薬害について様々な警告を鳴らしつつ、あらゆる日本の食害について言及した1冊。
遺伝子組み換えの実態、悪質で危険な油、恐ろしく市場に流通する人口甘味料、エセ栄養学の洗脳、肉食やベジタリアンの愚行、もはや手に負えない放射能汚染の回避、日本が崩壊すTPPの本質などなど、食の問題だけにとどまらず、あらゆる不可解極まりない世の中の難題について医者が斬る!
現代と昔の病気の遣い
クスリを飲む野生動物はいない。
だから人間は野生動物には勝てない。
生命力でも生存力でも病気でも。
ということを、私はよく口にする。これが間違っているとは思っていないし、事実として野生動物は現代の人間よりよほど賢いといえる。
本来、人聞は野生動物より賢いのかもしれない。本当の意味での知恵と有益な文明だけを生かせば、人聞は間違いなく野生動物より賢く繁栄することができるだろう。
しかし、実際は破壊的な肥大だけを続けて、地球を汚染し続けている。地球にとって最大のガン細胞に人聞は堕している。
今、人類は野生動物や古典的民族(たとえばイヌイットやネイティブアメリカン、アイヌやその他多くの民族)の生活や食生活をヒントとすべきである。
さらにいえば、人類が文明を作ってきた良い意味での知恵を、それらとミックスして人類の真の繁栄を目指す必要がある。
なぜなら、そうしなければ世界は本当に一部の大金持ちに支配されて、死に絶えかねないからだ。
さて、昔の病気、野生動物がかかる病気といえばなんであろうか。
・感染症
・骨折
・他の獣に襲われる
・即死産
・食糧難による栄養失調
・老衰
などが主となるだろう。ここでは老衰が病気であるかどうかは問わないでおく。
これ以外にガンや心臓病なども存在するが、真の野生動物(たとえばサバンナや密林などで暮らす野生動物)には、ガンや心臓病が非常に少ないことが知られている。
同様に古典的民族もガンや心臓病が少なかったことが知られている。
野生の動物というと、日本の山に住んでいるタヌキや鳥を野生の動物と見立てて、彼らが病気にならないのは嘘である。
あるいは彼らにもガンがあるという論調もあるが、これは的外れな話だ。
ここでいう野生動物の概念とは、「現代の動物園で飼われていない動物」という意味ではなく、人為的な毒物が一切存在しない時代の野生動物という意味である。
ただし私は、別に野生動物だから病気にならないといっているわけではない。
あくまで病気の質の問題であり、種類、の問題であるということを述べている。
そして、野生動物がかかりやすい病気は、そのまま古典的民族がかかりやすい病気にも通じている。
別に彼らは不死だったわけではない。我々とは死ぬ原因が異なっていたという点が重要なのである。
古典的民族はある年齢まで達すると非常に長寿の人が多く、痴呆なども少なかったことが重要である。
老衰で死ぬ現代人がほとんどいない理由
ひるがえって現代人や現代の動物園に飼われている動物や一般のぺッ卜たちは、いかなる病気にかかるのか。それが、まさに「現代病」といわれるものであろう。たとえば、
・ガン
・心筋梗塞などの心臓病
・脳梗塞や脳出血など
・アレルギーと呼ばれる病気
・神経疾患や免疫疾患といわれる難病
・精神疾患と呼ばれる類のもの
・機能性疾患と呼ばれる類のもの
である。もちろんこれだけでなく、野生動物でもかかる、
・感染症
・骨折
・外傷
なども主たる病気であるが、死産については明らかに昔より減っているといえる。
栄養失調については先進国と発展途上国で違いがあるとされるが、実は先進国の人々が重大な栄養失調であることに、ほとんどの人は気づいていない。
現代人で老衰で死ねる人(ガンや動脈硬化性疾患や感染症などにならず、エネルギーの枯渇で安らかに死ねること)はほとんどいないだろう。
つまり、我々は自らがかかる病気の多くを、自分たちが食べているものや自分たちがまわりに振り撒いている毒によって作っているということである。
実はこれは、食を考えるうえで重要なヒントとなる。
したがって、その食やまわりの毒を排除することができれば、人類はかなり多くの病気を予防的に克服することができるのだ。
そして、野生動物や古典的民族がかかっていた、現代におけるほんの一部の「真の病気」だけを治療することができれば医学の価値も高まるし、健康で大往生できることになる。
ところが、どうやら人類はそうなりたいとは考えていないようである。
医者いらずの食 (veggy Books) | ||||
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