こうして医者は嘘をつく ロバート・メンデルソン (著)

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こうして医者は嘘をつく

【長らく絶版となっていた、現代医療批判の金字塔、復刻! 】

「現代医学の9割はムダ! 」

40年前に米国で出版され、30万部を超えるベストセラーとなった、「民衆のための医師」による名著。

「まったく古びておらず、今なお価値を持つ」と藤田紘一郎氏(東京医科歯科大学名誉教授)も絶賛! 現代医学への疑義は本書から始まっている。

解説    藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)

本書の原書刊行後、40年を経て、現在では遺伝子解読、ips細胞の生成など、再生医療や新薬の開発を期待できる発見も相次いでいて、医学技術はとても進歩している。

しかし本書の内容が古びているかというと、まったくそうではない。

それどころか、私自身が医療の現場にいて、メンデルソン博士が警鐘を鳴らした40年前のアメリカと、現在の日本の状況はきわめて似通っているという思いを強くする。


医療大崩壊 (講談社文庫)

私も2005年に『えっへん』(講談社)、2009年に『医療大崩壊』(講談社文庫)という書籍で、医療の現場や制度が混乱していること、数々の問題が生じていることを記した。

日本でも10年以上前からすでに、医療への不信感や欠陥が顕在化していたのだ。

しかし今、本書を改めて読むと、医療業界は長く問題視されていたことに対して、何も手を講じていないことがわかってくる。

つまり、医学技術の進歩とは裏腹に、医療の問題は40年前とほとんど変わっていない。

博士の警告は生かされず、それゆえ今もなお価値を持ちつづける、という悲しいパラドックスを生み出している。

たとえば、冒頭に登場する「テラマイシン」という薬がある。

現在では二キビ治療の化膿止めとしての処方が多いがこれはテトラサイクリン系の抗生物質で、以前は風邪薬のシロップなどによく使用されていた。

この抗生物質を歯の形成期である幼児期に服用することで永久歯の象牙質に着色してしまう。

服用した時期によって着色の位置が異なり、薬の種類や投与量によっても着色が異なる。

着色は紫外線によって濃くなるため、生えたばかりの永久歯には着色が見られなくても数年で色が濃くなり、とくに前歯で目立つ。

同抗生物質がもっとも使用されていたのが昭和40年代で、この時期に生まれ育った世代では歯の着色に悩んでいる人が多い。

この抗生物質の歯や骨に対する副作用は1962年に米国で初めて報告されたが、日本では永久歯列の実態調査から、平成生まれの子にも投与されていたことがわかっている。

メンデルソン博士の時代に明らかになっていた問題が、つい最近まで放置されていたというわけだ(現在では、乳幼児や妊産婦への使用が禁忌となっている)。

また、テトラサイクリン系の抗生物質は広域スペクトル(多種の細菌に効き目がある)があり濫用される傾向にあったため、耐性菌の出現が大きな問題となっている。

米国では毎年200万人以上の人々が耐性菌による感染症を起こし、そのうち少なくとも2万3000人が死亡しているという推定結果を報告している。

加えて、耐性菌と感性菌(抗菌薬が有効な菌)で感染症が起こった際の死亡率を比較すると、耐性菌のほうが感性菌に比べて2ー3倍程度死亡率が高くなっている。

つまり、ある菌を退治するために投与された薬が生み出す菌のほうが大きな被害をつくっている。

この抗生物質ひとつの問題だけを見ても、「現代医学が新たに病気をつくっている」と言えてくる。

博士はさまざまな機器によるたくさんの検査が「病人づくり」に貢献していることを述べている。

血液検査、心電図、XP、CT、MRI、エコーなどの検査機器はより発達し、検査項目は増え、さらに「精密に」患者を見つけられるようになっている。

聴診器や触診による古典的な内科診察は、現在も循環器、呼吸器、消化器の診断に利用される場面が多いが、昨今では拒否反応を示す患者も多く、特に男性医師の女性に対する診察ではセクハラだととられることもある。

医師は最新医療機器が出力する検査結果に依存せざるを得ない。

不要な検診を山ほど受け、その中に基準値を超えたものがあれば、特に症状が出ていなくても有無を言わさず何らかの処置や検査、薬の処方がされる。

やはりここでも、「現代医学が病気をつくっている」。

(中略)

病院を取り巻く環境は刻々変化し、医療の発展に伴い情報も過多である。

意見は十人十色で、利害関係から語られていることも少なからずある。何を信じればいいのか迷うこともあるはずだ。

そんなときこそ、40年の風雪に耐え、今も色あせることのないメンデルソン博士のメッセージがあなたに大きな示唆を与えてくれる。

本書の内容を知るか知らないかで、今後の医療との向き合い方に違いが出てくる。

博士の発言のとおりにしようと言っているのではない。さまざまな情報に接しつつそれらを読み解き、自分の考えを構築することが必要なのだ。

大切なのは、多数派・主流派・常識に流されず、どうしてその意見に信頼が置かれているか、自分はどう思うかを考えることなのだ。

こうして医者は嘘をつく
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by ヨメレバ

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