アトピーを自力で治す最強事典 (薬を使わず元から治すメソッド満載)

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アトピーを自力で治す最強事典 (薬を使わず元から治すメソッド満載)

アトピーは副交感神経が優位な状態で発症!根本治療は休質改善とストレス軽減

新潟大学名誉教授 安保 徹

かゆみや腫れは毒を出すための反応

アトピー性皮膚炎は、1980年ごろから急増した、日本では歴史の浅い病気です。当初は幼少期に発症し、思春期を迎えるころには自然に治癒する、子供の病気とされていました。

しかし、わずか40年たらずの間にその病態も変化し、大学生になるまで引きずるケースや、成人後に発症する大人のアトピーもふえてきました。

そして、このアトピーという病気の誕生、病態の変化に隠されているのが、時代の変遷によって生じた、私たち廿本人の体質の変化です。

アトピーが子供の病気として注目された1980年代は、豊かな生活が定着し、お菓子にお金をかけたり、塾通いに忙しくて外遊びがへったりするなど、子供を取り巻く生活環境も大きく変化した時代です。

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こうした変化を受けて、子供の体質も「寒さとひもじさの交感神経型」から、「飽食と運動不足の副交感神経型」へと変わり、病気の質も変わったのです。

交感神経は、意志とは無関係に体の機能を調整している、自律神経の一種で、「活動」「多忙」「寒さ」「空腹」「貧困」「緊張」「細菌感染」などにより、優位になります。

すると、白血球(血液中に存在する免疫細胞の主体)のうち、顆粒球がふえることがわかっています。

ですから、交感神経が優位になって起こる病気は、白血球中の顆粒球が過剰に活性化した
ことによる、化膿性の感染症です。

その象徴が、青ばなを垂らす子供です。しかし、そうした子供は、1980年以降はめったに見られません。

生活が豊かになり、顆粒球が減少してきたことで、感染症は起こりにくくなったのです。

これに反比例する形で、アトピーが急増してきました。アトピーは、副交感神経が優位になって起こる病気だからです。

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副交感神経も自律神経の一種で、「休息」「のんびり」「暖かさ」「飽食」「豊かさ」「リラックス」「ウイルス感染」などにより、優位になります。

すると、白血球のうち、リンパ球がふえることがわかっています。

リンパ球はウイルスなどの外敵から体を守る一方で、過剰に活性化すると、本来は無害な異物も「毒」とみなし、炎症を起こして体外に排除しようとします(アレルギー反応)。

アトピーは、この「毒」を出そうとするアレルギー性の炎症が、皮膚に生じた状態です。

体は「毒」を排除するとき、血管を拡張して血流をふやし、洗い流そうとします。その際、かゆみや腫れも生じてしまいます。

つまり、かゆみや腫れは、体がいち早く毒を出そうとする、治癒反応といえるのです。

ちなみに、かつてアトピーが子供の病気とされたのは、成長とともに体質が副交感神経型から交感神経型へと移行し、リンパ球もへっていくからです。

しかし、最近の子供は30年前の子供以上に、豊かな生活を送っています。

そのぶん体質の移行も遅れ、アトピーも治極しにくい状況が生じているのです。同様に、大人のアトピーのベースにあるのも、リンパ球の多い副交感神経が優位な体質です。

飽食と運動不足を引き金に、日本人の体質そのものが、副交感神経型へと傾いてきたことの現れでしょう。


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