森下敬一 『食べもの健康法』●セロリ
精力減退が気になりだすと人はにわかに強精剤への関心を強める。需要があれが供給があるのが資本主義社会の法則だから、各種の強精剤が出回っている。
だが、効果のほどはピンからキリまであり、体質との関わりあいもあるから評判だけをうのみにすると、とんだワリを食うこともある。
本当に性的エネルギーの増強をはかりたかったら、次の2つのポイントをおさえてかからなければならない。
まず、内蔵機能の強化をはかり基礎体力の増強をはかる。
そして、神経的・ホルモン的に強精効果を表す薬効食品をとることである。
内臓の強化をはかるには、血液をきれいにすることが、不可欠で食生活を全面的に自然食の原則にかなったものにする以外に方法はない。
一方、強精効果を持つ食品は数々あるが、いつでも手に入れられるもので、女性にもことのほか有益な食品といえば、セロリにとどめをさす。
セロリを常食していると、いつか必ずオヤッと思うほど精力がついていることに気づくはず。
セロリは、カルシウム、ビタミンB1、B2、Cなどを比較的多く含んでいて、鎮静作用および健胃・整腸作用が著しく、特に神経性の下痢に卓効をあらわす。
この抗ストレス作用、自律神経・内分泌などの調節系のバランス回復作用が大きくものをいっているのであろう。
あの独特な薬臭から考えて、あるいは未知の有効成分が関与しているのかもしれない。
そうでなければ、女性を性的情熱家に変貌させるセロリの特異な効果の説明がつけられない。
そのほか、セロリは気管支や肺の機能を強め、疲労回復を促し、酒やタバコの毒を消す。不眠症、生理不順、更年期障害を治す・・・・といった幅広い薬効を持っている
セロリといえばナマ食、ナマ食といえばサラダ、という図式を思い描く人は多いだろうが、いつもサラダでは芸がない。
セロリのスガスガしいおいしさを生かした色々な調理法を試したほうが飽きずに連食できる。なるべくなら、より健康的な食べ方を工夫して、セロリの薬効を目いっぱい生かしたい。
例えば、生味噌をつけて食べたり、わかめとごま和えにしたり。
またサラダでもマヨネーズではなく、自然食品のごま油、レモン汁、自然塩のドレッシングを用いる・・といった具合だ。
夏場の熱い季節には、セロリ・ジュースも大いに結構。ジューサーを用いると粗大な繊維が除かれて腸への刺激はおだやかとなり、有効成分は効率よく吸収される。
にんじん、リンゴを加えて味を調え作り立てを飲むこと。
肉食をする機会の多い人は、セロリ・ジュースに適当にワインを加えると肉食性老廃物の排泄が促進されるから、いっそう効果的だ。
■セロリのわかめ巻き
材料
・セロリ・・・適宜
・生わかめ
・自然塩
・しょうが
・しょうゆ
<作り方>
①セロリは6cmの斜め切りにし、濃いめの塩水につけます。
②生わかめは、お湯で洗い水に取ってしぼり、しょうが汁としょう油を合わせた中に漬け、下味をつけておきます。
③ ①も②も水気を切り、セロリを4本ずつまとめ、生わかめを適宜巻きつけます。
■セロリのくるみ和え
材料(5人分)
・せろり・・・1本
・生わかめ・・・30g
・くるみ・・・5個
・麦みそ(甘口)・・・30g
・だし汁、自然塩・・・少々
<作り方>
①セロリは5mmの小口切りし、塩を少々ふってざるに上げます。
②わかめは細かく切り、くるみはみじん切りにします。
③すりばちでみそをすり、だし汁少々で溶きのばし、①②を加えます。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。