船瀬俊介連載コラム
〝ベジィ〞激増半分はヴィーガン
最近、アメリカでベジタリアンが急増しています。
「代表的な世論調査である『ギャラップ』によれば、2009年には米全人口のわずか1%だったベジタリアンが、2012年には5%に増加。その半分は、乳製品もとらない完全な菜食主義者『ヴィーガン』とのことでした」(シェリー・めぐみさん 『日刊ゲンダイ』 2016年6月23日)
わずか3年ほどで、なんとアメリカのベジタリアン人口は5倍に急増しているのです。
まさに米国人の食卓は急激に変化している。それから4年が経過しています。おそらく、この勢いなら米国人の約1割は菜食主義にシフトしているでしょう。
シェリーさんは、ニューヨーク在住リポーター。彼女によれば「ベジタリアンに限らずアメリカ人の4割近くが、外食時は常に、あるいは場合に応じて『ベジタリアン食』をオーダーしている」という。
健康志向は、そこまで高まっているのです。
牛肉成長ホルモン汚染は和牛の600倍
理由のひとつは「劣悪な環境で飼育される家畜の現状が頻繁に報道されるようになったことが大きい」(同)
アメリカの畜産業は、世界最悪です。飼料穀物は有害な遺伝子組み替え作物。おまけに、農薬残留の規制もない。
だから残留農薬の9割以上が肉類から口に入る。さらに、家畜は抗生物質など薬剤と成長ホルモン漬け。EU(ヨーロッパ連合)が、いまだアメリカ産牛肉を輸入禁止しているのは、これらの凄まじい残留毒物のためです。
なにしろ米国産牛肉の残留成長ホルモンは、和牛の約600倍! さすがに呑気な米国民も、自分達が食べている食肉の恐ろしい現実に、気づき始めたのでしょう。
心臓病、ガン、ストレスが劇的に少ない
さらに、マスメディアが菜食の効能をとり上げ始めたことも大きな要因です。
『タイム』誌5月号は「ヴィーガンの健康効果」の特集記事を掲載しています。
フィレンツェ大学の研究報告を元に「ヴィーガンの人は、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患や、ガン患者の発症率が劇的に少ない」と結論づけています。
他の研究も、ヴィーガンの優れた健康効用を裏づけます。
「更年期障害を軽減し、ストレスを下げる」
「ダイエットに劇的効果があった」(サウスカロライナ大学)
「この現状を反映して、ニューヨークではベジタリアンやヴィーガンの食事を出すおしゃれなレストランが続々オープンしている」
「ベジィバーガーで知られる『バイ・クロエ』(By Chloe)や、キヌア・ボウルが人気の『スウィート・グリーン』(SweetGreen)などのファストカジュアル・レストランが〝ヒップ〞(流行に敏感)な若者に大人気」(シェリーさん)
このベジタリアン急増は、ヨーロッパや日本でも同じ。最近、まわりに洒落たベジ・レストランが急に増えた、と感じませんか?
veggy (ベジィ)2016年 12 月号 vol.49 FUNASE’S VEGGY TALK Vol.7 より
世界ベジタリアン協会(IVU)認定の『日本ベジタリアン協会』からも推薦された、日本ではじめてのベジタリアン向けライフスタイルマガジ『veggy』。
今、注目を集めているオーガニック、マクロビオティック、ローフードを取り入れるライフスタイルを提案。
国内だけでなく世界中のベジィ情報をピックアップしていることが本誌ならではの魅力です。
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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家
著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。
『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。
独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。
船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/
船瀬俊介公式facebook= https://www.facebook.com/funaseshun
船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」= https://www.facebook.com/funase.juku
著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。