磯貝昌寛の正食医学【第100回】新型コロナウイルス
新型コロナウイルス
連日、新型コロナウイルスの話題で持ちきりです。師の大森英櫻(1919〜2005)は「21世紀はウイルスの時代だ」と、生前事あるごとに言っていました。
20世紀前半までは感染症においては細菌が中心でした。結核菌、ペスト菌、赤痢菌などはあまりに有名です。
抗生物質の登場で細菌感染における死亡率は急激に少なくなったのですが、現在はその耐性菌が問題になりつつあるようです。とはいえ、現在は耐性菌よりも新型コロナウイルスの問題が急務です。
新型コロナウイルスだけではありませんが、病原ウイルスは私たちの体のある種のたんぱく質をエサに増殖します。
鳥インフルエンザが豚インフルエンザよりも強毒性があるといわれるのは、鳥インフルエンザは40度以上の発熱を伴うからだといわれています。
それに対して豚インフルエンザでの発熱は38度ほどだというのです。
これは鳥(鶏)と豚の体温とほぼ同じです。
食養的にみると、鶏肉をたくさん食べて鶏のたんぱく質から造られた細胞をたくさん有していると鳥インフルエンザに罹りやすく、豚肉をたくさん食べて豚のたんぱく質から造られた細胞をたくさん有していると豚インフルエンザに罹りやすいと食養では考えています。
もちろん、これらの肉類をたくさん食べていても免疫力の高い人は大丈夫ですが、免疫力が落ちていて過去の蓄積がたくさんあるようだと、これらのインフルエンザに罹ってしまうと思うのです。
新型コロナウイルスの全容がまだつかめていないので断定的なことは言えませんが、病原ウイルスに変わりはないので過剰な動物性の摂取は控えた方がいいと私は考えています。
そして、免疫の7割が集まるといわれる腸の状態をよくすることです。
快食快眠快便であれば、どんなウイルスであっても怖くありません。
むしろ、ウイルスは体の中の不要なたんぱく質をエサにしてくれているわけですから、有難い存在であるのです。
食養的にみたら、ウイルスは私たちの体をキレイにしてくれているのです。
ウイルスに恐怖を感じ不安におののくよりも、体の中をきれいにしてくれて有り難さを感じている方が、免疫力を高めてくれるものです。
食養的ウイルス対策
食養的なウイルス対策には、腸の調子を整えるために本葛を使うことをおすすめします。
葛湯や葛練りが食養の代表ですが、リンゴジュースで葛湯や葛練りを作ってもいいでしょう。
そして、過去にたくさん動物性を食べてきた人は、シイタケスープや野菜スープも飲むとよいです。
干しシイタケと干しマイタケをブレンドして煮出したスープもいいでしょう。
これらのスープにダイコンおろしやショウガおろしを入れてもいいでしょう。おいしく感じるものを見つけてみてください。
「おいしい・気持ちいい・心地いい」ことが免疫力を高めてくれます。
インフルエンザの薬の中では「タミフル」が有名です。このタミフルも元々は中国料理によく使われる八角という香辛料で作られているといいます。
八角もまた、たんぱく質を消化分解する力が優れています。
遺伝子には鍵と鍵穴があるようですから、新型コロナウイルスを上手に分解・解毒するものもあるでしょう。
今の私にはそれが何だかわかりませんが、万が一新型コロナウイルスに罹ったならば、症状改善に何が役立つか、食養的に実験すればいいのです。
新型コロナウイルスに限ったことではありませんが、病というのは恐怖心を持っているとなかなか改善しないものです。
むしろ、どんなもので改善していくか、実験だと思って楽しんでいたら、病気は案外早くによくなるものです。「楽しむ」ということほど免疫力を高めるものはないのです。
とはいえ、わざわざ武漢に行って新型コロナウイルスを日本に持ち込んだら大変なことになるでしょうから、そんなことはしない方が賢明です。
食養的なウイルス浄化の手当て法はまずはよくお腹を温めることです。
お腹だけでなく、手足、腰も温めると免疫力がグッと上がります。
身体を温めて、シイタケスープや野菜スープを飲みたいだけ飲みます。葛湯や葛練りもいいでしょう。いく通りもある手当ての中から自分に合ったものを見つけることです。
また、今現在の情報では、新型コロナウイルスはそれほどの高熱にならずに咳を伴うようですから、食養的にはそれほど強い陽性ではないような気がします。
そういった場合はネギ味噌やネギ入りの味噌汁、上記のスープ類に玉ネギを入れて煮込んだり、長ネギを刻んで好みの醤油や味噌で味付けしてもいいと思います。
ともあれ、私たちの生命力はそうやわなものではないので、無用に不安になることはありません。
お腹を温め、腸内環境を良くしておけば、どんな病もありがたく感じる心になっていくものです。
新型コロナウイルスの情報から世間は急激に萎縮しています。経済もそれに伴って下降する兆しが出ています。
後々には新型コロナ不況などと言われかねない状況になりつつあります。
しかし、命の本質からしたら茶番劇以外の何物でもありません。
細菌やウイルスは私たちの体内・体外を問わず、必要があって存在します。病原ウイルスも私たちの体内に必要であるから存在するのです。
それは、何度も言いますが、不要なたんぱく質を浄化してくれているのです。病原菌や病原ウイルスを悪と捉えて、打ち消そうとしても消せるものではありません。
細菌やウイルスは柔軟的に形を変えるものですから、私たちは細菌やウイルスと共存する以外にないのです。
月刊マクロビオティック 2020年4月号より
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磯貝 昌寛(いそがい まさひろ)
1976年群馬県生まれ。
15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。
食養相談と食養講義に活躍。
「マクロビオティック和道」主宰、「穀菜食の店こくさいや」代表。