象に、基礎代謝量の変動を測定した研究です。

このときは、私はまだ病気の症状がひどく、被験者に含まれていません。

その結果、生菜食を実行すると、基礎代謝量がかなり下がることがわかりました。

五人の平均で四0%の低下が認められ、中には六0%も減少した劇的な例もあったとのことです。

私の「マイナス四三%」で驚いてはいられません。

驚くべきは単なる数値ではなく、底知れぬ人間の「適応力」や「可能性」だなあと、こうした検査結果を知ると改めて思います。

免疫力を示すインターフェロンaが普通の四倍以上

京都にあるルイ・パストゥール医学研究センターでは、免疫力を調べてもらいました。

このときは私だけでなく、生菜食の少食を実行しておられるほかの四名の方といっしょに検査を受けました。

検査をしてくださったのは、同センターの設立者であり、インターフェロン研究の大家であった故・岸田綱太郎先生です。

このときに調べたのは、「インターフェロン@」という免疫力の指標でした。

インターフェロンというと、最近は慢性肝炎などの治療に使う薬として知られるようになりましたが、もともとは体内で作られる免疫物質です。

体内で生産されて、病原体と戦う強力な「武器」の役目を果たしています。

インターフェロンにはいくつかのタイプがありますが、中でもインターフェロン@は、ウイルスやガンなどの腫瘍細胞に対する抑制作用が強いことが知られています。

インターフェロン@の血中濃度は、普通の人は五000単位くらいですが、病気をすると数値が下がり、たとえば糖尿病や肝炎になると三000単位、ガンやエイズだと一000単位くらいになるそうです。

私たち生菜食実行者の数値はどうだったかというと、一番多かった人は二万一六九二単位で、普通の人の四倍以上でした。

二番目が私で、二万二七七単位です。惜しくも二位でしたが、やはり普通の四倍以上です。

三番目の人は一万三八八0単位、四番目は一万二六三単位で、やはり普通の人よりはるかに多くなっています。

五番目の人は六三九0単位で、普通の人の二割強プラスの数値ですが、実はこの方はガンを患っておられます。

ですから、本来なら一000単位くらいのはずです。それが六三九0単位なのですから、見方によっては、ほかの誰よりも免疫力が高まっているともいえます。

普通は、免疫力を高めるには、「しっかり食べなければ」と思う人が多いでしょう。けれども、こうした検査結果をみると、少食にすることで、かえって免疫力が高まることがわかります。

断食や少食でガンや難病が治る例が多いのも、この免疫力増強がものをいっているのでしょう。

免疫学の権威である新潟大学大学院教授の安保徹先生は、免疫のしくみで重要な役目をするマクロファージ(病原体などの異物を食作用で処理する免疫細胞)は、私たちがとった食物の栄養処理も引き受けているため、大食や過食を続けると免疫力が落ちやすいと述べておられます。

逆にいえば、少食にすると、免疫力が確保されやすいということなのでしょう。安保先生は、マウスを使った動物実験で、与えるたんぱく質をへらせばへらすほど、ガンやマラリアに対する免疫力が増強することも確かめておられます。

「食べないほど免疫力が上がる」とは、これまでの医学や栄養学の常識からいうと考えられない現象ですが、そんなところにも、次第に科学の光が当たりつつあるようです。

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