森下敬一 健康談話 より
━■健康談話■━
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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用
我々の体の細胞は、直接的には血液によって生かされている。
これは「血液によって栄養分と酸素が供給されている」という一般的な考え方とは次元の違う話で、血液中の赤血球がいくつか寄り集まって溶け合い白血球や組織球に変わり、それから体細胞に変わって行っているという話なのだ。
では、その赤血球はどのようにして作られているのかというと、腸において、食物を素材にして、生産されているのである。
一般には、食物はアミノ酸やブドウ糖などに分解され、それが栄養物として吸収されるといわれている。
そういう一面も否定できないが、食物はかなり大きな塊のままで直接腸壁に取り込まれ、それが変容を受けることによって、体蛋白がこしらえられ、次いでそれが、赤血球に発展していく。
以上のようなカラクリは、拙著『血液の起源』(1960年刊)で触れておいた。
まさに、食は血なり、血は肉(体細胞)になっていく。
このように体細胞は血液から作られ、そして血液に浸されて生きているわけだから、我々の健康状態が血液性情によって左右されるのも当然の話。
血液をきれいにすれば、病気を予防し、あるいは病気を治して健康を蘇らせる事もできる。
その血液をきれいにするためには、食物の摂り方を正さなければならない。自然食が必要になるのも、そのためなのである。
そこで、もし私が「自然食とはどのようなものか」と問われれば「それは、人間の体の自然性を目覚めさせてくれる食事のこと」と答えるだろう。
モノ自体が自然であるからといって、必ずしも自然食とはいえない。
毒キノコの場合を考えてみればいい。
また、肉、牛乳、卵など、モノその物が汚染されていないとしても、これらを食べることによって、我々の腸内には大量の毒素や老廃物が発生し血液を汚してしまう。
つまり体の自然性をそこなうものだから、これらを自然食と呼ぶのは適切ではない。
このように、食物の良し悪しを考える場合には、いつでも「その食物が体の中に入ってから、どのように運命づけられるか」という立場で、判断をする必要がある。
そうではなく、食物を体から切り離して考えると、全く次元の違った結論が引き出されたり、大きな間違いを起こしたりしやすい。
では、我々の体の自然性を目覚めさせてくれる食物とはどんなものなのか。
それは、穀菜中心食である。
人間という生き物は、もともと草食性(そのうちに穀菜食)動物なのである。
その証拠は消化器官にはっきりと現れていて、歯は穀物や野菜を食べるのに好都合なように、臼歯や門歯が発達している。
それから、腸が大変に長いことも、草食性であることの証明となる。
従って、穀菜食を中心とした食事を摂れば、消化機能も順調に働き、それによって造血、解毒、排泄などの機能もすべて正常化し血液性情もまた健全となる訳である。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。