マクロビオティック one テーマ25 人や動植物、ふれあいが効率のよい発電法(文)ムスビの会主宰 岡部賢二
「ふれあい」や「スキンシップ」という言葉がありますが、人と人との接触がなぜ大事なのでしょうか。
実は、超古代人(カタカムナ人)は皮膚同士のふれあいによって電位差が生じ、それが効率の良い発電法になると考えていたようです。
なぜなら彼らは男性のエネルギーをサヌキ(電子)、女性のエネルギーをアワ(磁気)と呼び、電気的に異質な男女がふれあうことで、エネルギーが生じ、これを接触電位差発電とか性の栄養交換と捉えていました。
最近は、男女ともに結婚しない人が増えたため、ふれあいの欠如による電気不足をペットとふれあうことによって補っている人が多く見られます。
発電は、ペットなどの動物との間でもできますが、木や植物に触ったり、大地を裸足で歩きアーシングすることでも補給は可能です。
しかし、最も効率の良い発電法はやはり、気心のあった男女のふれあいです。
ふれあいから放出される「オキシトシン」の効果
なぜなら、ふれあうことによって生命力が高まるだけではなく、精神的にも心の安定感や幸福感への寄与が大きくなることが、愛の神経化学物質「オキシトシン」の発見によってわかったからです。
ふれあうことによってこのホルモンが血液中に放出されると、心が満足感や信頼の感覚で満たされます。
天然の愛の泉と呼ばれるオキシトシンは、プラトニックな関係であろうと、肉体的な関係であろうとも、人間同士のを強化し、男女の心理的な垣根を取り払う作用をもたらします。
このホルモンの分泌の度合いは、その人の育った環境によって決定されます。
赤ちゃんの時に、両親としっかりふれあっていると、赤ちゃんの心に安定をもたらすオキシトシンの濃度が上昇します。
お母さんが赤ちゃんを抱き上げて、優しく接したり、おっぱいをあげたり、おむつをこまめに替えたり、愛情をかける度にオキシトシンが赤ちゃんの脳から放出され、赤ちゃんは安らぎと安心に満たされます。
オキシトシンの分泌が人間関係の構築に作用
このオキシトシンはお母さんにもフィードバックされ、お母さんの心を落ち着かせ、献身的に子どもを世話したくなるように仕向けることで、親子の信頼関係を構築します。
母親とのふれあいによって生じた愛の絆は、大人になってからの性的パートナーと結びつく際にも大きく影響しています。
また、オキシトシンは兄弟姉妹とのふれあいや遊びでも濃度を増します。
オキシトシン濃度が高い子どもは、社交性が発揮されるため、どんな人間関係にも喜びを見出し、好奇心が旺盛で、積極的に友人をつくるようになります。
また、見知らぬ人や経験したことのない状況に遭遇しても、それほど怖がらず、自信をもって対処し、すぐに理解しあうことができるようになります。
オキシトシン濃度が高ければ、共感能力が増し、思いやりや優しさ、おもてなしの心、サービス精神が増します。
情緒的な面での立ち直りも早く、ストレスに打ち勝つ能力や、自己破壊的な行動を抑制できることもわかっています。
ということは、孤独や引きこもりはオキシトシンの枯渇状態であり、この濃度を上げさえすれば、明るく元気で前向きな状態に戻れることになります。
実際、健全なオキシトシン濃度の子どもは、学校での成績もよく、仕事にも前向きで、自信にあふれて、自分のしたいことを見つけることができているようです。
心地よい人間関係の構築に欠かせないのが、オキシトシンの分泌ということになりますね!
腸と皮膚を浄化し分泌力を高めて
この分泌力を高める秘訣が、「誰かを、何かを、大切にする」というマザリングの力です。
例えば他者に施しをする、誰かの世話をする、何かを大切にする、ボランティア活動に参加する、赤ちゃんを抱く、犬や猫をなでる、寛大な行為をする、自分のチームを熱心に応援する、寄り沿う、親しい相手と交流する、コーラスで歌を歌う、抱擁して温め合うといった行為などがあります。
また、私は、オキシトシンのスムーズな分泌のためには、皮膚の感度が大切であり、その改善には何よりも腸の浄化が必要だと考えています。
皮膚は腸の出先機関なので、腸の状態が悪い(腐敗状態)と、皮膚の状態も悪くなり、肌荒れがひどくなります。
プチ断食で腸がきれいになると皮膚にツヤが戻るように、日々の食べものの吟味や少食、素食といった腸に負担をかけない生活を送ることが社会性や人間性を育む上で大切なポイントではないでしょうか。
皮膚の浄化とふれあいを大切にし、心地よい暮らし方をしていきましょう。
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月刊「むすび」 2018年01月号より
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Profile おかべ・けんじ
大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。
日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。
2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。
著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、
「家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。
ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com