病気や薬に頼らずに生きること。
そして病気にならない身体をつくること。そのために必要なのが健康自立力です。
キーワードは「食事」「習慣」「EM(微生物)」。これらを上手に活用すれば、健康を手に入れることができます。
日本の医療機器配置は世界一
日本が保有するCTスキャンとMRIの医療機器は、CTでは国民100万人当たり92・6台、MRIは40.1台でフランスの約10倍に相当します。
またこれは、欧州全土にあるCTとMRIを合わせた数よりも多く、CTに至っては世界の約4分の1が日本にある状態です。
日本での場合、大きな病院でなければMRIでさえ即日検査、即日結果が可能ですが、イギリスやフランスでは数ヵ月待ちが当たり前です。
アメリカでは検査費が高額なため富裕層しか検査ができません。
世界的に見ても、最先端医療の技術革新は素晴らしく、CTやMRIなどの検査機器の性能もどんどん上がっており、内視鏡も胃腸に限らず胸腔や関節、脳内などに及んでいます。
超音波の精度も上がり、胎児の立体撮影で表情までわかるようになりました。
手術方法も胸腔鏡や腹腔鏡などの内視鏡による低侵襲化(身体に負担が少ない技術を取り入れること)が進んでおり、日帰り手術も行われるようになりました。
放射線療法も以前では不可能であった多発性の脳内転移病巣にもガンマナイフで対応できるようになってきました。
脳以外では陽子線という腫蕩のみに照射できる技術もあります。
本当に、日本という国はなんと素晴らしい医療先進国なのでしょう。
先進国で日本だけが増加するガン死亡率
最新機器を我先にそろえようとする施設も多くあり、「当院のCTは最新のマルチスライス
似列を導入!」「最新鋭の超音波を導入!」「最新の分析装置が・・・」とホームページでアピールしているのをよく見ます。
医療機器もパソコンと同じで技術革新に伴い、あっという聞に古くなってしまいますが、皆さんも医療技術の進歩に疑問を挟む余地はないでしょう。
しかし、日本は世界的にもガン死亡率が増加し続けているまれな国なのです。
国立がんセンターの報告では、男性の49%(2人に1人)、女性も37%(3人に1人)もが一生涯にガンを患うという数値を発表しています。
2008(平20)年のガン総死亡者数は34万3000人に及んでいます。
1日当たり約940人、3分間に2人ほどがガンで亡くなっている計算になります。
世界保健機関発表のWHOガン死亡率を国際比較したグラフを見ていただくと、とても目につく右肩上がりの線が日本なのです。一目瞭然です。
ほかの先進国は悪くても横ばいで、アメリカに至つては死亡者数も少ないうえに1990(平2)年頃から確実に減少しています。
この理由としては、食育の転換と三大ガン治療(手術・抗ガン剤・放射線)からの脱却が挙げられます。
世界的な医療大国である日本という国をここで見直してください。
国民皆保険で誰でも安価に医療機関を利用できて、世界で一番CTやMRIを保有していて、世界的な先進医療を行っているのに、医師の数が足りなくなるほど病人は増え続け、医療費も増え続け、ガン死亡者数は日本だけが増え続けているのです。
今までの生活と医療を続けていては改善できないということを国民も、医療従事者も、国も、真剣に目を向けなければならないのです。
今こそ病気に対する意識改革(予防)を
本来、生命の営みに弱肉強食はっきものですが、人類においては天敵と呼べる生物はおらず、食物連鎖の頂点に位置しています。
したがって、理論的には身体によいことをし続ければ全人類は健康長寿を全うして120歳前後で老衰により亡くなれるはずなのです。
アンチエイジング医学の世界では老化と加齢は別ものと考えられており、加齢は個人差なく均等に訪れる変化で、老化は侵襲(身体に影響する悪い刺激)による病的変化であるととらえています。
つまり、健康という状態から、さまざまな侵襲による健康の足を引っ張る錘を外していくことが病気を予防することにつながり、健康長寿となるのです。
治療費よりも予防費を多くしよう
当たり前のことですが、食べることによってのみ、つまりは皆さんが召し上がった食材のみが皆さんの血となり肉となるのです。
すなわち、よい食材がよい身体をつくるのです。
その材料が悪ければ、それなりの身体にしかならないのは当然のことなのです。
一つ、あるアメリカ人医師が私の友人に投げかけた言葉を紹介しましょう。
「なあ、君ら日本人は不思議な民族だよね。高いお金を払ってわざわざ人間ドックで病気を探しに行ったり、病気になった後のことには果てしなくお金をつぎ込むのに、病気にならないようにするためにはほとんどお金を使わないんだからね」
病気になってからの心配をするより、病気にならない身体をつくる!
発想の転換で元気に長生き 健康自立力 | ||||
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