乳酸菌生活をしていれば、健康になれて、医者はいらない!
若返り法も健康の秘訣も、ぜんぶ腸内細菌が知っているのです。
「これは腸内細菌の研究を40年間にわたって続けてきた研究の成果と私自身が実践してきた経験から導いた“結論”なのです」(著者)
食器は消毒してはいけない!
ここでみなさんにクイズです。次のうち、免疫力を下げる行動はどれでしょうか?
(1)テーブルにこぼしたおかずを食べる
(2)食器を消毒せずに使う
(3)栄養の偏った食事を摂る
三つの選択肢を「いずれもよくないこと」と感じた人が多いかもしれませんが、免疫力を下げるのは、栄養の偏った食事だけです。
あとの二つは腸内環境をよくするために、むしろ積極的にしてほしいと私は思っています。
免疫力を上げるためには腸内環境を整え、腸内細菌にしっかり免疫防御の仕事をしてもらわなければなりません。
まず、(3)の栄養の偏った食事がよくないことは理解しやすいところだと思います。
ファストフードや手軽に食べられるインスタント食品ばかり食べていると、食物繊維はほとんど摂取できません。
食物繊維が摂取できないと、それを餌にしている腸内細菌は数を増やすことができません。
そのうえ、これらの食品に含まれている食品添加物は腸内細菌を殺してしまうので、数は減る一方です。
続いて、多くの方が意外に思われたかもしれない(1) ですが、テーブルにこぼしたおかずを食べることは、菌を体内に取り入れることと同じです。
腸内の細菌の数が多ければ多いほど、種類も多ければ多いほど、免疫力は高まります。
こぼしたおかずについた菌を取り入れて、腸内細菌の種類と数を増やすことが、免疫力アップになるというわけです。
日本の衛生環境で、普通に清潔を心がけていれば、テーブルの上に人を死に至らしめるような悪玉菌はまずいません。
こぼしたおかずを食べたくらいで、病気になることはほとんどないといっていいでしょう。
ウォシュレット・腸内洗浄にはくれぐれも気をつけて
「バイ菌嫌い」な日本人は、そのおかげでさまざまなものを発明してきました。
トイレも例外ではありません。ウォシュレットは、ものすごいスピードで普及した人気製品の―つです。
日本人の清潔志向にぴったり合ったのでしょう。最近では各家庭のトイレにはもちろん、ホテルやデパートのトイレでも当たり前になってきました。
あっという間に市民権を得たウォシュレットですが、使い方を間違えると危険なものになるでしょう。
あまり話題にのぼりませんが、肛門のまわりにも皮膚常在菌という菌がいます。
有害な菌やウイルスがくっついて悪さをしないように、膜を作って肛門を守ってくれている菌です。
ウォシュレットを日に何度も使っていると、この皮膚常在菌が作った膜が洗い流されてしまうのです。
皮膚常在菌がいなくなった肛門は、有害物質に対してあまりにも無防備です。
大腸菌はもちろん、乳酸菌やビフィズス菌などでさえ、肛門付近の皮膚に入り込んでしまうとトラブルを起こします。
菌が入り込んで排便のたびに痛むようになってしまう症状を、肛門周囲皮膚炎というのですが、これが悪化すると膿がたまる肛門周囲腫瘍になってしまいます。
肛門周囲腫瘍は重症になると激しい痛みを伴い、高熱や全身倦怠、さらには体力がない人の場合、敗血症を誘発し命を落とす危険性すらあります。
私は、「ウォシュレットは絶対に使ってはいけない」と言いたいのではありません。
要は使い方に注意してほしいということです。1日に1、2回程度の使用ならなんの問題もありませんが、排便していないのに肛門をウォシュレットで洗い流したり、小便をしただけなのにビデを使ったりというような過剰な使用は危険なのです。
ついでですが、有毒物質を体外に排出するという「デトックス」のブームにより注目を集めるようになった腸内洗浄についても私は心配しています。
腸内洗浄にはご注意!
腸内洗浄は、腸の中にお湯などを入れて腸内のものを強制的に排出するというものです。便秘の解消やダイエット効果を期待した女性を中心に広まっているようですが、これはおすすめできません。
便は基本的に有害なものではありません。
定期的に排出されていれば、体に悪影響を及ぼすことはないからです。長い間、腸内にとどまり続けてしまうことが問題なのであって、便そのものが有害というわけではないのです。
腸内を洗浄してしまうと、便だけでなく腸内細菌も根こそぎ体外へ出されてしまいます。
腸内細菌の数が格段に減った腸では免疫作用を正常に働かせることができなくなり、免疫力が下がって病気になりやすくなってしまうのです。
肛門も腸内も単純に「洗って解決!」という考え方はじつは危険なことなのです。
かしこい腸に育てるために知っておきたい、腸内細菌の世界
●老化の兆候ははじめに腸に現れる!
●幸せを感じやすい精神状態を作るのも腸
●あなたの腸内では今日も縄張り争いが行なわれてる
●ヒトの持つ腸内細菌は人類の進化と共に生きてきた
●腸内細菌が太りやすさを決めている
●〝生きて腸に届く〟から効果あり、と考えてるなら勘違い!
●腸内細菌には人それぞれの個性があった
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