図解 3日食べなきゃ、7割治る! 船瀬 俊介 (著)

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図解 3日食べなきゃ、7割治る!

あのベストセラーが図解版になって新登場!「空腹」こそが最高のクスリ

第1章 食うな、動くな、寝てろ --「空腹」こそが、最高のクスリである

医者も知らなかった!ファスティング大効能

「ファスティング(断食)をする気になるーーそれは、生物として本能に目覚めたことを意味する」(アプトン・シンクレア)

断食は万病を治すーーこのヨガの奥義の原理は実にシンプルです。

万病は「体毒」より生じます。

「体毒」には、「食」の毒と「心」の毒があります。「食」の毒は、代謝能力を超えて食べることで老廃物としてたまります。つまり、「過食」の毒です。

「心」の毒は、苦悩や不安などにより発生するアドレナリンなどの有毒ホルモンとして発生します。

毒ヘビの3~4倍といわれる猛毒です。それが全身をめぐるので気分が悪くなり、ムカつきます。

ファスティング(断食)は、これらの「体毒」のすみやかな排毒・分解・浄化をうながします。

そこには、三つのステップかあります。

(1)自己浄化ーー生命とは〝IN・OUT〟で成り立っています。断食は〝IN〟をストップすることで〝OUT〟(排泄)を加速します。

この排毒(デトックス)により、体はクリーニングされ自然が与えてくれた理想状態に戻るのです。

(2)病巣融解ーー排毒による自己浄化は病巣部分が最優先で分解・浄化されていきます。これが病巣融解です。ガンなどがその典型です。

ガンの正体は「体毒」を1カ所に集めて血液を浄化する延命装置なのです。だから断食では、ガンは真っ先に分解・消滅していきます。

(3)組織新生ーー浄化・融解した病巣部位には、新しい組織、器官が再生してきます。これが、オートファジー現象です。断食こそが真実の再生医療なのです。

断食博士として高名な甲田光雄医師はファスティング「十大効能」をあげています。

これらの驚異的効能は、ほとんどのお医者さんも知りません。現代医学教育では、断食(ファステング)の効用など、いっさい教えないからです。

①体質を変える 体の大掃除で自己治癒力を呼びさます

ファスティングの最大目的はなんでしょう?

食べ過ぎでたまっている体内の余分な物を取り除くことです。それは脂肪や毒素として体中に蓄積しています。

それを、〝体毒〟といいます。

ファスティングは、その毒素を取り除くのです。いわば、体の大掃除です。体中にこびりついた〝汚れ〟をきれいにする。

すると、生命力は元気に復活してきます。クリーンアップしたエンジンは快調にまわり始めます。それと同じことです。

こうしてファスティングは人間が本来持つ能力を最大限に引き出すのです。生命力とは思考力、瞬発力、さらには治癒力といった〝内なる力〟。

それが、飽食の暮らしでは鈍ってくるのです。体全体が甘えきった状態になっています。

そして、体中に汚れ(体毒)がたまっていきます。

断食は体内の大掃除です。内臓にもめざましい回復力があります。肝臓は毒素を分解し、腎臓は毒素をろ過しています。

三食食べていると、食べたもののうち、消化、吸収、代謝しきれないものが過剰な体毒となってしまいます。

病気で体力が弱ると、次から次に押し寄せる体毒を肝臓も分解しきれす、腎臓のろ過フィルターが目詰まりします。

しかし、臓器は回復力があります。ます断食で入る食物をストップさせる。肝臓でも分解が進み、腎臓のフィルターの目詰まりも自然に浄化されていく。

この自己浄化は体中のあらゆる組織、器宮、臓器で進みます。

こうしてクリーンアップされた体は、活力を取り戻すのです。

ファスティングで食を断つーーそれは甘えきった体にとっても非常事態です。

「飢餓状態というストレスに対する反発力が、体のしくみを大きく変動させます。この体質を変換する過程が、さまざまな病気・症状を治す力(治癒力)として表れるのです」(甲田医師)

「断食するとストレスに強くなる」

それも科学的に証明されています。ホルモンの司令器官、脳下垂体から、ストレスに強く対抗する物質が出る。

さらに自然治癒力が高まることも数多く報告されています。

②快感をもたらす 朝食ぬきこそ体によい!

「朝食抜きは体によくない」は悪意のあるウソです。

「空腹時のほうが、むしろ記憶力がアップする」

動物実験でも立証されています。使用された〝動物〟はハエです。ハエの遺伝子の7割は人間と共通で、記憶を保つしくみもヒトと似ているというから意外です。

ショウジョウバエを使った実験で、空腹状態になると記憶力が向上する!

そのしくみを発見したのは東京都医学総合研究所などの研究チーム。論文は2013年1月25日付の米学誌「サイエンス」に掲載されました。

同研究所の平野恭敬・主任研究員は「人間もお腹が空いているときのほうが、記憶力が高い可能性がある」。

実験はエサをやらす空腹状態にした約100匹のハ工を使って観察。ますハエに、ある匂いを電気ショックと同時にかがせます。

1日後に「嫌な記憶」として、ハエはその匂いを覚えているか調べた。

匂いを嫌う発生源に近づかなくなる。逆に記憶がないと匂い源に近づく。その行動の違いを観察した。つまりハエの記憶カテストです。

その結果、匂いを記憶していたハエの割合は、9~16時間〝絶食〟させたときがもっとも高かった。

その割合は満腹状態のハエたちの約2倍!

つまり、空腹力は記憶力も2倍にした。研究チームは、空腹と記憶のメカニズムを、次のよに解明しました。

ーーー空腹時には、ます血糖値を制御するインスリン分泌が低下する。インスリン量が低下すると特異タンパク「CRTC」は逆に活発化する。

チームは、このタンパクに着目し、タンパクの活性化を抑えて実験してみた。すると、今度は空腹時でも記憶力は高まらなかった。

……この結果からチームは、「脳内CRTC活性化が記憶力向上につながった」と結論づけた。

CRTC人間の体内にも存在している。この(記憶力向上の)仕組みを利用して、認知症や物忘れの程度を軽くする薬ができるかもしれない」(「東京新聞」2013年1月25日)