森下敬一 『食べもの健康法』●春菊
冬の青菜といえば、文句なしに春菊をあげたい。
よもぎに似たちょっとクセのある香気は、春菊らしさを主張していて、美味しさを倍増する。
春菊が鍋物に欠かせない料理の一つになっているのも、実に合理的な意味合いがある。動物性食品の多食による弊害を解消する作用を持っているのだ。
冬場は、寒さに対抗して体を温めるために、どうしても動物性食品を多くとりがち。
それが例え人間の食性の範囲内である魚介類であっても、多色傾向になるとやはり血液酸毒化の心配がでる。
だから冬季には、体を冷やしすぎないで大いに浄血効果をあらわす海藻、大根おろし、本物のみそ、漬物などを積極的にとる必要がある。
春菊も、それらと同様の効果を持っている。
その最大の理由は、葉緑素を豊富に含んでいることだ。葉緑素は腸機能を盛んにして老廃物の排泄を促すと共に、血液中の酸毒成分と直接結びついてそれの解毒をはかる。
また春菊はアルカリ性食品であることも、血液の酸毒化防止に役立つ要素である。
最近の若い主婦は、何度洗っても朽ち葉や砂を落としたりするのは面倒でゴミが出るのもいや・・・と言うので、もっぱら清浄栽培のレタス、セロリ、クレソン、サラダなどを愛用している人が多い。
だが、こういう軟弱野菜ばかりをいくら食べても血液浄化効果はそれほど期待できない。
さて、春菊には、そのほかにもいろいろな効用がある。まずビタミンKが豊富で、病気に対する抵抗力を強める。
ビタミンKは、カルシウムを体内で有効に作用する活性カルシウム・イオンに変える働きを持っている。
こうして生まれたカルシウム・イオンは血液中の酸毒成分を除去して、血液をリフレッシュし、病気にかかりにくい体をつくる。
春菊の繊維は腸の蠕動を活発にして、便通をよくする。
便秘は胃腸の異常発酵をおこし毒素を大量発生して血液をひどく汚すから、便秘症を放置しておくのは危険だ。
下痢に対しても、春菊は有効である。
葉緑素、ビタミンAなどが腸粘膜の炎症を治すのだ。
この場合は、葉だけを軟らかくゆでてすり鉢でよくすりつぶし、ポタージュを作って、1日1~2回飲むことをしばらく続けるとよい。
貧血防止効果もすばらしい。
腸機能が整うと、造血機能も正常化して、質のしっかりした血液がどんどんつくられる。
ビタミンA、Cも豊富で皮膚や粘膜の生理を健全にして、肌や目をイキイキと魅力的にする。
カゼにも有効で、春菊、ねぎ、豆腐を実にした味噌汁を熱いうちに飲む。そして温かくして眠るとよい。
■春菊とパセリのサラダ
材料(4人分)
・春菊・・・80g
・にんじん・・・50g
・玉ねぎ・・・50g
・玄麦スパゲティ・・・100g
・紅花油・・・大さじ2
・米酢・・・小さじ4
・みそ・・・大さじ2
・白ごま・・・大さじ1
・自然塩・・・少々
<作り方>
①春菊は塩湯でして水に取り、しぼって2cmのぶつ切り、にんじんも千切りして塩ゆでしておきます。
②スパゲティはほどよくゆでてざるに上げ、玉ねぎのみじん切りをまぶしておく。
③白ごまを香ばしく炒り、すりばちでよくすった中にみそを加えてさらにすります。
④米酢、紅花油、塩も加えてよく混ぜてみそのドレッシングをつくります。
⑤材料をボールにまとめ③で和えます。
■春菊の卯の花和え
材料(8人分)
・春菊のゆでたもの・・・1把分
・おから・・・1カップ
・しょう油・・・大さじ2
・ごま油・・・大さじ1
・自然塩・・・小さじ1/2
<作り方>
油で卯の花をいためて調味して、春菊を2~3cmに切ったものと和えます。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。