森下敬一 健康談話 より
━■健康談話■━
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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用
前回の記事はこちらから⇒胃液の分泌と蠕動運動 森下敬一
<日本人の胃病の原因>
貼り薬、ビタミン剤、胃腸薬が日本人の愛用する薬のベスト3と言われるように、日本人に胃病が多いことは周知のとおりである。
統計では、日本人のかかる病氣の20パーセントは胃病という結果がでている。
この原因としてはいろいろなことが考えられるが、最大の原因は食生活の間違いだ。
とくにミネラルや酵素、ビタミンなどの微量有効成分の欠乏は大きなダメージを与える。すなわち、白米、白砂糖、動物性蛋白質の常食によるものである。
そして、胃が悪いと慢性的な便秘になり肩こりや首すじのこりがおこりやすくなる。
病氣に「よい病氣」などというものはあるはずがない、胃病にかかることは人体にとって、とりわけ不都合なものである。
生命力そのものが弱められ、強健な身体、旺盛な生活力というものが失われてしまうからだ。
精神的なストレスは、慢性病の誘因として重大な要素であるが胃の病氣にその典型的な例がみられる。
胃は原始的な器官であるため、自律神経とのかかわりあいが緊密で、感情の動きにすこぶる敏感だ。
現代人は管理社会の中で神経をすりへらし公害不安、社会不安におびえて、たえず感情を激しく動揺させながら生活することを余儀なくされている。
そのため精神的ストレスがおきやすいわけだが、それによって自律神経のバランスがかき乱されると胃の蠕動が正常におこなわれなくなったり、胃液の分泌に過不足を生じるようになる。
日頃、胃の調子が悪いといっている人たちには、神経質な人やイライラしやすい人が多く、実際、胃潰瘍の約75パーセントは神経的なもので発病している。
最近はガン・ノイローゼによって神経の調節異常をおこし、ちょっとした胃のもたれや膨満などの異常感をも、ガンのためではないかと氣にする人が多い。
こんな事を続けていると、本当に胃病になってしまうから要注意だ。
ところでなぜ胃に潰瘍ができるのかということについては、まだはっきりとは解明されていないが、一般には胃内に入ってきた食物を消化するはずの胃液が、胃袋まで消化してしまうためといわれている。
このような異変がおこるのは、胃袋の緊張状態がつづき、抵抗力が弱まったとき、つまり、ストレス過剰となったときにおこりやすいと、一般には説明されている。
ところで、ストレスそのものがわれわれの生理にとって悪いというわけではない。
ストレスが弱くなりすぎても健康にとってはマイナスなのだ。
よい例が無菌ネズミである。無菌状態で育てたネズミは、普通のネズミに比べて、病氣に対する抵抗力は、何百分の一というところまで低下してしまう。
われわれ人間も、騷音の全くない暖かな部屋でフカフカのソファにゆったりと腰をかけて読書などをしていると、眠氣を催してくるものだ。
心身を活発に働かせるためには、適度のストレスが必要だ。
適度のストレスによって、適応能力は訓練を受けることとなり、その機能は強化されるのである。
しかし客観的にみて、「適度なストレス」などあるはずがない。
自分自身の体で、ストレスを適度なものにして受けとめる以外にないのだ。
健康と積極性が各種各様のストレスを自分の体にとって適度なものにしてしまうのである。
続きはこちらから→ 胃を丈夫にするためには、「頭で食べる」ことが大切
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。