薬剤師だけが知っている薬の真実。
“薬が老化を早める!”
“免疫力が低下して病気にかかりやすくなる”
“症状を抑えることで身体の変化を見逃す”
“年齢を重ねるほど薬のリスクが上がっていく”
運動、食事、習慣…ムダな薬を手放す実践ヒント。
第2章 薬剤師だけが知っている薬の真実 より
自分の命を守れるのは、自分しかいない
外科にしても内科にしても、どんな病気も治しているのは自分自身です。
薬はその手助けに過ぎません。
それを医師も息者さんもわかっていれば、こんなに薬に頼らなくてもすむのです。
「自分で治している」のではなく、「治してもらっている」という意識があるから、すぐに病院に行かなくちゃ、となるわけです。
ところが「本当はあなたが治しているのですよ。それを医師や薬がサボートしているだけです」と言ってくれるような先生はなかなかいません。
「先生、ありがとうございました」と患者さんから感謝され、医師も、「自分が治してあげた」とまではいいませんが、それに近いような感覚を長い間、持ってきてしまっています。
もしも「薬を飲みたくない」「薬を減らしたい」と言ったとき、医師に反対されたらどうすればいいでしょうか。
まずはなぜそう思ったのか、理由をきちんと医師に伝えることが大切です。
そのうえで不機様になったり、怒ったりするような医師だったら、こちらから身を引けばいいだけのことです。
医師は星の数ほどいますし、あなたの身体のことを理解しようとしてくれる医師は必ずいます。
飲みたくもない薬を「言われた通りにしなくては診てもらえなくなる」「近所で行きやすい病院だから」といった理由で飲み続けているのが、果たしてあなたの身体のためになることでしょうか。
たった1つのあなたの身体、命です。また一から検査をするのが面倒だからとか、あの病院は空いているからとか、そのような理由で決めることではありません。
最後に判断するのはあなた自身です。
セカンドオピニオンなどをすすめると、面倒くさい、今かかっているお医者さんに悪い、いう考えの方もいます。
でも、どうか「面倒だ」などと思わないでください。あなたの命は1つしかありません。
その命を誰にまかせるのですか。それをぜひ自身の目で確かめ、信頼できる医師を選んでいただきたいと思います。
症状別・薬に頼らないヒント
症状は身体が出しているSOSのサインです。医療は日々進歩し、多くの病気が克服できるようになったはずなのに、相変わらず病院に行く人は減ることがなく、医療代は増える一方です。
そもそも現代の医学は、薬を投与することで症状を抑えるものということは、ここまでお話ししてきた通りです。
もちろん本当に必要な薬ならいいのですが、飲まなくてもいいムダな薬もあるはずでず。
大切なのは、運動や食事といった生活習慣を改善すること。薬は最後の手段です。ではこれから、症状別の薬に頼らないヒントを紹介していきましょう。
・高血圧
血圧の基準値がすべての人に当てはまるわけではないということは、すでにお話しした通りです。
ただし、血圧が高いとしたら、そこには高い理由があるのです。
過労や緊張、睡眠不足などで身体にストレスがかかったり、運動したりすると身体は多くの血液を必要とします。
血液は、体中に酸素や栄養を運び、老廃物を受け取るという大切な働きがあるためです。
だから、ストレスがかかると血圧が上がるのです。
また太っている人が血圧が高いのも、ある意味では当たり前のことです。脂肪によって血管が仕迫されるわけですから、血流は悪くなります。
では身体はどうやって対処するかというと、圧力をかけて血液を流そうとします。ですから血圧が高くなるのです。
さらに、年齢を重ねていくと、血管は硬くなり、広がりにくくなります。
硬い血管に多くの血液を送るために、血圧が上がるのです。
そこで降圧剤を飲んでしまったらどうなるでしょうか。血液は思うように全身に届かなくなり、先述した通り、朝起きられない、だるいといった症状が出てきてしまうこともあります。
万が一血圧が上がってしまったら、安易に降圧剤を飲んで血圧を下げましょうということではなく、毎日の運動や食事などの生活習慣、ストレスなどを見直してみる、太っているなら食生活を改善したり運動したりして体重を落とす、ということも大切でしょう。
例えば毎日自宅で血圧を測り、自分のスタンダードを知っておけば、慌てることはないはずです。
普段の自分の最高血圧が100mmHgだったとしましょう。
この人が病院で測定したときに130mmHgだったら、医師からは「ちょうどいいですね」と言われるでしょう。
でも、ご自身は「いつもより30mmHgも高い。何か原因があるかもしれない
」と思うかもしれません。
そして「そういえば、ここのところ忙しくて睡眠不足だったな」「ストレスがたまっていたな」と気づくこともあるのです。
すると、早く寝るようにするなど、自分で対策が立てられます。こればかりは、診察で血圧を測っている医師にはわからないことです。
自分のことを一番よく知っているのは自分であり、「いつもと違う」だったり、逆に「今日は体調がいい」と実感したりするのも自分自身です。
基準値に振り回されずに、自分の身体の状態を見ていくことが大切です。
「薬を使わない薬剤師」として活動する著者が教える、薬に頼らない実践ヒント。