咳、頭痛、心の症状の陰陽【身体からの偏りによるサイン】

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磯貝昌寛の正食医学【第75回】症状の陰陽(前半)

咳の陰陽

風邪は身体の浄化反応です。風邪のひき始めに喉に症状が現れることは非常に多いです。

身体に蓄積していた老廃物(毒素)を肺と気管支を通して体外に排泄しているのが咳です。

また、咳は、腸が冷えたり硬くなったりしているのを治そうとする身体の自然治癒力によって発生しています。

ですから咳も他の症状と同様、身体からの陰陽の偏りによるサインなのです。

咳にも陰陽があります。湿った咳が陰性で、乾いた咳が陽性です。

湿った咳は喉の粘膜と口腔内に湿り気があるため、咳の程度は比較的軽いですが、乾いた咳は喉の炎症がひどく、口腔内が唾液不足で乾燥し、咳のたびに喉の痛みを訴えます。

気管支の炎症がひどくなると、血液が混ざった痰を排泄することがあるのも陽性の咳の特徴です。

痰の陰陽

咳と一緒に出てくるのが痰です。比較的粘りの少ないのが陰性の痰で、粘りが強く、喉の奥からやっとの思いで排泄できるのが陽性の痰です。

咳の強さも連動していて、痰が簡単に排泄できるのは陰性、喉の奥から絞るように出てくるのが陽性です。

痰は粘りが強くなってくると色も濃くなってきます。陰性の痰は砂糖( 人工甘味料を含む)や脂肪が原因です。

陽性の痰は肉や卵、乳製品が起因しています。

咳と痰の食養生

陰性の咳と痰にはれんこん湯、梅醤番茶、ねぎ味噌湯など、陽性な飲み物を摂ります。

陽性の咳と痰にはしいたけスープ、第一大根湯、ホットりんごジュースなどの陰性な飲み物を摂ります。

咳と痰の陰陽がどちらか判別がつかないときは、葛湯や葛練りを摂ってみて、美味しく感じるか否かを試してください。

美味しく感じれば比較的陰性な症状なので、陽性な飲み物を飲んでみます。逆に美味しく感じない時は症状が陽性なことが多いので、陰性な飲み物を飲んでみます。

咳と痰は肺と気管支の排毒反応ですが、根本の原因は腸にあるので、お腹と足を徹底的に温めると治りが早いです。

しょうが湿布での手当てが最高ですが、様々な温熱療法があるので、継続しやすい温熱療法でお腹と足を温めてください。

湯たんぽをお腹と足に置いて眠るだけでも効果があります。咳がひどく、喘息のような症状になってしまったときは、胸と背中に里芋パスターを貼ると咳が軽くなることがあります。

効果があるものは「心地よく」「美味しい」のが食養手当て法の特徴です。

逆に「心地悪く」「美味しくない」ものは逆効果になることもありますから、続けないでください。

頭痛の陰陽

頭痛の原因は様々ありますが、大きく見るとすべては血液の汚れです。

血液は汚れると血行不良、神経失調、細胞壊死など身体の末端に諸症状を引き起こします。そのひとつが頭痛です。

食養では症状を陰陽でみますが、頭痛にも陰陽があります。前頭部と後頭部をみると、前者が陰性の頭痛で後者が陽性の頭痛、側頭部では左が陰性で右が陽性です。

全体的に痛かったり、時によって痛み方が変わるものは陰陽混在した頭痛です。砂糖や人工甘味料、動物性食品や添加物、陰陽の偏りがある食品をまんべんなく摂ってきた人は、陰陽混在した頭痛になることが非常に多いです。

コーヒーを摂ると頭痛が緩和される人が少なくないですが、そのほとんどが陽性が強い頭痛だからです。

頭痛の食養生

食養では「よく噛む」ことを大事にしています。よく噛むことで頭痛が緩和されることも多々あります。

噛むことは脳の血流を活性化させます。「流水腐らず」というように、血液もよりよく流れることが浄血に繋がります。

しかし、頭痛が強過ぎて「よく噛めない」という人も少なくありません。

噛めば噛むほど頭痛が強くなる、という人が少なくないのです。噛み合わせの問題もありますが、血液の汚れの強い人は噛むほどに頭痛が強くなります。

そんな人にも「よく噛む」ことを努力してもらいますが、一方で身体に合った陰陽の食べ物を摂っていると、自然に頭痛も軽度になり、噛むことも心地よくなり、噛むことで頭痛が緩和されてきます。

以前、道場に来られた方で、玄米のお粥がよく噛めず、レモンばかりを食べて頭痛を治した人がいました。

「しいたけスープが美味しい」と言ってスープだけで治した人もいます。

レモンやしいたけスープが合う人は陽性な頭痛ですが、梅干しが合う人は陰性な頭痛です。梅干しをコメカミに張り付けるのは日本の伝統療法で、陰性の頭痛によく効きます。

梅醤番茶を飲んでもよいでしょう。毎朝、味噌汁を飲む習慣をつけることでも陰性の頭痛は消えていきます。

心の症状の陰陽

以前、道路の側溝に身を潜めて女性の下着を覗き見していた男性が逮捕されたという報道がありました。

週刊誌の情報では、その男性は側溝などの狭い場所が大好きで、家の中では押し入れや机の下に潜り込むことが幼少の頃からの癖だったというのです。

家族は狭い場所が異常に好きな様子を見て困っていたそうです。

この癖を陰陽でみれば、陰性であることはすぐにわかります。狭いという陽性な環境を好むのですから。

広いことと狭いことを陰陽でみれば、前者が陰性で後者が陽性です。さらに、この男性は女性に声もかけられず、側溝から眺めていたというのですから陰性の極みです。

こんな男性には、砂糖や人工甘味料などの陰性なものは絶対に摂らせなければいいのです。圧力鍋で炊いた玄米ご飯にごま塩や鉄火味噌などをかけ、毎朝味噌汁を飲み、よく動けば陰性症状はアッという間にすっ飛んでいきます。

陽性になって側溝などには居られなくなるでしょう。

一方、パニック障害は、閉所恐怖症( 狭い空間が苦手。その場に居続けることが難しい)を発症する場合が多いです。

さらには過呼吸になる人が多いのも特徴です。陰陽でみれば側溝男の対極、陽性です。

パニック障害の食養相談は少なくありません。パニック障害の食養生は陰性主体の食事ですから、玄米にこだわることなく、分搗き米やうどんなど陰性な主食でよいのです。

乾麺よりも生めんや手打ちうどんなどの方が陰性ですからその方がよいでしょう。

味噌汁の味噌は麦味噌、具は陰性なじゃがいもやキノコ、豆腐などがよいでしょう。

味噌汁でなくても野菜スープやトマトスープ、香辛料を利かせたスープでもよいです。塩分は薄味にしましょう。

食事だけでなく、住む環境も陰性な状態することも大事です。都心の狭い空間よりも、田舎で広々と暮らした方が治りが早いのも、パニック障害が陽性であることを物語っています。

月刊マクロビオティック 2018年3月号より

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磯貝 昌寛(いそがい まさひろ)

1976年群馬県生まれ。

15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。

食養相談と食養講義に活躍。

マクロビオティック和道」主宰、「穀菜食の店こくさいや」代表。

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