ポテチを異常に食べる人たち 幕内秀夫 (著)

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ポテチを異常に食べる人たち~ソフトドラッグ化する食品の真実~

ポテチはもっとも安価な「ドラッグ」

この本を書くきっかけになったのは、一人の女性との出会いでした。ポテトチップスなどのスナック菓子を、二袋でも三袋でも、夜中に一人でむさぼってしまうという彼女。

「食べ終わると罪悪感でいっぱいになってとても苦しい。でも、どうしてもやめられないんです」という相談を受けたのです。

話を聞いた瞬間、頭をがんと殴られたような衝撃を受けました。

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「こんな患者が現れることは、理論上『必然』じゃないか。なぜ今まで”スナック菓子依存症“の実態を注視してこなかったのだろう!」と思ったのです。

現代人がハマりやすい食品に注意をうながし、病気にならない食べ方を提案してきた私ですが、スナック菓子についてはその威力をかなり甘くみていたことに気づきました。

ポテチをはじめとするスナック菓子は、現代人にとって、もっとも安価な「ドラッグ」になるものだと思います。

子どもの小遣いで買えるのですから、金銭面でも気軽に快感を得られるものです。しかも、口に入れただけで、脳は、あっという間に快楽を得ることができます。

タバコやアルコールの場合は、社会的に「ドラッグ」と認識されているので、税金がかけられています。

それでも、300円程度から楽しめる安価な「ドラッグ」だとは思いますが、100円程度から買えるスナック菓子は、それ以上に気楽に手を出せるのです。

手持ちのお金が限られていれば、スナック菓子やまんじゅうのような安い快楽に向かわざるを得ないだろうと思います。

実は、ポテチに限らず、「食」は、もっとも簡単で確実に快楽を得られる手段です。

ポテチ依存はこれから増える!

話を聞かせてもらった三人が生まれたのは、ちょうど、コンビニが全国各地に普及し始め、それと同時にポテチをはじめとするスナック菓子が急速に売り上げを伸ばしていった時代と重なります。

メーカー各社が、次々と新商品を売り出し、次々と新しい味を開発していったのは、ほんの30年程度の間の出来事なのです。

彼らの親世代は、幼少期にスナック菓子を食べて育ってはいません。

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だから、スナック菓子になじみがうすい最後の世代なのです。自分たちがあまり食べないのですから、今の親たちほど頻繁には、子どもに与えていなかっただろうと推測できます。

三人が異口同音に「高校生のころから日常的に食べるようになった」と語っているのは、単なる偶然ではなく、スナック菓子の歴史を考えれば「世相」と言えることなのです。

ところで、紹介した三人の事例はいずれも、「普通」ではない食べ方でした。

読んだ方の中には、「ポテチはやめられないけど、自分はここまでひどくないな」という感想を持った人が多いかもしれません。

たしかに、ポテチを異常に食べる人たちはまだ少数派でしょう。

ただ、それでも私が本にまとめなければとペンをとった理由は、「まだ発覚していなくても、潜在的なポテチ依存やその予備軍は相当数いるはずだ」と確信しているからです。

というより、「これから、ますます増えていくのは間違いない」という危機感に、じっとしていられなくなったのです。

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では、ポテチを暴食すると、どんな問題があるのでしょうか。

食品添加物の摂取や揚げ油の性質という安全・安心問題もあります。カロリーオーバーで肥満になってしまうという健康問題もあります。

ただ、それだけではありません。私がもっとも恐れているのは、世代を超えて脈々と受け継がれていく「命」や「暮らし」が崩壊するということなのです。

大げさに思う人もいるでしょうが、ポテチを始めとするスナック菓子は、「健康に成長して大人になり、結婚、出産、子育て、仕事をしながら、普通に年をとっていく」という当たり前の暮らしを、根底から破壊するだけの影響力を持った存在なのです。

ポテチを異常に食べる人たち~ソフトドラッグ化する食品の真実~
幕内秀夫 WAVE出版 2010-05-21
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