腸をダメにする習慣、鍛える習慣 藤田 紘一郎 (著)

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腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)

腸が若いと、長生きできるのです。

健康で長生きするには免疫力を上げること、そしてそれには「腸内環境」を健康に保つことが大事、ということが 昨今広く知られるようになりました。

腸が健康な人は、心身ともに状態が良く生活習慣病などにもかかりにくいのだといいます。

脳に従っている限り、ダイ工ッ卜は成功しない

私は、脳ほどダイエットを邪魔するものはないと思っています。脳で食事を考えているうちは痩せることはできません。

みなさんは、人間の脳は地球最高の叡智であり、全能だと考えているかもしれません。

しかし、私に言わせれば、脳にはモラルがないし、だまされやすいし、意志薄弱です。

「人間は地球上で最も進化した生命体」と思っていること自体、うぬぼれ屋の脳がさせる思い違いです。

先日、ある患者さんに「ベンツウはいかがですか」と尋ねたら、「今日はベンツではなく、ポルシエで来ました」と得意げに答えました。

この患者さんの脳は、かなりのうぬぼれ屋です。

これは特別なことではありません。すべての脳がうぬぼれ屋だからです。

脳は私たちをだましますし、私たちも脳をだまします。

不摂生な生活を送っている人ほど「自分は病気にはならない」「太っていても大丈夫」と思い込んでいます。

なんの根拠もなく脳に思い込ませ、快楽におぼれていたい脳は思い込みに従っているのです。

ところが、腸は脳のようにだましたり、だまされたり、勘違いなどはしません。

うぬぼれたり、感情的になったりもしません。ただ黙々と自分に課せられた仕事を行います。

地球上に最初の生命が生まれたのは、今から約制億年も前のことです。生物が最初に持った臓器は腸でした。

脳ができたのは、約5億年前と推定されています。

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生物は、歴史上8~9割もの期間を、脳を持たずに生きていたのです。

約40億年という悠久の時に比べ、約5億年とは地球が1回まばたきをする程度の時間でしょう。

その悠久の時は、地上の生物が、腸を中心に進化を遂げてきた歴史とも言い換えられます。私たち人類も、その一部です。

腸は人類が人間に進化する以前の古い歴史を知っているので「人間の体はこうなっている」と熟知していますが、大脳皮質は人類の進化とともに発達してきた臓器なので、人間の体を熟知できていません。

人間もまた、歴史の浅い脳をうまく使いこなせていないのです。

だからこそ、私たちは脳に簡単にだまされ、脳をだましてしまえるのでしょう。

味噌と納豆が腸内細菌の滋養強壮剤になる

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腸内細菌が喜ぶ食べものは第一に、古くから人に食べ継がれてきたものです。

伝統食には、人が健康になる知恵がたくさん詰まっています。

とくに日本の伝統食には腸内細菌を増やし、免疫力を高める食品が多いと知られています。

日本人が世界一の長寿民族である理由は、日本の伝統食が腸内環境を良い状態に保ってきたからなのでしょう。

日本の伝統食によく含まれているのが、乳酸菌などの発酵菌です。

味噌やしょうゆ、ぬか、酢、みりんなどの調味料のほか、納豆や糠漬け、塩辛、酒盗、なれずし、くさや、日本酒、焼酎などさまざまな食品が、善玉菌の力を使って発酵してつくられています。

人体に良い影響を与える微生物、またはそれらを含む食品は、「プロバイオティクス」と呼ばれ、健康を促進するものとして医学的にも大きな注目を集めています。

善玉菌が生きている発酵食品を食べることは、プロバイオティクスの実践です。

私がとくにおすすめしたいプロバイオティクスは、味噌です。

味噌汁は、食生活の乱れが気になる現代人でも、1日1回は食べるであろう親しみ深いメニューですし、味噌の中にはたくさんの麹菌が生きています。

また、野菜やワカメなどの具には、腸内細菌の好物がたっぷり含まれています。

味噌汁は、生きた菌で腸内フローラを整えるとともに、腸内細菌に好物を与えて腸の働きを活性化させてくれる万能食なのです。

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ただし、麹菌は熱に弱く、グツグツ煮立ててしまうと死んでしまいます。

味噌を溶いたら、決して煮立てずに火を消すことが、生きた菌を腸に取り入れるポイントです。

冷めた味噌汁を食べるときにも、煮立てずに軽く温めるようにしてください。

また、スーパーなどに陳列されて売られている味噌の多くは、発酵を止めるために熱処理が加えられています。陳列棚で発酵が進み、品質が保てなくなると困るからです。

かつては多くの商店街に味噌屋があり、生きた味噌を売っていましたが、今は味噌屋も珍しくなりました。

とはいえ、現代はインターネットが普及し、日本全国の食品をお取り寄せできる時代です。

「味噌お取り寄せ」で検索すれば、さまざまな味噌が紹介されていますから、麹菌の生きている好みのものを購入するのもよい方法でしょう。


腸内細菌が元気に働くいい腸を持つ人は、心身ともに状態が良く病気にかかりにくい―つまり、「腸の健康があなたの寿命を決める」のです。

でも、現代に生きる私たちは、知らず知らずのうちに腸を痛めつけて、免疫力を下げてしまっていると著者は指摘します。

では、どんな習慣が腸をダメにしているのか?免疫の70%を担う腸を鍛える食べものや食べ方とは?

70歳を過ぎてますます元気な腸内研究の第一人者・藤田先生が、腸内細菌をぐんぐん育てて免疫力を上げる30の習慣を明快に解説します。

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