有機野菜はウソをつく 齋藤 訓之 (著)

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有機野菜はウソをつく (SB新書)

有機野菜=安全で安心ということではありません!

有機信仰から頭を冷やし、賢い消費者として選ぶべき野菜とは?

有機農産物だから、それがおいしいとか、健康によいとか、安全だとかということはありません。

本来、そういうものとして立案された基準ではありませんし、現行のコーデックスガイドラインや有機JAS規格の条文を見ても、そのような好ましい農産物であることを保証するような内容は見つけられません。

また、有機農法なるもののそもそもは、環境を破壊しない、環境と調和することを目指して行われるようになったものですが、

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現在有機農法を実践しているという人の田んぼや畑を訪ねてみると、そのことをあまり理解していない人もいますし、実際に環境に悪い影響を与えてしまっている人もいます。

それで、なぜ有機を選択したのかと尋ねてみて、「高く売れるから」とか「有機なら買うという業者がいたから」という答えが返ってくると、実に嘆かわしいというか、悲しい気分になります。

食べる人は、もう「有機農産物であること」を求めるのはやめたらいいのです。

世の中には、その基準に当てはまらなくとも、おいしいもの、栄養のあるもの、安全なふのを作っている人はたくさんいます。

環境とうまく共生できる生産をしていると評価できる生産者が、有蔦農法実践家とも限りません。

有機栽培農家を自称する人は、「この虫食いこそが農薬を使わなかった証拠だ」というセールストークを使うことがありますが、これも眉唾です。

作物は品種によって、虫の食害から体を守るなんらかの仕組みを持っているものです。

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殺虫剤などの農薬を使わなかった場合、多少の虫食いはあるかもしれませんが、全体がボロボロになるほど食害にあっているというのは、その作物が健康に育っていなかったからだと見たほうがいいでしょう。

店頭でチェックすべきポイントとは?

●虫食いがないものを選ぶ

虫食いがある野菜を、無農薬だから虫が死んでいないとか、有機栽培だから虫も好むほどおいしいとかという理由にして野菜を売り込む話もよくあることです。

しかし、それは本当に農薬を使用しなかった理由になるでしょうか。

殺虫剤等の農薬を使った後で、また虫が来てしまったとかという失敗の可能性もあります。

その場合、薬剤を使ってから時間が経っているわけですから残留農薬のリスクはまずないでしょうけれども、セールストークとして不誠実だということになります。

また、虫食いが多いということは、畑の管理が悪く虫が多い環境を作ってしまっているとか、窒素肥料が多すぎて作物が体に硝酸を貯め込み、虫が好む臭いを発してわざわざ虫を集めている可能性もあります。

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この場合も、その生産者は栽培が上手でないということですし、硝酸が多すぎるのであれば味もよくないことが考えられます。

●色が濃すぎない

有機栽培の野菜で、割とよく見かける不良は色が濃すぎるものです。

たいていの場合、それは窒素成分を与え過ぎて、体の中に分解しきれないほどの硝酸を溜めてしまっているものです。

これは窒素肥料を与え過ぎれば起こることですから、有機栽培でなく、化学肥料を使った場合にも起こり得ます。

しかし、化学肥料の窒素肥料は速効性の半面、持続もしにくいので事例としてはより少なくなるはずです。

実際、野菜のバイヤーたちの話を聞いても、窒素過多の野菜は有機栽培や堆肥を多用する生産者から仕入れる際のチェックポイントとしている人が多いものです。

第2章にも記したように、一時期この種のものがブルーベビー症候群の原因になるとか、食べた後体内に発がん性物質を生ずるなどとして週刊誌等でセンセーショナルに扱われたことがありました。

色か薄くても不自然に色が抜けたような印象ではなく、緑色の野菜ならさわやかで明るい緑色のものを選ぶように心がけていれば、硝酸を含みすぎている野菜をつかむことはまずないはずです。

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齋藤 訓之 SBクリエイティブ 2015-02-17
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