“医者まかせ”はサラ金より怖い!?
あなたが何かでお金を必要としたとき、まず最初に見ず知らずのサラ金に行きますか?
病気になったからといって、真っ先に、あなたのことをまったく知らず、人間関係もできなていない医者にかかるなんて、怪しいサラ金からお金を借りるのと同じくらいに怖いことなんですよ。
いや、どんな治療だって薬だってやりたい放題なんだから、医者のほうがよっぽど怖い。
医者の言うことだからと、すべて信じて実行するのではなく、たいがいのことは自分で判断できる母親になってください。
医者を否定するのではなく、医者の意見も参考にしながら、でも決めるのは自分自身。
わが子のことをいちばんよく知っていて、
いちばん大切に考えているのは、お医者さんじゃなくて、お母さんなんですから。
――出産も育児も医者にまかせないほうがうまくいく!
・戦後、出産は病院の管理下に置かれるように
戦後になってまだ昭和20年代はお産婆さんの活躍の場もありましたが、助産婦という名前にとって代わるとともに、身軽に働くお産婆さんの姿がなくなっていきました。
助産婦さんの多くが、病院の産科に属するようになったからです。
今では、助産婦さんが自立して開業しようとすれば、「提携する」病院を持たなくてはならない、という規則があります。
それは「妊婦や赤ちゃんに何か異状が発生したら、すぐに病院のサポートを受けられるように」
という“配慮”によるもので、これにより出産はすべて医療の管理の下に置かれてしまったことになります。
果たしてこれが出産の正しい姿なのでしょうか?
出産は決して病気ではありません。
にもかかわらず、100人いれば100人が病院で産まなければならないように思わされていることは異常な事態かもしれません。
これからお母さんになろうという人が、「病院で産まなければ不安だ・・・」と思うとしたらそれは、不安と思うように仕向けられた経緯があるということを知ってください。
「何かあったらどうするの?」
わたしが「病院で産まなくてもよい」と言うと、必ず「何かあったときにどうするんですか?」と目を丸くして反発する方がいます。
たとえば、会陰切開というものがあります。
お母さんが陣痛でいきむと、会陰が裂けてしまうことがあるので、あらかじめ医師が切開し、赤ちゃんが出たあとに縫合するものです。
会陰切開は医療行為となるので、医師にしかできません。
お母さんの中には、会陰切開は必ずするものと思い込んで、「だから病院でしか出産はできない」と決めつけている人がいるのです。
しかし、これは間違った認識です。かつてのお産婆さんは、そもそも会陰に裂傷が起きないように、上手に産ませる技術を持っていました。
わたしに言わせると、お産婆さんが消えて病院でのお参加増えてしまったからこそ、会陰切開などが取りざたされるようになったのです。
そして、産む前の準備さえしっかりしていれば、助産院でも、もちろんおひとりででも、安全に子どもを産むことは可能です。
本書では、「安全に子どもを生むための準備」についてもしっかりお伝えしていきます。
妊娠・出産・育児の〝当たり前〞を見直そう──
第1章 出産に医者は必要なの?
第2章 健康な子どもを産むために
第3章 お母さんこそ名医! ──子どもに病気をさせない方法
第4章 「子育て」より「子育ち」を
〝医者いらず〟を実践してみて――
ゼッタイに避けたい「子どもの短命化」
日本の食生態学者であり探検家であった西丸震哉さんは、かつて『41歳寿命説』をとなえて大きな話題を呼び、同書はベストセラーになりました。
西丸さんは、「半数の子どもたちは、39歳から43歳で亡くなるだろう。残った半数も、今(1975年当時)のお年寄りよりもずっと呆けた姿になるであろう」と予言しました。
当時わたしたち小児科医も、まさかと思いましたし、「長寿国日本」を信じているみなさんもまた、同じ思いを抱かれるだろうと想像します。
しかしここで、真剣に考えていただきたいのです。
ヒトに限らず、生き物の寿命は大人になるまでの生活環境が大きな影響力を持っているからです。
現状のままで、子どもたちがこれから長寿を謳歌できると信じるのは、あまりに楽観的と言わざるを得ません。
子どもたちに十分に人生を謳歌してもらうには、食生活をはじめとする生活環境を改善することが、急務なのです。
医者いらずの出産&育児 ワクワク・マンガ編 | ||||
|