耳鳴り難聴目眩 自力で治す! 不快を消す! (Eiwa mook)
寒い時期に増加する耳の不調。キーンと響く、ジージー雑音が手術なしで快聴! 声がはっきり! ふらつきも改善。血行促進、自律神経を整える。
耳鳴り、難聴、目眩は放置しておくと全身のトラブルを招く…
しらとり台耳鼻咽喉科院長帝京大学医学部耳鼻咽喉科名誉教授 石塚洋一
本書を手に取った人の多くは耳鳴り、難聴、目眩に悩んでいると思います。年齢を重ねるにつれ、これらの症状を訴える人が増えてきます。
「歳だから」という理由で、もうこれ以上はよくならないとあきらめている人も多いのではないでしょうか。しかし、たかが耳鳴り、されど難聴、目眩。
耳鳴り、難聴、目眩は全身の病気のシグナルともいえる大切な初期症状です。
これらの症状を放置しておくと、脳梗塞や糖尿病、高血圧症などの重大な病気を見逃してしまう可能性があります。
症状の原因が内耳の場合、脳の場合、心因性の場合など要素はさまざま考えられますので、「疲れているだけだ」などと自己判断はせず、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳鼻咽喉科を受診した上で、原因となる病気がある場合は、それを治すことが第一です。
本書では、耳鳴り、難聴、目眩を自力で治すことを目標としていますが、まずは必ず医師の診断を仰いでから、本書で紹介する耳のトラブルを改善するための健康法を実践し、耳の不快を解消しましょう。
「星状神経節」への耳もみで耳鳴り、難聴、目眩が改善!
手軽な健康法として知られる「ツボ押し」は適切なポイントを刺激することで耳鳴りや難聴、目眩の解消にも役立ちます。
そもそもツボとは一般に中医学や漢方医学などでいう「経けいけつ穴」です。全身をめぐる「気き 」や「血けつ」の通り道である経絡上にあるポイントを指しています。
体の器官に不調が発生すると、その経絡の流れに影響が出るため、逆にツボ(経穴)を刺激すると、関連する部位の改善にもつながるというわけです。
これらはいわば膨大な症例データを蓄積し長い時間をかけて体系化したものとされていますが、現代の西洋医学に照らしても、たとえば神経やリンパなど、体の重要なポイントに位置していることがわかっています。
従来の東洋医学と、ノジェ博士の耳介療法をベースに、自身の施術経験を加えて独自の「塚見式耳みみばり針療法」を確立した私は、これまでの経験から体の不調や病気には精神的なストレスが大いに関係していると思っています。
耳鳴りや目眩の場合にも、ストレスが引き金になる場合が多いといえます。
しかも、それが身体症状として出るのは決まった部位ではなく、人それぞれが個別に持っている体の弱い部分に出やすいのです。
ストレスはなぜ体によくないのでしょうか。
自律神経のひとつである交感神経の過度な緊張や、神経伝達物質であるアドレナリンの過剰作用をもたらし、血液循環の阻害につながり、さまざまな病気の引き金になるためだとされています。
そこで病気の改善には血行をよくすることが重要になります。
ノジェ博士の理論でもある耳の反射点を適切に刺激すると自律神経の働きを整えることができます。
それを応用して行きついたのが、耳にある『星状神経節』の反射点などを刺激することだったのです。
「星状神経節」とは首に位置し交感神経が多く集まっている部位ですが、この反射点が耳にもあり(16ページ図参照)、そのすぐ下の「中ちゅうけい頸神経節」「上じょうけい頸神経節」の3点を刺激すると、交感神経の緊張をやわらげることにつながるのです。
もともと私が耳針療法を確立する際に、日本のペインクリニックの生みの親といわれ、さる著名人の顔面麻痺の治療にも関わった若杉文吉武蔵野病院名誉院長からもお話を伺いました。
『この治療法は脳の血流を改善するのに役立っている』と病気を治すことで確認したのは、交感神経の過剰な緊張をほぐすための治療として、西洋医学で行う神経へのブロック注射は星状神経節に行うことがもっとも効果的だったということです。
星状神経節の反射点などへの刺激により、脳の血流が高まることで脳の視床下部の働きも活発になります。
すると内分泌や免疫の働きにも影響を与え、その過程で耳鳴りや難聴、目眩といった症状の改善につながるケースが数多く確認されているのです。
耳鳴り難聴目眩 自力で治す! 不快を消す! (Eiwa mook) | ||||
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