菌美女の酒井美保子連載コラム
以前、菌美女とは…『菌』を愛し、その恩恵にあやかり『美』しく生きたいと望む『女』生たちのことだと説明させていただきました。
なぜ菌なのか?
それはもちろん、発酵食品の良さ、腸内細菌の重要性、土壌細菌の必然性の知識を増やし、生活に取り入れていきたい、あるいは世の中が良くなる研究・活動を応援したい!ということでもあるのですが、その他に社会のバランスを学ぶということもあります。
腸内細菌
というのは、『菌』を知ることは世の中に対する見方を学ぶことにつながるのではないかと思うからです。
見えない菌を知れば知るほど正直分からなくなります(苦笑)!
どの情報が正しいのか、何をすればいいのか、継続性があることなのか。
例えば、人は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」というように簡単に「菌」に善悪をつけて分けます。
そして、“良い菌”を増やそうと急激に善玉菌を外から入れてみたり、悪い菌を排除しようとしたりします。ここで“良い菌”と書いたのはその人が信じる善玉菌だからです。
でも菌の世界では自分がいい菌だとか悪い菌で悪さをしようという考えがあるわけではなく、入ってくる「エサ」によって数が増えたり減ったりしているにすぎません。
悪玉菌だと思っていた菌もまったくなくしてしまえばいいかというとそういうわけではないのです。
陰で善玉菌をサポートしていたり、見えない良い働きをしていたり…。
善玉菌の方が多く、悪玉菌が少ないバランスの時にマイクロビオータ(腸内細菌叢)の状態がよく、人間の健康にもいい影響があると研究結果として出てきています。バランスが必要と。
そして、外から善玉菌を入れ続けることよりも自分の本来持っている菌たちのバランスを整えて育てる「育菌」が大切ということも今後さらに広がってくるのではないかと思います。
それは人間の社会とも一緒ではないかと感じることがあります。
「良い人」「悪い人」「流れに従う意思のない人」と多くの人は分け過ぎていないでしょうか。
菌の研究はテクノロジーの発展がなければ解明されないことだらけです。
ネットがなければ今のように簡単に菌について学ぶこともできなかったのではないかとよく思います。
でもその裏にはドロドロした社会のやり取りがあったとも思うのです。
また目に見えない菌のことを研究者がそういうからと「信じて」いる自分がいます。
毎朝食べたらいいと言われている食品をあるとき私は続けて食べてみました。数日してアトピーのような症状が出てきて、食べるのをやめました。
でも、その食品でお通じが良くなったという人や健康的だからと続けている方もたくさんいます。本当に何が良いのか迷います。
そんな善悪はっきりつけられないことや分からないことがある中でも、菌の世界を知ると
「自分には合っていなかったのか」、「そのもの自体が悪いものなのか、それであれば良いと言っている人は何を良いとしているのか」、「悪い成分と良い成分が混ざっていたのか」、という判断基準の枠が広がります。
先ほども触れました「育菌」、良い状態を作るためには、自分の持っているものを育てること、何を自分の中に入れるかに気を配ること、自分なりのバランスを大切に伸ばしていくことが重要なのではないかと思います。
それは、社会の中でも同じで、どんな社会に身を置くのか、目を向けるのか、どんな言葉を聞き、発信するのか、「育菌」ならぬ「育人生」。
自分の良さを増やすことに力を注げばバランスが良くなるのではないかと菌たちから学んでいる気がしています。
ですから、マイクロビオータ(腸内細菌叢)をよくする、「エサ」をどんなものにするか知識を増やしていくということが社会のバランスをよくすることのきっかけになるのではないかとも思います。
ミクロとマクロの世界で今回はミクロの世界と菌美女の学びをお伝えしました。
先ずは、自分のマイクロビオータ(腸内細菌叢)を育てましょう♪
「100歳まで元気な人は何を食べているか?」三笠書房
【前回のコラム】
酒井美保子プロフィール http://youandsoil.com/profile/
菌美女Facebook:https://www.facebook.com/knbjk/
菌美女Blog: http://knbj.blog.fc2.com/
菌美女会は健康、美容、心の成長、伝統文化の伝承など菌の恩恵に預かった生活、ものの考え方を推進しています。
発酵食品だけではなく、腸内細菌、土壌細菌に関する情報の共有および発信、体験を通して輪を広げています。