医者なし薬なしでいつの間にか「うつ」が消える本  宮島 賢也 (著)

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医者なし薬なしでいつの間にか「うつ」が消える本

人はどうしてうつになるのでしょうか?

精神科にかかり、薬を飲んで完治したと思っても、なぜ再発をしてしまうのでしょうか。

その根本原因には、幼いころに親のしつけや環境によって刷り込まれた「お母さん病(びょう)」があるのかもしれません。

「お母さん病」とは、自責感や自己否定につながる「思い込み」を抱えていることに気がつかない病気です。

自分に満足せず、足りないものを他人の評価、お金、仕事などで埋める生き方が「刷り込まれている状態」を指します。

うつの原因には、この「お母さん病」が潜んでいることが多いのです。

ただし、「お母さん病」は母親が悪いと追及するものではありません。

「お母さん病」を子供に刷り込んだ親たちも「お母さん病」で苦しみつつ、生きてきたのです。

その連鎖を断ち切る必要があるのです。

緊張しっぱなしの社会で「お母さん病」は出てくる

いま、企業にはいり若者も中高年も、大きなストレスのなかで働いています。

グローバル化で、ものづくりも消費者も世界中に広がり、安い賃金の国と競争していくために、少しでも効率を上げながら、よい物やサービスを提供していかなくてはならないのです。

お金と時間に追われて、「もっと安くつくらないと生き残れない」「もっといいサービスを提供しないと負ける」と走り続ける社会です。

そのような時代ですから、体のなかでは自律神経が悲鳴をあげています。

人間の体は、交感神経と副交感神経が絶妙なバランスを取りながら、動き、変化していくのですが、毎日緊張しっぱなしだと、そのバランスが崩れていきます。

原因不明と思われている頭痛、腹痛、湿疹や痛みは、交感神経と副交感神経の調和が乱れている自律神経の失調から起こるのです。

うつと痛み

うつで受診している患者数は2011年で95.8万人(厚生労働省調査、宮城県の一部と福島県を除く)。17年前の1996年には43.3万人で、時代とともに増え続けています。

心の風邪ともいわれるうつ。でも、風邪は何日か寝て毒出しが終わると、もと通りに元気になりますが、うつは休んでも、考え方、生き方を変えなければ苦しい状態が続きます。何年も続く人もまれではありません。

うつの周辺には「不安障害」「睡眠障害」「拒食、過食」などで苦しみ人がいます。また、うつ病になると、6割の人に体の痛みも現れます。肩、腰、頭、関節、歯の痛み、胃や腸の消化器の痛みや不調、体全体が痛むという人もいます。

うつは、心身ともに癒しが必要であることを教えてくれているのです。

「起こるとうれしいこと、考えていきませんか?」

今、もしつらいなら、昨日までの自分は忘れて、今日から新しい自分を生きると決めてみませんか?

苦しい考え方、生き方が刷り込まれている「お母さん病だ」と気づくのは大切だけど、両親に怒っても、恨んでも苦しくなるだけです。

  • 他人と過去は変えられない
  • 自分と未来は変え放題
  • 後悔はもったいない

症状が出たらこの3つを「想い出して」、自分の考え方を楽にして、今、ここを悦びで満たしましょう。そして、起こるとうれしいことを考える習慣を創っていきませんか。

生きていることを当たり前にしないで。生きている悦びを想い出し、うれしい、あたたかな気持ちを感じましょう。

【お母さん病から脱出するための、具体的な方法】

  • 「ほかの人は変えられない」ことを受け入れる
  • 相手に我慢するのではなく、自分が笑顔でいられる距離を取る
  • 自分にとって「居心地のいいところ」に行く
  • 正しいか間違っているかではなく、自分がうれしいかどうかで選び直す
  • パートナーのサポートは、笑顔でできる範囲で行う
  • 好きなこと、嫌なこと、自分はどうしたいのかを整理する
  • 自分にポジティブな言葉かけをする
  • 人生のシナリオを描く

第一章 「お母さん病」ってなんだろう
・自分のなかに潜む「お母さん病」
・自分を苦しめるのは刷り込まれた「思い込み」
・「お母さん病」が生まれるまで
・薬で「お母さん病」は治らない
・ぼくの「お母さん病」のこと

第二章 うつもがんも、リウマチも「お母さん病」?
・緊張しっぱなしの社会で「お母さん病」は出てくる
・働かないと空虚になる「仕事中毒」のワケ
・起こるか「心配」するより起こると「うれしい」を考えて
・DV、モラハラは夫も妻も「お母さん病」?
・我慢は禁物。まずは自分を大切に

ぼくがメンタルセラピーでよく使う言葉

第三章 これからの自分を楽にする「思い込み」の変え方
・症状が出たときがチャンスです
・心地よい場所とペースを見つけましょう
・「相手は変えられない」を受け入れると楽
・自分が変わり、自分を愛す。そして幸せの献身へ

第四章 こんなとき、どうする?
・「お母さん病」の連鎖を食い止めよう
・嫌なことを義務でやる必要はありません
・不登校は子供の心のメッセージ
・「お母さん病」が「お母さん病」を呼ぶ

第五章 心と体、ダブルで治していきましょう
・体が気持ちいい状態を「想い出す」
・体調がよくなる食事習慣をつける

第六章 女性性が世界を幸せに変える
・惜しみなく分け与える母性の力
・みんなが「お母さん病」に気づけば社会が変わる

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