食べて効く! 飲んで効く! 身近な薬草120種の効果・効能、生育場所、特徴、採取法、食べ方、薬効と用い方、調理の仕方を、わかりやすく徹底的に紹介。
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オオバコ
特徴
全国各地の路傍、野原にごく普通に見かける多年草。草丈は10~50cmくらい。葉はやや先がとがった楕円形で、5~7本の太い葉脈が走っている。
6月ごろ、葉の間から花茎を伸ばして、先端に白色の穂状花序の小花を多数つける。花は下から上に向かって咲く。
秋になると、1本の茎に楕円形の果実を多数つける。果実は熟すると、他のものがちょっとでもこれにふれようものなら、上の部分の蓋がすぐにはずれて、中から黒い種子数個が飛び出す。
この2mmほどの小さな種子が、生薬の車前子で、車前草はオオバコ全草の生薬名。
オオバコの種子は、人や動物がふれると飛び散るが、あたりが朝露などでぬれていると、水分を吸収した種子から粘り強い糊のようなものが出て、はき物やズボンにつき遠くへ運ばれる。
こうして、高原植物でないオオバコが、高山の登山道などいたるところに繁殖する。
薬用
採取法 全草は夏に採取し、水洗いののちに日干しにする。種子は秋に、水けに当てないよう注意して採取し、日干しに。
せき止めに 1日量として乾燥した種子(車前子)5ー10gを水200mlで半量に煎じ、1日3回食後に服用。
むくみのときの利尿 1日量として乾燥した全草(車前草)5ー10gを水300mlで半量に煎じ、1日3回食後に服用。
はれものに 生の葉を水洗い。火にあぶってやわらかくして患部にはり、上からガーゼで押さえる。乾いたらはりかえる
食用
採取法 若苗は小刀で根ぎわから切りとる。若葉はつみとる。
料理 生のまま水洗いして衣をつけて天ぷらに。塩一つまみを入れた熱湯でやわらかくゆ
で、おひたし、ごまあえ、からしあえ、酢みそあえ、汁の実に。
ユキノシタ
特徴 北海道を除く全国の陰地に自生する常緑の多年草。山地の日蔭の岩の上や渓流の岩にも生えるが、庭先でも栽培される。
葉は多肉で腎円形、表面にあらい毛が生え、表は緑色、裏面は赤い。葉柄の根元から紅紫色の糸のように細い走出枝を出し、その先端に根を出し、新しい苗を作って繁殖していく。
5ー7月ごろ、茎の先に円錐形の花序をつける。
白色の花は上の3弁は卵形で小さく、下にはそれより長い披針形で長さ不同の2弁が左右に開くように下がっている。
たにがわことすがわく人のしおり名前の由来谷川士清編『和訓栞・後編』(巻十七)には、「ゆきのした、雪の下の義、金線草なり」とし、さらに石荷の漢名をあげた。
この江戸中期の国文学者が雪の下の義としたので、その後わが国では、葉の上に雪が積もった様子を称したとか、白い花を雪にたとえるとかの解説がなされる一方、下の花弁が突き出ているので、下ではなく舌ではないか、との説まで出ることになった。
成分利尿作用のある硝酸カリウム、塩化カリウム、解毒作用のあるベルゲニン
薬用
採取法 花の時期に、葉をとって陰干しに。生の葉は必要に応じて随時つみとる。
小児のひきつけに 新鮮な生の葉を水洗いして食塩を少し振りかけてもみ、そのもみだした汁を、口に含ませる。
中耳炎に ミミダレグサと呼ぶ方言が残っているように、古くから耳の薬として有名。痛んだり、うみが出るという中耳炎に、水洗いした新鮮な葉をもんで、出た汁を数滴、直接耳孔にたらし込む。
はれものに 新鮮な生の葉を水洗いして火にかざし、やわらかくして直接患部にはると、自然にうみが出る。
軽いむくみに 乾燥した葉10gを1日量として、煎じて飲む。
痔の痛みに 乾燥した葉10gを煎じ、その汁を脱脂綿に浸して、患部を軽くなでるようにして洗うと、痛みがやわらぐ。
食用
採取法 葉は柄のつくところから、つめでちぎりとり、花茎は茎の部分から、つめでちぎるか、引き抜く。
料理 葉に薄めの衣をつけて揚げ物に。
食べて効く、飲んで効く身近な薬草120種の効果と美味レシピを紹介。食べるクスリ、ハーブティー、手作り滋養・健康酒が完成。
《主な収録薬草と主な料理》
アケビ(アケビ皮炒め)/アシタバ(アシタバのベーコン巻き)
エゾウコギ・ヤマウコギ(ウコギのおひたし)/ウド(うどのきんぴら、うどのガーリックバター炒め)
ウワバミソウ(赤みずの玉子焼き)/オオバギボウシ〈ウルイ〉(うるいの酢みそ和え、うるいと茹で鶏の和え物)
オカヒジキ(オカヒジキのコールスローサラダ)/オランダガラシ〈クレソン〉(オランダガラシの黒ごま和え)
ギョウジャニンニク(行者にんにくのペペロンチーノ)/クサソテツ〈コゴミ〉(コゴミのからしナムル、コゴミの白ごま和え、牛肉とコゴミのオイスターソース炒め)
ヨモギ(よもぎアイス)ほか。
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