森下敬一 『食べもの健康法』●どくだみ
どくだみというと、生葉を外用することはよく知られているけれど、食べれば、体質改善に大いに役立つことはあまり知られていない。
どくだみという名前は、毒を溜める働きがある所から付けられたという説もあるとおり、めざましい解毒作用を持っている。
胎毒下しの妙薬として、昔から珍重されているのもその為だ。ちなみに胎毒とは子どもが母体内で受けた毒素の意味で、乳幼児がアレルギー体質で、湿疹ができやすい場合を指す。
多方面にわたるどくだみの薬効は、いずれも解毒作用が土台になっていると考えてもよいものである。
どくだみは特異臭を持っているけれど、高温加熱すると消えてしまう。
天ぷらにするのが一番いいようだ。
独特の軟らかい口当たりがあっておいしい。
また、乾燥した葉茎を煎じてお茶代わりに飲むことによっても、同様の効用が得られる。このどくだみ茶も中々味の良いものだ。
どくだみは、まず第一に、動脈の老化を防止する。どくだみにはルチン用の物質が含まれて入れ、毛細血管を丈夫にする作用があるからだ。
どくだみを常用していると、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。
どくだみにはすぐれたり尿作用もある。
そのため、むくみ、膀胱炎、冷え性に有効だ。濃く煎じたものを、毎日お茶代わりにどんどん飲んで、淋病や梅毒を治した人もいる。
この効用についてはクレームをつける専門家もいるけれど、原理的に考えれば、奏功するというほうに軍配は上がる。
性病になるのも、もとをただせば体質が悪いからで、浄血を行えば快方に向かうはず。その意味で解毒・浄血の著しいどくだみは、試して見る価値を持っている。
同じく、緩下作用もめざましい。
便秘は血液を汚す最大の原因で、すべての慢性病のモトだから早く治してしまわなければならない。
どくだみがニキビに卓効をあらわすのは、いわば胎毒下ろしの思春期版といったところ。
“青春のシンボル”などというと、あたかも肉体的若さを象徴するもののように思われがちだが、それは完全な錯覚。
ホルモン分泌のアンバランスに加えて、血液の汚れがあるのが原因だ。
甘い物、肉食を極力控え、どくだみを活用すれば、必ずきれいな肌によみがえる。
どくだみはメラニン色素の代謝も促すので、色黒の悩みも同時に解消されよう。
さて、最も伝統的療法である、生葉の汁を塗ることが、なぜ威力をあらわすかというと、あの特異臭の成分中に糸状菌や、ブドウ球菌などの病的細菌の働きを阻止する因子が含まれているからだ。
そのため、カミソリ負け、絆創膏かぶれ、クツずれ、湿疹、あせもなどに有効だ。
また、蓄膿症には、どくだみ茶を飲む一方、生葉を塩でもんでクルクル巻いたものを片方ずつ鼻孔にさし入れる。
これを1日3回ぐらいずつやっていると、膿状の鼻汁が早く出て、卓効が得られる。
■どくだみの天ぷら
形がよく大型の葉を選んで、洗って水気をふきとります。
両面に衣をつけ、やや高めの温度で揚げます。
葉が膨らんでくるようでしたら、竹串でちょとつついてください。両面に衣をつけるのは高熱によって葉の緑色が変色するからです。
臭激成分デカノイド・アセト・アルデヒドは、熱に合うと分解されます。
したがって、200度近くの高温で処理する天ぷら料理がいちばんです。
■どくだみのみそ和え
なるべく若い葉をとり、自然塩ひとつまみを入れた熱湯でよくゆでます。
水をとりかえながら、数時間さらし、水気をしぼって適当な大きさに切り、みそ和えにします。
みそはだし汁とみりんでときます。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。