船瀬俊介連載コラム
シソ茶
おもな含有成分と効能
シソ成分には、アレルギーを抑える抗ヒスタミン成分が何種類か含まれている。シアニジンなどの成分には鎮咳効果があり、ぜんそくなどに効能を発揮する。
またシソには、鎮静作用と解毒作用もある。
カロチン、ビタミンAもきわめて豊富、これらは老化防止、ガン予防成分として知られている。
こぼれ話
いまや乳幼児の3人に1人はアトピー性皮膚炎と言われている。大人になっても治らないケースも多い。
ぜんそくや鼻炎の症状が出で悩みつづける場合も多い。このやっかいな病気治療としてシソ茶を考案したのが、中国北京軍区病院の女医・林輝医師である。
漢方では、のど・気管・肺・胃・腸・皮膚をつかさどるものをひっくるめて「肺」と呼び、アトピーやぜんそく、慢性鼻炎などは、この「肺」機能が弱っているから起こる、と考える。
シソ茶は、この「肺」機能の障害を元に戻すために開発されたのだ。
1993 年の東北大学薬学部の臨床試験では、シソ茶成分に抗ヒスタミン成分が入っていることが確認された。
お茶のチカラを知ろう!
シソは、日常的におなじみの食材である。
もともとは中国産で、一年草。葉の裏も表も紫色で、秋口に紫色の花を咲かせる。そこで、紫が蘇る、という意味で、「紫蘇」と名づけられた。
品種は多い。葉が青い品種は、青ジソ。
これも、薬味として日本人にはなじみ深い。シソの解毒作用は、魚介類などの食中毒にすぐれた効果を示す。
梅干しに使うのも、梅の解毒作用との相乗効果を利用したものだろう。シソには鎖静効果もあり、その香りをかぐとホッと落ち着くのはそのせいかもしれない。
東洋の民間療法でも、シソは、発汗、解熱、鎖咳、健胃薬として使われてきた。
シソ科カワミドリの葉茎は、和漢薬の「藿香」と呼ばれる健胃薬である。
痩せすぎの人には、医者もシソをすすめる。シソの葉を干し、ふりかけにして食べると食欲も増進する。
紅シソの粉末「ユカリ」を常備するのもいい。またシソの生葉をてんぷらにして食べても、薬効は期待できる。
中国医学書の古典「本草綱目」にシソの効能として「からだを温め、寒風を散らせ、気をめぐらせ、胃腸をくつろげ、痰を消し、肺をよくし、腹部を温め、痛みを止め、胎児を落ち着かせ、魚やカニ毒を解毒し、蛇や犬に噛まれた傷を治す」とある。
香り成分ペリアルデヒドは精神安定作用、不眠、神経症、ぜんそく、風邪などの効果が立証されている。
精神安定作用は葉のほうが強い。アオジソ茶・酒は神経の興奮をしずめ、安眠を誘う。
市販のシソ茶は、シソの葉を中心に何種かの生薬をプレンドしたものが多い。
実は、シソ茶のティーバッグには、意外な使い方がある!
お茶として飲むだけでなく、ティーバッグをそのまま、お風呂に入れて薬湯をつくるのである。
この「シソ風呂」は、直接皮膚に作用して、アトピー性皮門炎の症状をやわらげる。シソの薬湯がアトピーに効果的であることは、世界的に確認されている。
シソ茶療法は、アトピーをからだの中と外からゆっくりと治していく方法である。
長くつらい思いをしているアトピーの人に、お茶もお風呂もぜひ試してもらいたい。
つくり方
①7~9月に葉を摘む。
②水洗いして陰干し。
③乾燥葉を揉んで、乾燥剤を入れ、缶などに保管。
④乾燥シソ茶5gを600ccの水で半分になるまで煎じる。
⑥この1日分は2~3回に分けて飲む。
・シソ茶は全国の自然食品店などでも手に入る。
科学的実証例
・シソ茶成分にアレルギーを抑制する抗ヒスタミン成分を複数確認(東北大学薬学部臨床実験/中国北京軍区病院 林輝医師)
・シアニジンなどの成分に、鎮咳、鎮痛効果がある(「漢方・鍼灸・家庭療法」)
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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家
著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。
『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。
独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。
船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/
船瀬俊介公式facebook= https://www.facebook.com/funaseshun
船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」= https://www.facebook.com/funase.juku
著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。