マクロビオティック one テーマ (文)ムスビの会主宰 岡部賢二
最近、免疫力の低下によるさまざまな感染症が増えてきていますが、その対策として梅酢を使った対処法があります。
感染症は喉の粘膜から侵入する事が多いので、ここを守っておくだけで予防効果が格段に上がります。
本当はこまめにうがいをすれば良いのですが、外出先ではなかなかそれができない事も多いと思います。
そこで、重宝するのが梅酢スプレーです。
梅酢は普通のお酢とは違い、梅干しを漬けた時に浸み上がってくる塩辛い液体です。
塩には防腐・殺菌・抗菌・保存・保温・発酵促進といった働きがありますが、この塩と並ぶ殺菌力を持つのがお酢などに含まれる有機酸です。
梅酢の中にはクエン酸やリンゴ酸、酒石酸などの有機酸が豊富に含まれています。
梅酢は、この塩(陽)と酸(陰)の陰陽両極の成分により抜群の抗菌・殺菌効果を発揮する副作用のない天然の抗生物質といっても良いでしょう。
梅酢の活用方法 おすすめの梅酢スプレー
この梅酢を用いるとたいがいの菌は殺菌できるので、感染症の予防になります。
梅酢を10倍に水で薄めたものは、うがい薬の代わりになりますし、8倍くらいに薄めた液体を水筒に入れて持ち歩けば、梅酢のクエン酸が疲労回復になるので、スポーツドリンクとしておすすめです。
また、下痢が止まらない時や、食中毒の時に用いるのもよいでしょう。なかでも一番のおすすめは梅酢スプレーです。
これは、かさ張らず、軽くて持ち運びが便利で、ポケットやバッグに入れておけば、いつでもどこでも簡単に喉に噴霧できる優れものです。
私は外出する時にいつも持ち歩いていて、喉がイガイガする、声がかすれる、風邪気味で喉が痛い、口の中が乾燥するといった時に重宝しています。
また、体が疲れた時や、眠くなった時にも効果抜群です。
感染症の予防以外に、乗り物酔いをして気持ちが悪いという時にも、口の中にスプレーすれば気分がすぐに回復します。
また、口臭が気になる人も、口の中に定期的に噴霧しておけば、虫歯菌などの雑菌が駆逐されて腐敗臭が治まります。
歯周病の方にもピッタリです。食後、歯を磨くことができない時でも梅酢を噴霧しておけば安心です。
天然の抗生物質、梅酢 有用菌を活性化
最近、問題となっているPM2.5などの窒素酸化物やイオウ酸化物を含む汚染された空気から喉を守るために、酸毒を中和するアルカリ成分が豊富な梅酢スプレーは有効です。
喉の炎症を防ぎ、公害物質から体を守ってくれます。さらに原子力発電所の煙突から排出される水蒸気の中にも放射性物質が含まれています。
内部被ばくによって甲状腺や呼吸器に影響が出るのを防ぐためにも梅酢スプレーを定期的に口の中に噴霧しておくことをおすすめします。
梅酢が医療で使われる抗生物質と違う点は、抗生物質がどんな菌をも無差別に殺してしまうのに対して、梅酢の場合は、不要な菌は殺菌、除菌するが、有用な菌は梅酢に含まれるアルカリのミネラルによって活性化されるという点です。
口の中や喉の粘膜にはさまざまな菌が棲みついていますが、梅酢はそのバランスを調整し、有用菌が優位になるように調整する役目を持っているのです。
作り方は簡単!ぜひ生活に取り入れて
作り方は簡単で、スプレー容器(100円ショップで売っています)の3分の1程度梅酢を入れ、2倍の水を足し、振って混ぜれば出来上がりです。
冬場なら2週間くらいは常温で保存できます。
梅酢は自然食品店で手に入ります。自宅で梅干しを作っている方なら、自家製の梅酢をお使いください。
梅酢の種類によっては塩辛いものもあるので、自分の好みで薄め具合を変えてください。
白梅酢よりも赤梅酢の方が、紫蘇が入っている分だけ殺菌力が強いです。
医療費削減のためにも、お金がかからない自然療法を取り入れていきましょう。
食物なので副作用もなく、値段も安く、しかも効果的です。自然環境の悪化が進んでいる状況の中で、自分の身は自分で守るという自衛策が必要な時代となりました。
ぜひ試してみてくださいね!
【こちらもオススメ】
【アーシング】裸足になって大地と触れ合うことで血流を良くし、さまざまな不調が抑えられる
高タンパクで栄養価が高い日本古来の健康食品【にがり高野豆腐・にがり凍み豆腐】
月刊「むすび」 2016年03月号より
正食協会では、月刊誌「むすび」を毎月発行しています。「むすび」は通巻600号を超える息の長い雑誌です。
マクロビオティックの料理レシピや陰陽理論、食生活、子育てや健康、環境問題など幅広いテーマを取り上げています。
ぜひ、あなたも「むすび」誌を手にとってご覧になってみませんか?
サイトの方はこちらから: 正食協会
Profile おかべ・けんじ
大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。
日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。
2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。
著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、
「家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。
ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com