隔月刊『セラピスト』より
1年続く長い戦いに、すぐできる5つのセルフマッサージ
いつ終息するか分からない、日本全国に広まる新型コロナウイルス。この未知の敵とは、先が見えない長い戦いになるとも言われています。そこで、今年１年の長丁場を乗り切るセルフマッサージの方法を、広橋憲子さんが綴ります。
文◎広橋憲子
まずは肩の力を抜き深呼吸してリラックス
新型コロナウイルスに打ち勝つには、自分の免疫力を上げておくことが望まれます。ノーベル賞受賞者、山中伸弥教授がホームページで述べているように、コロナ問題は、これから１年も続く長い戦いになりそうです。
長いマラソンレース、腰を据えて、「怖がりすぎず、余り軽くも考えすぎず」、毎日を過ごしましょう。
まずは肩の力を抜いてゆっくりと深呼吸してリラックス。新型コロナウイルスは、発症しても多くの場合は軽症で済むといわれています。
落ち着くまで長くかかりそうです。対策も最初から飛ばしすぎず、ゆっくりと余裕をもって行きましょう。
最近、コロナウイルス騒動で、心も身体も縮んでいませんか？ 笑顔はどうですか？ 額にしわが寄ってはいませんか？ 最近笑ったことはありますか？
笑いは免疫を上げますよ。
笑うには、落語を聞くのが一番。私の好きな「古今亭志ん朝」をはじめ、YouTube にたくさんあります。
発生源となった大阪のライブハウス、そこに居た人全員が発病したわけではありません。
重症になる人もいれば、発症しない人もいます。違いはその人の、「免疫力の差」にあります。
「免疫力って何？」。それはウイルス感染を防ぐ力、そして身体の中に入ってしまったウイルスを退治してくれる力のことです。
「免疫力は自分自身の身体の中にある」。そう、私たち自身の身体の中に、ウイルスをやっつける力の源があり、「自然治癒力や免疫」と呼ばれています。
「自然治癒力」を上げるセルフマッサージで乗り切りましょう。
免疫力を強くするセルフマッサージ
頭部をマッサージしてリラックスしましょう（①参照）。
頭がカチカチになっていませんか？
腕、背中、首と頭はつながっています。背中や肩の凝りのせいで、頭を包んでいる筋膜が緊張し固くなります。
頭をマッサージすると、肩凝りや目の疲れが同時に取れますよ。頭と背中はつながっているので、胸椎にある自律神経の過緊張も適正化され、免疫機能の働きが活性化します。
次に横隔膜をほぐして、肺にたくさんの酸素を取り込み、「気」の流れを良くしましょう（②）。
横隔膜の動きが悪いと肺にたくさんの酸素が入りません。肺が健康で十分な働きを保つために、横隔膜をほぐしましょう。
東洋医学では、病気を防ぐ力、治す力を「自然治癒力」と呼び、その力を強くすることを治療の眼目にしています。
「気」はその力、エネルギーを意味し、一番下の肋骨の所で、その「気」が妨げられやすいのです。
横隔膜をほぐせば、肺の働きもよくなり、全身の「気、エネルギー」の流れもよくなります。
続いて肺と腸の働きを良くしましょう。免疫細胞の70パーセントがある腸と、肺炎にならぬよう肺のパワーをアップするツボが「合谷」です（③）。
東洋医学のツボの流れで、肺と腸の活動に働きかけます。さらに足底マッサージで免疫力を上げましょう（④）。
足の底はパワーの源。人が立った時、足底は大地と接します。大地、地球から生きる力、エネルギーが身体の中に入り、全身を潤してくれます。
ヨーロッパのリフレクソロジーや台湾の脚底按摩でも、足の底は全身を調整する大事なところ。身体の隅々まで、大地のエネルギー、気をめぐらして免疫力を活性化します。
最後に「腹式呼吸」でリラックスしましょう（⑤）。
私たちの身体の働きを、無意識のうちに調整してくれている自律神経。この乱れは、免疫力の低下を招きます。
「腹式呼吸」はその自律神経を整える簡便な方法です。新型コロナ流行のせいで、皆さん若干緊張気味のこの頃。これから１年近くこの状況が続くかもしれません。
緊張状態の持続は、身体の免疫の働きを弱くします。「腹式呼吸」でリラックスと自律神経の調整をして、長丁場を一緒に乗り切りましょう。
取材協力◎日本マニュアルセラピー協会 TEL03-6907-0080 https://japan-manual-therapy.org
セラピスト 2020年6月号より
隔月刊『セラピスト』は、アロマテラピー、ロミロミ、整体などのボディセラピーから、カウンセリングをはじめとする心理療法、スピリチュアルワークまで、さまざまなジャンルを扱っている専門誌です。
［雑誌公式サイト］
http://www.therapylife.jp/［雑誌販売サイト］
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