緑の減少が生み出したヒート・アイランド  by 船瀬俊介

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船瀬俊介連載コラム

緑の減少が生み出したヒート・アイランド

この100年間で日本の平均気温は1.0度上昇した。ところが、大都市の気温上昇は2.4度と平均値を大きく上回り、東京に至っては2.9度にも達する。

東京の下町、千駄木のマンションに住む友人の映画評論家Nなどは「朝6時の気温が37度だぞ!!」と悲鳴を上げていた。

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いまや都心で熱帯夜が年間30日を越えるのはざらだ。まさにヒート・アイランドである。

なぜ、これほど大都市が暑くなったのか。その大きな理由の一つが緑の減少である。

1932年には東京の約5分の4は緑に覆われていたが、64年にはそれが16%も減り、69年には26%も激減している。60年間で東京都の緑被地面積は半減したのだ。

緑地減少の他、ヒート・アイランドを起こす要因は以下のように4つほど指摘できる。

1.クーラーの排熱:

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エアコンは室内の気温が下がった分を熱として室外機で放出している。空から都心を熱画像グラフで観察すると高層ビルの屋上部分は燃えるように真っ赤に写る。

これは室外機が屋上にずらりと設置されているからである。

実はクーラー排熱を回収して、給湯などの熱源に利用する装置がすでに開発されているのになぜ採用しないのか理解に苦しむ。

2.自動車排熱:

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乗用車、バス、トラック―いずれも内部で燃料を燃やす内燃機関、エンジンを搭載している。

早くいえば、自動車1台ずつがかまどを乗せて走っているようなものだ。内燃機関ほど熱効率の悪いエネルギー装置はない。

なにしろ、ガソリンの1割しか走行エネルギーに変換できない。残りの9割は排熱として大気中に放出してしまうのだ。

おまけに有害汚染ガスの出すのだから始末に負えない。

3.コンクリート蓄熱:

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大都市の表面は建物のコンクリートと、道路のアスファルトで覆われている。これらが真夏の太陽で“石焼き”状態となり炎天で、コンクリートなどは表面温度が80度にも達する。

昼間たっぷりとため込んだ熱が夜になると放出され、熱帯夜の責め苦が続くのだ。

4.水分蒸発量の減少:

緑地や池、湖、川の減少によって水分蒸発量が激減した。水は蒸発するときに気化熱を奪うためクールダウン効果は絶大だ。

その貴重な水が失われている。

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(以下写真の説明)

「年々悪化する首都圏のヒートアイランド現象
 ~年間30度を超える延べ時間が20年弱で2倍に激増」

出典:『平成12年度 ヒートアイランド現象の実態解析と対策の
   あり方についての報告 書<増補版>』
  (平成13年10月 環境省)

引用:日経BP社 2005年8月22日

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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