【長らく絶版となっていた、現代医療批判の金字塔、復刻! 】
「現代医学の9割はムダ! 」
40年前に米国で出版され、30万部を超えるベストセラーとなった、「民衆のための医師」による名著。
「まったく古びておらず、今なお価値を持つ」と藤田紘一郎氏(東京医科歯科大学名誉教授)も絶賛!
現代医学への疑義は本書から始まっている。
はじめに——医療は9 割が不要
ほとんどの人は、現代医学とはさぞかし素晴らしいもので高度な医療技術を駆使する医者にかかれば、きっと健康になれると信じ込んでいる。
だが、これはたいへんな思い違いである。現代医学に携わる医者こそが、人々の健康を脅かしているもっとも危険な存在なのだ。
現代医学の治療はめったに効果がない。それどころか、治療のほうが病気よりもはるかに危険である場合が多い。
しかも、病気ではない状況でも医者は危険な治療を頻繁に行なうから人々の健康はますます脅かされる。
現代医学を構成する医者、病院、薬品、医療機器の9割がこの世から消えてなくなれば、人々の体調はたちどころによくなるはずだ。
これは私の確信である。
現代医学は明らかに行きすぎている。本来なら重症患者に対してだけ行なう特殊な治療が、日常的に行なわれているというのが実態だ。
年がら年中、現代医学は濃厚で過剰な診療活動に明け暮れ、それを誇りにしている。
「クリーブランド・クリニックの画期的な医療」と題する最近の記事には、世界有数とされるこの心臓病専門病院における昨年の「実績」が掲載されている。
臨床検査の総数 130万回
心電図検査 7万3320回
CT検査 7770回
レントゲン検査 21万378回
開胸手術 2980件
手術の総数 2万4368件
どの処置をとっても、健康の維持や回復に役立つという裏づけがないものばかりだ。
この記事はクリーブランド・リニックの機関誌が掲載したものだが、高額の費用を要する先進医療によって救われた患者がいるのか否かについては、ひと言も触れていない。
その理由は、医療現場が「医療工場」になっており、そこでは健康がまったく生産されていないからだ。
医療現場の実態
医者の診察を受けるために病院を訪れると、健康状態を改善しようとしている人間ではなく、治療を押しつけて稼ぐための材料とみなされる。
典型的な例をかいつまんで紹介しよう。
妊娠して病院に行くとまるで病人のように扱われる。医者にとって、妊娠・出産は9カ月におよぶ病気なのだ。
それを治療するために点滴や分娩監視装置、さまざまな薬品の使用ばかりか、なんの必要もない会陰切開まで行なわれる。
だが、場合によってはその程度ではすまない。産科医療の最後の切り札である帝王切開が待ち受けているからだ。
風邪をひいて病院に行くと、医者はたいてい抗生物質を処方する。だが、抗生物質は風邪やインフルエンザには効かない。
それどころか抗生物質が原因で風邪をこじらせ、体調をさらに崩すおそれがある。
落ち着きのない子どもが教師を煩わせるからといって、医者に連れて行くと、もっと厄介なことになる。
薬の過剰投与によってわが子を薬物依存症にされかねないのだ。
赤ん坊が母乳をまる一日飲まず、育児書どおりに体重が増えなくても、医者の指示にしたがう必要はない。
医者は母乳育児を控えさせるためにミルクをつくって飲ませるように指導するだろう。
だが、ミルクこそが赤ん坊を病気にしやすくする元凶なのだ。
生真面目に健康診断を受けると、医者の前で緊張して血圧が上がるために手ぶらで帰らせてもらえない。
結局、血圧を下げる薬が災いし、性生活に終わりを告げるはめになる。
インポテンスは心理的要因よりも降圧剤の副作用によることのほうが多いのが実情だ。
不幸にも人生の終末期を病院で迎えると、医者は「最新の医療機器がそろった病室でスタッフが最期の言葉を聞いてくれます」と言うだろう。
だが、病院のスタッフは、家族に代わって高齢者を看取るために雇われている賃金労働者である。
患者は死に際になって赤の他人に言い残すことなど何も思い浮かばない。
「最期の言葉」があるとすれば、心電図モニターのアラームくらいのものだろう。もちろん家族も大切な役割を担っている。入院費の支払いである。
なるほど、子どもが医者を恐れるのも無理はない。
子どもは純粋な直感力をもっているから、身に迫る危険を本能的に察知するのだ。
恐怖心は簡単に消えるものではないから、大人になっても医者を恐れる心理は残る。
だが、大人はそれを他人に対してだけでなく自分に対しても認めることができない。そこで、医者そのものではなく、医者にかかる必要を感じさせる体の自然現象を恐れるようになる。
人は何か怖いことがあると、避ける、無視する、逃げる、たいしたことではないと思い込む。
そして、誰かに心配してもらおうとする。その結果、医者が主導権を握る。患者が医者にそうさせてしまうのだ。
患者は医者の前でこんな意味のことを言う。
「先生、私の体はどうなっているのでしょうか?私はもう自分の健康管理ができません。私の健康管理は先生にお任せします。先生が必要だと思うことをしてください」
そこで医者は「必要だと思うこと」をするのである。
絶対に知られてはならない重大な事実
医者は処方している薬の副作用を説明しないことを批判されると、「正直に説明すれば、患者との関係が崩れてしまう」と言い逃れをする。
医者のこの自己弁護はいったい何を意味しているのだろうか。
それは、医者と患者の関係が「知識」ではなく「信頼」に基づいているということだ。
患者が「私は医者が正しいことを知っている」とは言わず、「私は医者を信頼している」という言い方をするのは、そのあらわれである。
医者がこれに気づいていないなどと思ってはいけない。それどころか、医者はそのあたりを十分に計算している。
なぜなら、もし患者の信頼を裏切ろうものなら、絶対に知られてはならない重大な事実が明るみに出るからだ。
それは、医療の少なくとも9割が不要であり、それが患者に害を及ぼしかねないということである。
現代医学は患者の信頼がなければ存続しえない。なぜなら、現代医学は医術でも科学でもなく宗教だからである。
宗教とは、「精神世界や日常生活の神秘的な現象に対する組織的な取り組み」と定義できる。
この定義によれば、「現代医学教」は人間の生死に加え、肉体に起こる数々の神秘的な自然現象というもっとも不可解な問題に取り組んでいることになる。
イギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーは世界各地の呪術と信仰を比較研究した大著『金枝篇』の中で、宗教を「自然のあり方と人間の生き方を方向づけて管理することができると信じられている、人知を超越した力にすがろうとする営み」と定義した。
この定義によれば、人々は「人間の生き方を方向づけて管理することができると信じられている力」にすがろうとして、現代医学教に年間数千億ドルのお布施を献上していることになる。
医者から身を守るには
現代医学教の本質に迫るためには、医者に基本的な質問をすればいい。
「なぜこの薬を飲まなければならないのですか?」
「なぜこの手術を受けなければならないのですか?」
「なぜこの治療が必要なのですか?」
こうした質間を医者に繰り返していると、遅かれ早かれ信仰に亀裂が入る。
そこで医者は、自分が行なう数々の「奇跡」が患者には理解できないという事実を盾にとり、「とにかく医者を信頼していればいい」と言ってごまかす。
まず、「なぜその治療をするのか?」と医者に問いただしてみることだ。
これこそが、現代医学の呪縛から逃れるための第一の鉄則である。
第二の鉄則は、その質問に対して「医者を信頼していればいい」という答えが返ってきたら、体調が許すかぎり、一刻も早く医者から身を遠ざけることだ。
しかし不幸なことに、医者から逃げおおせる人はごくわずかしかいない。
大多数の人が医者に屈服する。人々は、医者がかぶる呪術師の仮面とその奥に潜む未知なる雰囲気に恐れおののき、自分の休に起こっていることと、これから起こるであろうことに底知れぬ不安をもたされ、医者に畏敬の念を抱くのである。
だが、医者の言いなりになってはいけない。現代医学から自由になることは可能である。
だからといって健康を損なうおそれはなく、むしろそのほうが健康にいいのだ。
準備もせずに診察室に行くことほど危険なことはない。ただし準備といっても、生命保険に入れというのではなく、医者と会って生還を果たすために必要な知識と駆け引きを身につけろということだ。
まず、医者をよく知ることである。現代医学が宗教だとわかれば、それが医術や科学だと思い込んでいたときよりもはるかに効果的に身を守ることができる。
とはいえ、現代医学は自らを宗教だとは絶対に認めない。病院にしても現代医学教を信仰するための教会ではなく、科学を追求するための研究機関と位置づけている。
現代医学教は人々の信仰に依存している。宗教はすべてそうだ。
しかし、現代医学教の場合、信仰への依存度がきわめて高く、人々がたった一日でも信仰を忘れると、医療制度そのものが崩壊してしまうのである。
次の3つの疑問について考えてみれば、これはすぐに理解できる。
1、普通なら疑いの目で見られる行為なのに、医療行為というだけでまかりとおっている。
2、人々は手術について少しも理解していないのに、人工的に眠らされて刃物で体を切り刻まれている。
3、人々は薬の成分である化学物質にどんな作用があるのか何も知らないのに、毎年数千トンもの薬を消費している。
これはいったいなぜなのか?その答えは、人々が現代医学教を信仰しているからである。
現代医学は治療法の有効性を客観的に証明する必要に迫られない。そこで私は根拠を示し、現代医学が信じるに値しないことをはっきりと立証しよう。
医者が隠している衝撃的な事実に興味がある人、かかりつけの医者が危険かどうかを知りたい人、自分の身を守るすべを学びたい人は、このまま本書を読み進めてほしい。
こうして医者は嘘をつく | ||||
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