病気も虫歯も原因は「食」だった!
難病「潰瘍性大腸炎」を患い、さまざまな療法を試みた歯科医がたどり着いた結論とは?
全否定された、それまでの食生活
分子整合栄養医学とは、「オーソモレキュラー療法」とも呼ばれ、食事やサプリメント・点滴、糖質制限などを用いて、身体を構成する60兆個の細胞の働きを向上させることで病気を治そうとする考え方の医学です。
この考えに惹かれた僕は、分子整合栄養医学のセミナーに通い、学びはじめるとともに、僕自身も自ら栄養療法を体験してみようと、潰瘍性大腸炎の改善を期待して、溝口徹先生の開設している「新宿溝口クリニック」を受診しました。
同時に、プライス博士の本もさっそく取り寄せ、読みはじめました。
分子整合栄養医学では、食事の内容、特に栄養欠乏や糖質過多と病気との関係を詳しく知ることになりました。
そして「糖質制限」という食事法を知りました。
それまで僕は、肉を避け、玄米中心、糖質中心の食生活をしていたのですが、分子整合栄養医学によれば、その考えはまったくの誤りであるというのです。
それと同時に、プライス博士の本を読み進んでいくうちに、むし歯のない健康的な先住民族は皆、肉や魚などの動物性食品中心、タンパク質・脂質中心の食生活を送っていること。
また近代食を食べるようになり、植物性食品・糖質中心の食生活になると、とたんにむし歯や歯周病が多発し、生まれてくる子どもに不正咬合が頻繁にみられるようになったという事実を知りました。
これは僕にとって相当な衝撃でした。
新谷弘実氏の本にも、東城百合子氏の本にも、「肉は体に悪いから、菜食中心、玄米など糖質中心の食生活が良い」と書かれていました。
そして、僕はすっかりそれを信じ、実践してきたのです。
しかし、プライス博士の本によって、糖質、それも砂糖のような甘みの強い糖類がむし歯の一番の原因であること、先住民族は砂糖はもちろんのこと、糖質すらほとんど、あるいはまったく摂らないという事実を知ったのです。
さらに分子整合栄養医学で指導している食事法である「糖質制限」も、その栄養学的特徴は、プライス博士が世界各地で観察した先住民族の伝統食の特徴とほぼ一致していたのです。
先住民食の基本原則
糖質制限とは違った食事法として先住民食を提唱するにあたり、基本原則を次の9つの項目にまとめました。
さらに、妊娠を考えている女性には、妊娠の最低6カ月前からの特別な栄養強化を指示するようにしました。
それでは次に、先住民食の基本原則を紹介しましょう。
❶ 砂糖や異性化糖などの強い甘みを持つ糖類の摂取をいっさいやめること。
❷ 精製された糖質(白米や精白小麦で作られたパン、麺類など)の摂取を控えること。
❸ 加工食品、インスタント食品、ファストフードなどの摂取を控えること。
❹ 植物油の摂取を控えること。
❺ 牛乳やヨーグルトはいっさい摂らないこと。
❻ タンパク質、特に動物性タンパク質を積極的に摂ること。
❼ 新鮮な野菜や果物を摂るようにすること。
❽ 動物性食品と植物性食品の摂取比率は、7:3が好ましい。
❾ タンパク質、脂質、糖質の摂取比率はカロリーベースで、4:4:2にすべき。
さらに加えて、妊娠前の特別な栄養食として、動物の内臓、魚の肝、魚卵、貝類、甲殻類などをしっかりと摂ることを指導しています。
先住民族の女性が妊娠前に摂る特別な栄養は、すべて動物性食品です。また、調理はなるべく最低限にとどめ、栄養素の流出を抑えるようにすることも重要です。
9項目ある先住民食の基本原則のうち、最初の5つまでは、何を摂るかではなく、何を避けるかを挙げました。
これは非常に重要なことであり、いくら体に良いもの、栄養豊富なものを日頃から摂っていても、体を腐らせたり、病気を招くようなものを摂り続けていては、まったく意味がありません。
歯医者が難病になってわかったこと | ||||
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