「食べない」生き方 森美智代 (著)

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「食べない」生き方

どんな療法もまずは少食ありき

今年(2013年)で、自分の鍼灸院を開業して21年目になります。

患者さんの中には、お医者さんにかかりながら、当院にくる方もいます。そうした中には、少食や体操をするのに抵抗がある方もいて、当院に来て初めて、「生きるって大変なことなんだなぁ」と思われるようです。

「そこまでしないと生きられないのですか?」と.訊かれるので、「そこまでしなくちゃ、生きられないんですよ」と応えます。

西洋医学で治らない患者さんが、代替医療として東洋医学で治してもらおうと考えて、当院を訪れるケースも少なくありません。

でも、西洋医学が東洋医学に替わっただけではダメなんですね。大事なことは、自分が治すという方向で病気と向き合っていく姿勢です。

そうでなければ、漢方に1か月10万円も払うことになったり、結局はお金がかかるだけ、ということにもなりかねません。

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マッサージ、整体など、いろいろな療法がありますが、何でもお任せで漢方や鍼、治してもらおうという受け身でいるうちは、なかなか治りません。

それプラス、自分でも少食や運動療法を実行していくことで、快方に向かっていくのです。

痩せている人のほうが太っている人よりも薬が効きやすかったり、漢方も、少食にしてから効きだすということもあります。

少食にしていると、いろいろな療法の効果が出やすくなるのは、そのほうが体のあらゆるセンサーが敏感になるからです。

どんな療法を取り入れるにしても、ベースに少食を加えていくようにしましょう。

グチや悪口は言わない

患者さんの中には、私に悩み事やグチを聞いてもらいたい人もいます。でも私は、悩み相談のカウンセリングのようなことはしていません。

治療しながら、グチや悪口をいっぱい聞くことになると、それは私だけでなく、他の患者さんの耳にも聞こえてしまいますし、第一それを言っている本人も、もう一回、そのときの感情をリピートすることになってしまって、いいことはないのです。

嫁姑の話や夫婦喧嘩の話を、ああ言われた、こう言われたとこぼしながら、治療室でおいおい泣かれても困ってしまいます。

起こった出来事を、後からああだこうだと言葉にしてリピートすると、そこでもう一回、そのときの怒りや悲しみを膨れ上がらせ、再現してしまうことになります。

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そうしたネガティブな感情を再燃させてしまうのは、体にもよくありません。

だから私は、患者さんが何かそうしたことを言い始めても、あえて聞かないようにしています。

「あぁ、ここで言ってもムダだな」と思われるように仕向けている泣きだす人には、泣くとせっかく入れた気が減るから、泣くのを止めて!と言います。

厳しいようですが、いやなことを思い出して、そのときの感情を蒸し返してもいいことは1つもないと思うのです。

病気は神様からのメッセージ

貧乏な人もお金持ちの人も少食になって、みんなが健康になれるようにと願いながら、いつも治療をしています。

でも、先にも言ったように、治療院へ来るばっかりで頼り切って、自分が何も変わらなかったらダメなんですね。

人は難病になると、何で私が!?とまるで災難に遭ったように思います。

何も悪いことはしていないのに、他の人と同じことをしているだけなのに、どうして!?と。

確かに人間は平等に扱われなければいけない存在です。

けれども、生まれながらにして持った肉体は平等ではない、みんな違って当たり前で、もともと不平等なものなのです。

頭の良い、悪い、顔の造形、内臓の働きなど、同じような生活をしていても、それぞれ影響の現れ方は異なります。

弱点を克服し、それを強みにして生活していくためにも、病気は、どんな食べ物をどれくらい食べたらよいか、自分に合った食生活を知るいい機会、いいきっかけになります。

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それは、心と体をあらためて振り返ってみるための、生きる意味を問い直す、神様からの贈り物だとも言えます。

その贈り物は、天から与えられた人生の宿題でもあり、その人自身が成長できるように、天が、肉体と顕在意識に気づきを与えるものとして現したものです。

人任せにしたり、他の人を頼ってばかりいては、また次の宿題がやってきてしまいます。

軽い病気のときに、その宿題をいい加減にスルーしていたら、次にはもっと大きな病気がやって来ます。

病気を治すためには、自分でもいろいろ努力をしなければ、よくなることはありません。与えられた宿題は、真っ向から対決して解いていかなければならないのです。

だから、それを私が勝手に先回りして解いてあげるわけにはいきません。

私は、その病気が発しているメッセージを患者さんに伝えつつ、ちょっと手助けはしますが、あとは自分で解いてもらうーーーーという方向で治療をしています。

イエス様もお釈迦様も、会う人ごとに、次々と癒すようなことはされませんでした。

サイババもむやみに人を癒されなかった。

西勝造先生も甲田先生に—目には見えないヒーリング能力をお持ちでしたが、たとえ超能力で診察することができたとしても、その力を使って治療しないようにと、注意されていたとのこと。

ヒーラーが、患者さんの宿題をおせっかいして、先走って解いてはいけないのです。

病気が治るかどうか、最終的には、その患者さん本人の「治そう」という決意の強さが、非常に大きく作用します。

皆さんのストーリーは、神様からのメッセージの中に隠れています。

神様からのメッセージが込められた宿題を解くのは自分自身ーーー患者さんには、そうした気持ちを持って健康になっていってほしいと思っています。


1日青汁1杯50kcalの食生活を17年間、継続。針灸師として難病の患者をのべ5万人以上治療。

上場企業の健康顧問として社員の健康を管理。世界でも類のない生き方を実践している女性が提唱する、少食のすすめと人生の楽しみ方。

「食べない」生き方
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