薬があなたの体をダメにする  大櫛 陽一 (著)

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コレステロール 血圧 血糖値 下げるな危険! 薬があなたの体をダメにする

あなたは「間違った基準」で「病気」にされていませんか?

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みなさんは、健康体なのにもかかわらず「病気」と線引きされて、飲む必要のない薬を飲まされていたとしたらどうするでしょう。

しかも、その「飲む必要のない薬」を服用してきたことで、かえって自分の健康が危険にさらされているとしたら……。

そんなバカな、お医者さんの言う通りにやってきたんだから、間違いがあるはずないじゃないかと思う人も多いかもしれません。

しかし、残念ながらいまの日本では、とんでもなく間違った医療が横行してしまっているのです。

降圧剤、コレステロール、中性脂肪、血糖の低下薬……健康診断などで数値がひっかかり、医師に勧められるままこうした薬を飲んできたみなさんは、「その薬を自分が本当に飲む必要があるのかどうか」をよく確認したほうがいいでしょう。

それにしても、いったいどうしてこんな事態になってしまったのか。

その理由は、「健康」か「病気」かを線引きするための基準となる数値が間違っていたからです。

私はかねてから日本でまかり通っている健康基準値に大きな問題があることを指摘して、警鐘を鳴らし続けてきました。

そして、その「大きな問題」は、2O14年の春になって一気に世間の注目を集めることになりました。

事の発端となったのは、「日本人間ドック学会」が2014年4月に発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲ーーー日本人間ドック学会と健保連による150 万人のメガスタディー」でした。

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この日本人間ドック学会発表の「新健康基準」は従来用いられている基準値よりも総じて緩めであり、それまで「病気」や病気予備軍」とされていた人々が、正常の範囲に当てはまることになったわけです。

たとえば、血圧の場合、日本高血圧学会というところが基準を設定してきたのですが、2014年3月までは上の血圧(収縮期血圧)が130以上を高血圧としてきました。

ところが、日本人間ドック学会の新健康甚準では、上の血圧が147までは正常の基準範囲ということになりました。

ですから、上の血圧が「130ー147」に該当して、高血圧と診断されて降圧剤を飲んできた方であれば、病気ではないのに病気とされ、飲む必要のない薬を飲まされてきたということになります。

ちなみに、米国政府委員会の最新ガイドラインでは、60歳以上の人の場合150までが正常であり、14O未満に下げる必要も効果もないことが明記されています。

日本の「従来の健康基準」は世界基準と比べてもヘンだった!?

みなさんのなかには、もしかして、これまでの甚準のほうが正しくて、日本人間ドック学会の「新健康基準」のほうが間違っているんじゃないかと疑う人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、その可能性は低いと思います。理由はふたつ。ひとつめは調査対象者の数です。

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日本人間ドック学会の新健康基準は、2O11年に人間ドックを受けた約150万人の方々のデータに基づいて割り出しています。

こうした臨床調査データは、対象数が多いほうが倍頼性が高いとされているのですが、150万人を対象とした調査は、かつてないと言っていいくらい大規模なもの。

その点でたいへん画期的であり、科学的信頼度の非常に高いデータと言っていいのです。

ふたつめは、日本人間ドック学会の新健康基準が「欧米各国における最新の健康基準」と厨ね合致している点です。

こうした基準を論議するときに、世界水準と照らし合わせて、いったいどれくらいの差があるのかに焦点を当てるのは当然のことです。

後でくわしくご説明しますが、現行の特定健診(メタボ健診) を含め、従来から日本の健康診断で採用されている基準は、欧米の基準と比べると信じられないくらい厳しいものでした。

それが今回、大幅に基準が緩められたことにより、世界水準に近づいてきたのです。

この点からも、日本人間ドック学会の発表した新健康基準は信頼度が高いものだと言うことができるでしょう。

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それともうひとつ、理由を挙げておきましょう。

先にも述べたように、私は日本でまかり通っている健康基準値に大きな問題があることをずいぶん前から指摘してきました。

また、できるかぎり正しい基準を提出しようと調査や分析を重ね、いまから約10年ほど前、全国の約70万人の健診結果をもとに、日本初の男女別・年齢別健診基準範囲を発表しました

(その結果は、2004年の日本総合健診医学会シンポジウムのなかでも公表しています)。

その後も複数の市町村で住民追跡研究を行ない、その正しさを証明してきました。

そして、新たに日本人間ドック学会が発表した基準は、この70万人調査によって判明した基準の数値と非常に近いものがあるのです。

私が取りまとめた「70万人調査による男女別・年齢別健診基準値」は、この本の巻末2O1ページでまとめて紹介しています。

「70万人」と「150万人」を対象とした調査において、ほぼ近い数値が出てきているわけです。

「新碁準」と「従来からの基準」とで、いったいどっちが正しくて、どっちが間違っていたのか、普通に考えれば、どちらに軍配が上がるかは明らかなのではないでしょうか。


血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖は、薬で無理に下げると危険です! 

本書では、70万人調査で明らかになった“厳しすぎる健康基準値”の問題点と“薬漬け医療”のからくり、飲む必要のない薬の正しいやめ方について解説しています。

※特別付録「70万人調査から作成した<男女別・年齢別>健康診断の新しい基準値表」付き。

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