50歳からは炭水化物をやめなさい 藤田 紘一郎 (著)

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50歳からは炭水化物をやめなさい (だいわ文庫)

本書では、125歳まで元気に生きる方法をお伝えします。

私がそういうと、たいていの人はこう答えます。
「別に125歳まで生きたいとは思いません」

しかし、みなさんはこうも考えているでしょう。

「ボケたり、寝たきりになったりせずに、10年後も元気に社会で活躍していたい」

50代の人も、60代の人もそうならば、90歳になってもやはり思うのです。

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いざ10年後がやってきたとき、「ここで人生を終えて、十分満足だ」と目を閉じることのできる人が何人いるでしょうか。

いつまでも、元気に社会で活躍し続けたいと願うことは、人間の本能のようなものです。その思いは、何歳になっても変わりません。

私だってそうです。125歳まで元気に生きる方法をみなさんにお知らせするのですから、125歳まで現役であり続け、社会に貢献するような生き方をしたいと思って日々活動しています。

みなさんが未来に不安を抱えるのは、「ボケる」「老ける」「病に倒れる」という暗いイメージがつきまとうからでしょう。

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しかし、「健康でいられるかどうか」という心配は、正しい知識とそれにともなう生活習慣を身につければ、解消できます。

人間には本来、100歳まで元気に生き続ける遺伝子が備わっています。

糖質をとり過ぎると、老化が加速する

若いときと50歳を過ぎてからでは、メインとなるエネルギーの生成系とその原料が、違ってくることがおわかりいただけたでしょうか。

通常は、食べたものが体温を保ったり、体を動かしたりするエネルギーになると考えられています。

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「解糖エンジン」がメインで動く若い頃は、確かにそのとおりです。

エネルギーは糖質の分解によって生成されていますから、使われる分だけの糖質をとる必要があります。

しかし、50歳以降は違います。50歳から必要なのは、酸素です。

もちろん、「解糖エンジン」の働きがいっさい止まるわけではありませんが、毎回の食事でとるほどの糖質は必要としません。

50歳を超えても糖質を必要以上にとっていると、体に困ったことが起こります。

「解糖エンジン」が再び活発に動き出してしまうのです。

メインエンジンが切り替わったはずの年齢で「解糖エンジン」が活発化すると、「ミトコンドリアエンジン」がうまく働けなくなるのです。

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「ミトコンドリアエンジン」は、酸素を主燃料とするので、多くの酸素を取り込んでいます。

しかし、「解糖エンジン」に邪魔をされ、「ミトコンドリアエンジン」に支障をきたすと、取り込んだ大量の酸素が活性酸素に変わってしまいます。

活性酸素は、人間の体に起こる病に深く関与する非常に強い物質です。

非常に酸化力が強くすべての細胞を酸化させ、傷つけます。酸化とは、サビることです。

細胞に致命傷を負わせ、そこから病気となる細胞をつくり出し、病気の細胞を増やしてしまうのです。これが、老化につながるのです。

50歳を過ぎたら、必要以上の糖質は控えるべきです。

日本の食事は主食、主菜、副菜、汁物で構成されますが、主食のご飯や麺類には糖質が多く含まれます。

50歳からは、主食はとらなくても大丈夫です。

そうして「解糖エンジン」の動きを抑え、「ミトコンドリアエンジン」優位に働かせることが、50歳以降ををエネルギッシュに生きるうえで必要なことなのです。

アメリカの「がん死亡率」が減っているワケ

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今、日本人とアメリカ人の野菜の摂取量が大きく逆転している、という事実をみなさんはご存じでしょうか。

1990年代以前は、私たちのイメージどおりだったかもしれません。

しかし、1991年に「毎日5皿以上の野菜と果物をとれば、がん、心臓病、高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクが低減する」という「5 A DAY」運動が官民一体となって始まりました。

全米800組織以上、スーパーマーケット3万5ooo店以上が参加する大運動へと発展したのです。

成果は、運動開始から3年が過ぎた頃、明らかになりました。

野菜、果物、豆類の摂取量が大きく増加するとともに、がんの発症率とがんによる死亡率が減少したのです。

これに対し、日本では年々、野菜、果物、豆類の摂取量は減ってきています。そして、がんの発症率とがんによる死亡率は増えています。

現在、日本のがん死亡率は、アメリカを追い越してしまいました。

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なぜ、毎日5皿以上の野菜と果物が、がんの死亡率を減らしたのでしょうか。研究者たちが注目したのは、フィトケミカルです。

がん細胞の発生に活性酸素が大きく関与しているのは、明らかな事実です。

毎日5皿以上の野菜や果物を食べ続けていれば、必然的に、活性酸素を中和するフィトケミカルを豊富にとることができるでしょう。

結果、アメリカのがん死亡率は減少に転じたのです。

また、効果はがんだけでなく、その他の生活習慣病の改善にもつながっているとのことです。

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