じつは怖い外食 ~サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険~ (ワニブックスPLUS新書)
知っておきたい「外食」の危険
作物の成長を早める肥料のために、発がん物質を含んだ野菜、腐臭がする川の水で栽培される中国産野菜、遺伝子組み換え作物栽培のために生まれた「スーパー雑草」、
人工的に満身創痍にされた牛の「霜降り肉」、抗生物質シャワーを浴びた豚の肉、結着剤でやっと形になる成形肉、本当はウミヘビの「穴子」……。
病気の動物の肉が出回る現実
私が外食をするときに絶対に口にしないもののひとつが「霜降り肉」だが、それは生産方法を知っているからだ。
霜降り肉は、高カロリーの穀物飼料を与えたうえ、少しでも早く太らせるためにビタミンAをわざと欠乏させて育てる。これは世界的に見ても非常に特異な飼育方式である。
そうして育てられた牛は、ビタミンA欠乏症となり、ほとんどの場合、目が見えなくなる。
それだけではなく、内臓脂肪がたまって脂肪肝となり、動脈硬化が起こる。
極度に肥満して、糖尿病などのさまざまな病気も併発することになる。
その肉が、高級霜降り肉として食されているのである。
今、私たちが食べている肉のうち、半数以上は病気の動物の肉であることを、ご存じだろうか。
日本では、年間約1622万頭の豚と、約120万頭の牛が解体処理されて食肉になるのだが、その豚の68%、牛ではなんと80%になんらかの病変や炎症があることが報告されている。
それらは全部廃棄、または一部廃棄になっていて、部位としては圧倒的に内臓部分が多いのだが、肉にまったく影響が及ばないとは考えられない。
なぜそんなことになるのかというと、高カロリーの配合飼料(穀物)を無理やり与えるからだ。
本来、牛や豚の欲していない飼料を食べさせ過ぎるために、消化器や循環器に異変が起きてしまうのだ。
また、過密で閉鎖的な畜舎内での飼育によって呼吸器にも病気が起こる。
コンクリート製の蓄舎は、風通しも悪く、日も差さない場所に建てられていることが多い。
糞尿がたまって衛生状態が悪くなり、病原菌や寄生虫が繁殖しやすい状態になっている。
加えて、運動不足にもなるため病気にかかりやすくなる。
それを防ぐために、病原菌や寄生虫類を駆除しなければならず、大量の殺虫剤や殺菌剤をまき、大量の抗生物質を飼料に混ぜて家畜に食べさせる。完全な悪循環だ。
アメリカより、日本で売られるコーラが危険なわけ
アメリカの公益科学センター(CSPI/Center for Science in the Public Interest)は、2013年6月にこんな発表をした。
「日本を含む世界各国で飲まれているコカ・コーラには、発がん性物質41メチルイミダゾール(4ーMI)が含まれている」
これは、じつに衝撃的なニュースであったが、この件についても日本の多くのメディアは口をつぐんだ。
CSPIの調査に関わった日本のNPO法人「食品と暮らしの安全」によると、この「4ーMI」は、カラメル色素を製造する過程で砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される化学物質であるとされている。
不思議なのは、カリフォルニア州で販売されているコカ・コーラには、その4ーMIが4マイクログラム含まれているのに対し、日本で販売されているコカ・コーラには、それが72マイクログラム(いずれも355ミリリットル換算)も含まれていることだ。
カリフォルニア州のコーラのなんと18倍。カリフォルニア州では「4ーMIを含む食品の規制があるから」というのがその理由だが、規制がなければ危険性が分かっていても使う、という企業姿勢が鮮明に出た一件であった。
増加する危険なチリ産のサケ
その中でもチリ産は最も多く、輸入量全体の4割を占めている。外食産業でも使われているし、当然のごとくスーパーでも見かける身近な食材である。
現地での調査によれば、エサの大量段入による残澄やし尿などで海自体が汚染され、養殖のサケの皮や粘膜に吸血寄生する「海ジラミ」という虫が発生し、それを退治するための殺虫剤の使用が激増しているのだ。
そのほかにも、さまざまなバクテリアやウイルスへの感染対策としての殺菌剤、抗生物質の投与などで安全性が脅かされているというのが現実なのだ。
もともとチリ付近の海水温は高く、サケ・マスの生息には適していないので、その地域でサケを養殖するとなると、各種病原菌に侵されてしまうことが考えられる。
そのため、それを防ぐ手立てとして大量の抗生物質を最初からエサに混ぜて投与せざるを得ないのだ。
「エマメクチン安息香酸塩」や「オキシテトラサイクリン」という抗生物質が使われるのだが、これらがチリ産のサケに、基準値を超えて残留している。
また、ダイオキシンなどの有害物質も含んでいることが分かっており、幼児の脳の発達に影響があるのではないかと心配されているのだ。
良かれと思って選んだ食べものに、日常のなにげない食生活に、健康を害する危険が潜んでいたとしたら―。
体にいい食べもの・食事を探求してきたフードプロデューサーである著者が「じつは怖い外食」に迫り、私たちが外食で食べているものの正体を知ってより賢い選択をするための25の話を紹介します。
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