毒を出す食 ためる食[実践編] 蓮村 誠 (著)

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毒を出す食 ためる食[実践編] (PHP文庫)

「昼食を一日のメインにする」「地のもの、旬のもの、完熟したものを食べる」「食後3時間は何も口にしない」など、

アーユルヴェーダ医療の権威が、心と体にたまった毒を一掃する秘訣を紹介。便秘、冷え症、目の疲れ…どんな不調もこの1冊でスッキリ解決。

今日からできる消化カアップの生活習慣

よく「酒は百薬の長」といわれます。しかし実際は、お酒は飲む量に比例して、こころにもからだにも悪影響をおよぼします。

というのも、すべてのアルコールには「熱い」「鋭い」「乾燥」などの性質がありますが、その性質が、命の活カエネルギー=オージャスの性質と、すべて正反対なのです。

オージャスは生命力、そして免疫力の基盤ですから、それを正反対の性質で破壊してしまうアルコールは、たとえ少量であっても健康上、好ましくありません。

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本当の「百薬の長」といえるのは、実は、白湯なのです。

この白湯のつくり方は、212ページでご紹介していますが、「やかんのフタをとってわかす」「沸騰したまま10分~15分ほど火にかけつづける」といったように、少し特別なわかし方をします。. . 

これには、ただの水を「百薬の長」に変える、重要な意味があります。

基本用語解説でも述べたように、アーュルヴェーダのタイプ分類でいうカパ・ピッタ・ヴァータとは、人間をはじめすべてのものに存在している三種類のエネルギーです。

水はもともとカパの性質を強くもっています。

それを火にかけてボイルするので、火のエネルギーであるピッタが加わります。そしてゴボゴボと沸騰したまま時間をおくことで、空気・動きのエネルギーであるヴァータをあたえます。

こうしてつくられた白湯は、カパ、ピッタ、ヴァータのバランスがとれた、理想的な飲みものになるのです。

※白湯を飲むときの注意

よくわかした白湯には、腸内の毒素を浄化する力があるため、飲みすぎると腸から吸収されるはすの栄養まで流してしまい、それをつづけていると体が弱ってしまうことがあります。

ですから、一日に飲む白湯の量は、8OOミリリットル(カップ5~6杯程度)までとして、それ以上は飲まないようにしてください。

地のもの旬のもの、完熟したものを食べる

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ポピュラーな食事健康法の教えに、「自分の住まいに近いところで生育した食べものをとろう」「旬のものを食べよう」というものがあります。

この教えは、ドーシャの視点から見てもたいへん理にかなった、健康によい食べ方です。

気候、風土によって土地のドーシャは異なります。

乾燥した寒い地方では、ヴァータが強くなっています。一方、灼熱の気候のもとではピッタが支配的な強さをもち、ジメジメと湿った寒い地方にはカパが充満しています。

そして、その土地に生えている植物は、それぞれの土地のドーシャのかたよりを正すエネルギーをもっているのです。

ヴァータが強い土地では、ヴァータを下げる性質の植物が茂り、ピッタが強い土地では、ピッタを下げる性質の植物が生育します。

これは、大自然がつねに見せる、調和的な働きのひとつです。植物が、その土地のドーシャのバランスをととのえようとしているのです。

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ですから、たとえばヴァータが強い土地に住み、四六時中ヴァータにさらされ、その影響を受けている人々は、それを下げるため「地元で生育したもの」を食べるとよいのです。

もちろん、土地のドーシャは季節によって変化します。

すると生育する植物の種類が変わったり、同じ植物であっても性質を変えたりします。旬の食べものは、そのときの、その土地のドーシャの乱れを正してくれるのです。

わたしたちは、食べものがおいしさという喜びを与えてくれ、からだをつくり命を支える栄養を与えてくれていることは、普段から意識しています。

でも、実際にはそれだけでなく、目には見えない素晴らしい作用を、そっともたらしてくれているのです。

地のもの、旬のものを食べることは、その恵みを最大限に受けとる方法のひとつです。

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