脳と聴覚は密接に関係しています。耳からのアプローチで、脳疲労そして全身を癒す音叉療法を一般社団法人日本五感療法協会代表の佐藤明子さんに伺いました。
取材・文◎中澤小百合
佐藤さんのサロンを訪れると、たくさんのチャイムバーが置かれていました。身体を調整すると言われる周波数のバーを使うことで、クライアントの変化を感じているといいます。
「 脳はまわりの周波数に同調しようとするので、意識していい周波数を流すことで脳に働きかけます。
なかでも528Hz は傷ついた細胞を修復する愛の周波数と言われています。
脳は司令塔で、家にたとえると、通常は視覚、聴覚、嗅覚などから得た情報をリビング、キッチン、寝室といった部屋に振り分けて整理整頓をしていくもの。
でも、極端なトラウマや心配事があったり、忙しすぎる毎日を送っているとフラットな状態で目の前のことを処理できず、記憶力が悪くなったり、常に不安になったりします。
そんな時、音が有効。音は脳内の情報を書き換えるのに非常に有効な手段です」そう話す佐藤さん。
では、音叉を施術に使うと身体はどのように変化するのでしょうか。
「私たちの身体の70%は水分。水は音を伝える能力が空気振動の4倍にもなります。音には楽音と騒音があり、両者は波形が違います。
音叉の純音は美しい波形を作ります。だから耳から音を入れる、身体の周りに音を響かせる、身体に直接振動を入れていくといった方法は非常に有効で、音によって私たちはいかようにもコントロールされます。
強い圧を与える施術は同じだけの反発を生みますが、音の振動を与えることで、自ら緩もうというスイッチが入り、身体の内側から変化していきます。」
音と香りの相乗効果!!アロマ音叉療法とは
アロマトリートメントに音叉を取り入れた音と香りを融合した療法。
まず、音叉で音を響かせ、振動を伝えることで身体を緩ませ、アロマテラピーによる、脳へ伝わる芳香療法に加え、肌から浸透する薬効成分を、音によって高めることが可能になる。
「音も香りも目には見えませんが、そこに存在します。音叉という道具があることで、目に見えないエネルギーだけの世界ではなくなり、物質的に捉えやすくなります。そこに手技によるトリートメントが加わることで、身体により伝わりやすくなるので、この3つの組み合わせは非常に効果があると感じられます」(佐藤さん)
耳ツボから全身ケア!!耳つぼ音叉療法とは
耳ツボ音叉療法の原形となるのは仏人医師、ポール・ノジェによって開発されたオリキュラセラピー。
1970年代「音」と「ツボ/鍼灸療法」が組み合わさり発展。耳は逆さになった胎児の形をしていて、全身のツボが集結している。
身体にあるツボの数は365と言われ、その内、耳には110のツボが集まっている。
「画期的なのは、ツボの名前や部位をすべて把握できていなくてもできるところ。弱っているところに音叉のバイブレーションを当てると明らかな反応があるため、身体の情報が耳のツボからわかり、セルフヒーリングにも適しています」(佐藤さん)
【頭痛、首・肩凝りのツボ】
❶肩凝り帯…肩凝りや張りをやわらげる。
❷眼…眼精疲労に。
❸腎…基礎代謝の向上、むくみの解消。
❹神門…ストレスの緩和、鎮静作用。
❺前頭葉…頭痛の緩和。
❻頸椎…身体のゆがみを緩和する。
❼肺…基礎代謝の向上。
セラピスト 2017年06月号より
隔月刊『セラピスト』は、アロマテラピー、ロミロミ、整体などのボディセラピーから、カウンセリングをはじめとする心理療法、スピリチュアルワークまで、さまざまなジャンルを扱っている専門誌です。
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セラピスト 2017年 06月号 | ||||
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