最新! 腸内細菌を味方につける30の方法 藤田 紘一郎 (著)

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最新! 腸内細菌を味方につける30の方法 – 健康・長寿・美容のカギは腸内フローラと腸内細菌! – (ワニブックスPLUS新書)

腸内細菌を味方につけて健康になるための方法

NHKスペシャル『腸内フローラ』放映以来、数々のテレビ、雑誌で腸内フローラ、腸内細菌のことが取り上げられています。

腸内細菌については「3年前の常識は、ほとんど通用しなくなっています」と著者が語るほど、日進月歩で新事実が明らかになっています。

腸内フローラの最大勢力は日和見菌

最近まで、乳酸菌やビフィズス菌などのいわゆる「善玉菌」ばかりが重視されてきました。

たしかに、乳酸菌などの「善玉菌」が多い腸内環境は絶対に必要なものです。

しかし、最近の研究では「日和見菌」が腸内環境において大変重要な働きをしていることがわかってきました。

以前、腸内フローラは培養できる細菌だけで判断されてきたことはお話ししました。

このときには、500種類、100兆個の細菌が腸内にすんでいると推計されていました。ところが今は、遺伝子解析によって3万種、1000兆個の細菌がいると見られています。

種類でいえば60倍、数でいうと10倍もの細菌数になります。

遺伝子解析によって発見された、そうした細菌のほとんどは、日和見菌と考えられます。

腸内にいる菌種は主に「フィルミクテス門」「バクテロイデス門」「アクチノバクテリア門」「フロテオバクテリア門」の4つに分類できます。

このうちフィルミクテス門とパクテロイデス門が日和見菌で、プロテオバクテリア門が悪玉菌に該当します。

善玉菌はアクチノバクテリア門の細菌で、腸内フローラのわずか10%にも満たない存在なのです。

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日和見菌とは、腸内環境が善玉菌優位の状態にあると善玉菌に加担し、悪玉菌優位のときには悪玉菌に加担する細菌たちです。

そんなどちらつかずの細菌たちが、腸内環境の大半を占めていたのです。

かつては、「善玉菌と悪玉菌は張り合いながら腸内に存在していて、善玉菌が多いほど腸内環境はよくなる」と語られ、日和見菌はあまり重視されていませんでした。

ところが実際には、日和見菌こそ揚内の最大勢力であり、彼らをどのように働かせるかが、腸内環境を改善する重要なポイントだったのです。

納豆の菌は土にいる菌と同じ

腸の中で善玉菌の活動力が高まると、最大勢力の日和見菌がウワーッと善玉菌に味方をし始めるため、腸内環境が整います。

反対に、悪玉菌の活動力が高まると、日和見菌がいっせいに悪玉菌に味方し始めます。

こうなると、腸内には有害な毒素が発生するようになります。

この毒素は細胞をがん化させたり、老化をうながしたりするなど、体に悪影響をもたらします。

つまり、「善玉菌生活を始めよう!」などといって、乳酸菌の摂取ばかり心がけていても、それだけでは健康にはなれないということです。

腸内フローラをよい行いをする「もうひとりの自分」に育てるには、善玉菌の活動力を高めつつ、日和見菌を増やすことが必要なのです。

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私たちの腸にいる日和見薗の多くは、土壌菌です。土壌菌とは土の中で生息する微生物のことです。

土壌中には無限ともいえる数の多様な菌たちがいます。そうした土壌菌は、土そのものを形成する要素と考えてもよいでしょう。

土壌菌は、土の粒子が舞う空気中にも浮遊していますし、私たちの生活環境である室内にも生息しています。

また、大豆の発酵食品は土壌菌がつくっているものです。

その代表といえば、納豆でしょう。大豆を発酵させる納亘菌も、「枯草菌」という土壌薗の仲間です。

枯草菌は硬い殻に覆われているため胃酸に強く、生きて腸まで届きます。

そして腸に到着すると殻を破って、腸にすむ仲間たちを刺激して、おおいに活性化してくれるのです。

「納豆を食べると健康になる」とよくいわれます。実際に、納豆の健康効果は多くの研究によって明らかにされてきました。

しかし、日和見菌である納豆菌そのものが、体になぜよいのかについては明快な答えがありませんでした。

その答えは、日和見菌が腸内フローラの最大勢力であることを考えるとよくわかります。

納豆には日和見薗を増やして、腸内フローラの活動力を高める働きがあるのです。

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納豆を毎日食べましょう。ただし、外国産の大亘は遺伝子組み換えのものがあるので、そこは確認してください。

また、休日には自然の中に出かけていって土とふれあうことでも、腸内の日和見菌を増やすことはできます。

まずは手軽にできることから始めていきましょう。

腸内細菌の中に、バクテロイデス・テタイオタオミクロンという細菌がいます。

バクテロイデス門の仲間ですから、これも日和見菌と見てよいでしょう。

パテタイオタオミクロン菌は、植物の食物繊維を分解する酵素の遺伝子を260種類以上も持っていることがわかっています。

テタイオタオミクロン菌が分解して短鎖脂肪酸をつくり出していることをマウス実験によって解明したのは、ワシントン大学の研究チームです。

テタイオタオミクロン菌のような菌種のおかげで、食物繊維を分解する遺伝子を持たない人間も、野菜類から効率的に栄養素を吸収できるのです。

他にも、腸内細菌がつくり出す酵素はさまざまにあります。

一説によれば、腸内細菌は、人体が生成するおよそ150倍もの酵素をつくり出しているといわれます。

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