「酵素」が免疫力を上げる! 鶴見 隆史 (著)

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酵素があなたを健康にする。今注目の「新しい、第9番目の栄養素」=酵素。食生活を変えるだけで、その力を存分に味方にできる。

第一章 酵素力アップで免疫力もアップ より

ネズミの実験からわかった、生の食物の効果

スコットランドの研究者であるオアー氏らが、興味深い実験をしています。

彼らは、2年半にわたってネズミを多数飼いました。A群の1211匹のネズミには人聞が食べるごく普通のお種類の加熱した食物を、B群の1706匹のネズミには生野菜と生の牛乳を与えました。

A群にはそれらの人工的なえさに加え、ビタミンやミネラルを補ったえさも与えました。

ところが、A群のネズミは繁殖能力に低下が見られ、感染症にかかりやすくなり、さらに死後の解剖では、腸炎や肺炎、貧血などが多く見つかりました。

肺や腎臓、生殖器などにも病気が出現し、がんになったネズミもいました。

このような病気は、ネズミの集団ではまれにしか出ない病気です。一方のB群は、長く健康だったのだそうです。

また、アメリカのヘイザー博士は、4000匹のネズミを飼い、同じような実験をしました。

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半数には自然なえさ、残り半数には人間の食事(加熱した食物)を与えたところ、前者は2年目の終わりになっても病気がなかったのですが、後者は痛風や胃潰湯、関節炎、肺結核など、さまざまな病気にかかったといいます。

いずれの実験でも、カギとなったのは「酵素」でした。

酵素は生野菜や果物などにたっぷりと含まれていますが、熱に弱いため、加熱した料理には含まれません。

つまり、「酵素を含んでいる」生の食物がいかに病気に対して強い力を持っているかがわかります。

さらにいえば、たとえビタミンやミネラルを補っても、生の食物から摂る酵素がなくては意味をなさないということです。

アメリカの動物園の動物が元気で長寿なわけ

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最近のアメリカの動物園の動物は大変元気で、病気をしなくなったといわれています。

特にシカゴのリンカーン・パーク動物園では、本当に健康で長生きの動物ばかりだとか。しかし、戦前(太平洋戦争前)は違いました。

動物はみんな病気ばかりして、短命でした。一体、昔と今では何が違うのでしょう。

それは、えさです。現在、ライオンには生の肉と骨、だけを与え、ときには生のレバーも与えているといいます。

サルにはバナナやりんご、オレンジといった果物と生の野菜ばかり。ここではどんな動物にも、生のものしか与えていません。

けれど、以前は加熱食を多く与えており、戦後になってからビタミンやミネラルを添加してみたものの病気が多く、動物たちは長生きできませんでした。

「もしや、生食(酵素)、かポイントでは?」

と考えた職員たちは、食事内容を徐々に改善していき、ついに生食オンリーに。

そして、長生きするようになったという評判を聞きつけ、今ではアメリカ中すべての動物園がえさを生食だけに切り替えた結果、どこの動物も元気で長寿になったというわけです。

生食がいかに大切か、ひいては酵素がどんなに偉大であるか、動物を通して彼らは実感したといいます。

「生命の光」といわれる酵素

1920年代、アメリカのフランシス・ポッテンジャー博士は猫を900匹飼いました。

半分のA群には生肉と生の午乳を与え、残り半分のB群は加熱した肉と牛乳を与えました。

するとA群は何代にもわたって健康的で活動的でしたが、B群は心臓病や腎臓病、甲状腺病、肺炎、脳卒中、歯を失う、性欲減退、下痢、怒りっぽいなど、さまざまな症状を引き起こしたとのこと。

三代自に至つては不妊症となり、子どもが生まれなくなったといいます。

このとき、「生にあって加熱にないもの、加熱で失われたものは何か」という議論になり、見つかったものが「酵素」だったといわれています。

酵素栄養学の祖である、アメリカのエドワード・ハウエル博士(1899~1986年はそんな酵素を「生命の光」といいました。

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人の体を存在させるためのものであり、少し難しくいうと、「たんぱく質という殻に包まれた、生命力のある触媒」であるとも語っています。

触媒とは何でしょう。たとえば、角砂糖にマッチの火を近づけても燃えませんが、角砂糖の上にたばこの灰を置いてから火をつけると、角砂糖は炎を上げて燃え上がります。

これはたばこの灰が触媒(仲立ち)となって、燃焼という化学反応を起こしたということです。

体の中では、休むことなくさまざまな化学反応が繰り返し行われ、60兆個以上もの細胞の新陳代謝を促し、生命活動を生み出しています。

酵素はまさに「触媒」です。それもある反応を行う場合、何年もかかるところを一秒で行ってしまうといわれるほどの優れものなのです。

化学反応の素であり、スイッチとなるのが、酵素なのです。


健康を維持するためのカギとして、近年注目されている「酵素」。

酵素を上手に取り入れることで、体の不調が治る、代謝がよくなる、やせられる、など、さまざまな効果が報告されている。

本書では、特に酵素と免疫力との関係をメインに解説。

「酵素とは何か」から始まり、酵素が不足することで生じる不調、免疫力を高めるための酵素の取り入れ方、酵素と女性の体、酵素を効果的にとるための簡単レシピなどを詳しく紹介する。

また、酵素を生かすために心がけたい生活習慣や、逆に酵素を生かすためにしてはいけない悪しき習慣についても言及。

コラムでは、酵素に関する素朴な疑問などにもふれている。

「酵素」が免疫力を上げる!
鶴見 隆史 永岡書店 2011-12-19
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