大豆はずば抜けたガン予防食品である

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船瀬俊介連載コラム

「きな粉かけご飯が、大好物でネ……」

ある一00歳を超えるお婆さんが、テレビのインタビューに答えてニッコリ。九〇、100歳と長命なかたに、きな粉好きは多い。

(中略)

女優、由美かおるさんも自家製きな粉ドリンクを毎日、飲んでおられるとか。

ヨーグルトにきな粉、ゴマ……など六種類の超健康食品を加えたスペシャル・ドリンク。

さすがに、驚異の若さ、美しさの秘密は、その「呼吸法」に加えて、食への気配りにもあったのだ。

世界四大穀物といえば、コメ、小麦、トウモロコシ、大豆。あまりにありふれて、その栄養価に、注意は払われなかった。

その栄養というより薬効が、最近、次々に立証されている。

大豆は、古来より畑の肉とよばれる。つまり「肉を食うより、大豆を食え」という教えだ。人類は、本来草食動物である。

腸の長さは、トラやネコなど肉食動物の四倍も長い。そこに肉が入れば、腐敗発酵して発ガン物質を生成、大腸ガンなどになる。

それも当たり前の因果応報なのだ。肉は、あきらかに草食動物の人類にとっては”発ガン物質"なのである。

「大豆は最高の抗ガン食品」(米国立ガン研)

逆に、大豆は、ずば抜けたガン予防食品であることが、国際的に証明されている。

グラフAは、米国立ガン研究所(NCI)が作成した「ガン予防食品」のピラミッド図。

上段になるほど、ガン予防効果が高い。

正式名称は「デザイナーフーズ・プログラム」。一九九0年、同研究所を中心に、免疫調査の結果から集大成された。

ガン予防に有効とされる野菜・果物・香辛料を、その有効性データにもとづき、ピラミッド状に図示したもの。

なんと、大豆は、ガン予防食品のトップに位置づけられている。

大豆は、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂質繊維など、ほぼ完全栄養食品である。ただ、大豆に、なぜ他の食品を引き離して抗ガン作用があるのかは、長らく謎だった。

最近、その抗ガン成分が、明らかになってきた。

大豆の芽に含まれるイソフラボン

その代表がイソフラボンである。これは、これまで大豆のえぐ味と呼ばれてきた成分。いわばアクに含まれる物質。

大豆の芽(胚軸)部分に含まれる化合物で―二種類が確認されている。

美食家には、あまり歓迎されない成分だったが、なんと、このえぐ味成分こそが、驚異の抗ガンパワーの源だったのだ。

さらに心臓病、骨粗しょう症など、さまざまな病気を予防し若々しさを保ってくれることも判明。

女性の悩み、肌の老化や更年期障害なども防ぐ薬効物質であることが、次々に立証されてきた。

しかし、イソフラボンという名前はテレビCMなどでも、耳にするが、ナンノコトャラ……と首をかしげる人が大半だろう。

イソフラボンの研究は、まず欧米でスタートした。その理由が「なぜ、日本人は長寿なのか?」という問いから発したというから、面白い。

二九0万ドルを投じ抗ガン作用研究

そこで日本人は、味噌汁、豆腐…。など大豆食品を多くとっていることに着目。

その大豆の有効成分としてイソフラボンが注目を集めたのだ。

一九九一年、米国立ガン研究所(NCI)は、二九0万ドルもの巨額な研究費を投じて、イソフラボンの抗ガン作用の研究を開始。

一九九六年「大豆による成人病予防と治療」という第二回国際シンポジウムがベルギーのブリュッセルで開催された。

この場で大豆イソフラボンの薬効を証明する様々な医学論文が発表されたのである。

なにしろ一九八五年当時はイソフラボン研究論文は世界で一四例しかなかったという。それが、いまや世界中で数え切れないほど膨大な数の医学論文、科学論文が発表されている。

美肌、若さの源は・・大豆レシチン

もう一っ。大豆に含まれる薬効成分がレシチン。これはリン脂質の一種。名前はギリシア語の「卵黄」に由来する。

人間の細胞膜を構成する重要物質だ。細胞に必要な栄養を吸収し、老廃物を排泄する……という大切な役割をになっている。

さらに、脳や神経を構成する。人体には約六00g存在する。(体重六0kgあたり)

さらにレシチンには水分と脂肪を混ぜ合わせ、乳化させる作用もある。つまり、血中コレステロールを溶かし取り除いてくれるのだ。

生命維持に不可欠の物資なのに、現代人は、このレシチンが決定的に不足気味。

日常生活でレシチンが欠乏してくると、次のような病気に悩まされる。

動脈硬化、痴呆症、高血圧、心臓病、糖尿病、肝臓病、腎臓病、貧血症、肥満症、皮膚病……などなど。

その他、レシチン欠乏は、老化や女性の妊娠中毒症などのひきがねとなる。

明治時代に、日本に帰化し、日本女性を妻に姿った英国作家ラフカデォ・ハーン(小泉八雲)は「いかなる財物、財宝をもしのぐ美しさ!」と、日本女性の肌の美しさを絶賛している。

それは、豆腐、味噌、納豆などで大豆食品を日常に食して来た日本人の健康美への礼讃に他ならなかった。

その日本のオネェさん、オバさんたちも、いまやアメリカ占領文化に毒され、ハンバーガーから焼き肉、ステーキ食いまくり、かつての美肌とは無縁のシミ、そばかす、吹き出物だらけと、なりはてたのは、無残、残念の極み。

抗酸化物質サポニンはガン、万病を防ぐ

「疾患の九割以上は、活性酸素(フリーラジカル)で、引き起こされる」

これは、もはや医学常識である。鉄釘が錆びて、やがて土に還るように、いわゆる生命体もそだいに錆びて(酸化して)衰え、土に還る。

ガン、病気、老化・・も、はやくいえば酸化作用なのだ。

そのなかでも強い酸化作用をもった酸素を活性酸素と呼ぶ。しかし、生物は、この酸化作用に抵抗する成分を備えている。それが、抗酸化(SOD)物質だ。

体内に、この抗酸化(SOD)物質を取り入れば、身体の酸化つまりガンや種々の病気さらに老化を防ぎ、若さを保つことができる。

大豆には強力な抗酸化物質サポニンがふくまれる。

サポとは「泡の立つもの」の意味。サポニンは幾つか種類があり、抗酸化作用を持つサポニンと、抗酸化物質を安定させるサポニンがある。

これら二種のサポニンが合わさることで、体内に強力かな抗酸化能力が生まれるのだ。

大豆が、並外れた抗ガン食品、老化防止食品であることは、これらサポニンの作用からも実証される。

女性様ホルモンとしての薬効

図Bは、―二種類確認されたうちの主なイソフラボン類の分子構造。

どれも、女性ホルモン(エストロゲン)によく似ている。

欧米の研究者は、日本人などアジア人には、欧米人に多い乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンさらに心臓病が、極端に少ないことに着目した。

これらは、すべて女性ホルモン(エストロゲン)の影響を強く受ける。

イソフラボンは、女性ホルモンとは異なるが、やはり種子の発芽や成長を調整する。つまり植物ホルモンなのだ。

こうして、イソフラボンは弱いながらも女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をすることが立証された。

これらは「女性様ホルモン」あるいは「フィトエストロゲン(植物由来の女性ホルモン)」と医学的に呼ばれる。

フィトエストロゲンは大豆のなかでは、糖と結び付いた配糖体の形で存在する。大豆を食べると腸内でビフイジス菌などに分解されて弱い女性ホルモン的なはたらきをするのだ。

さらに、フィトエストロゲンは、身体のホルモンレセプター(受容器)に結び付いて、有害な環境ホルモンの侵入、作用を防ぐことも判明してきた。

また、乳ガンのようにエストロゲン過剰分泌で起こる病気では、ほんらいのエストロゲン分泌を抑制する効力も確認されている。

イソフラボンがガンを”兵糧攻め“

大豆になぜ、抗ガン作用があるのか?

その謎も、解明されてきた。

まず大豆イソフラボンはガン腫瘍の増殖、転移をおさえる。つまりイソフラボンは、ガン細胞に栄養を供給する血管が新しくできるのを阻害するのだ。

そのためガン進行、悪化がくいとめられる。

いわゆるガンの兵糧攻めその見事な例が前立腺ガン。いまや欧米男性のガン死のトップといわれる。

ところが、日本男性には、これまで極めてマレなガンだった。これは、大豆イソフラボンがその進行、増殖を抑制していたからだ。

逆に肉食、動物食は、前立腺ガンの最大元凶であることも解明された。欧米人がこのガンにかかると他の部分に転移しやすく、死亡率も高い。

しかし豆腐、味噌汁を食べる日本人の死亡率は各段に低い。

「肉をやめ、大豆を食べよ」これが、いまや前立腺ガン予防の大鉄則となっている。

しかし牛丼、焼き肉、ハンバーガーなど肉食が増えている日本男性に前立腺ガンが爆発的に増えている。

ああ……無知の悲しさ、恐ろしさ。

(参考:『大豆イソフラボン』井上正子監修、日東書院、『大豆の凄い薬効』帯津良一著、宙出版)

(図版A、B:出典『大豆イソフラボン』井上正子監修、日東書院より)

月刊マクロビオティック 2003年12月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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