ワカメは若返り食で「若女」【海藻は海の青野菜】

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船瀬俊介連載コラム 

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海藻類はまさに海洋民族日本人への大自然の恵み、賜物
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海藻といっても世界中で数千を超える種類がある。日本近海だけでも千種類が確認されている。うち食べられるのは約百種類ほど。

なかでも一般的なのは約30種類。それでも全部、名前を上げられる人はまれだろう。

代表格はコンブ、ヒジキ、ワカメそしてテングサ……。これらは、古代から食卓にのぼった記録がある。

生命は、海から生まれたーーーこれは、もはや定説だ。

血潮という言葉も、血液の成分と海水の成分が、きわめて似ていることに由来する。つまり、海には生命に必要な成分がすべて存在する。

それを凝縮したものが海藻なのだ。その成分をみるとたんぱく質、糖質繊維、灰分、ミネラル、ビタミン類と、ほぽパーフェクト栄養食であることが、よくわかる(表B)。

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ェッと驚くエピソードもある。

熊本城主だった加藤清正公は、熊本城を造築するとき、畳の上側はイグサの畳表だが、畳床は乾燥させた海藻で作った、という。

つまり、敵側に包囲され兵糧攻めにあったときに備えたのだ。天晴みごとな危機管理といわねばならない。いまの日本政府に、爪の垢でも煎じてやりたい。

海藻は、海の”青野菜“だ

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コンブやヒジキも、黒っぽいので葉緑素が含まれていないように見える。しかし、これらも海のなかでは鮮やかな緑色。

乾燥しても葉緑素は残っており、さらにミネラル豊富。つまり、海藻類は、海の青野菜なのだ。

「海藻は、海の深いところに生えているものよりは、比較的浅いところのもののほうがいい。浅い部分にあるほうが太陽光線がよく届くから、それだけ多く葉緑素を含んでいる」(川島博士)。

なるほど、このリクツでいえば浅いところに生えるヒジキやワカメのほうが、葉緑素摂取の面では優れている。

「青い野菜が少ない時期や手に人らない時期、また、青菜を二把も食べることに抵抗のある人には、ワカメやコンブ、ヒジキ、アオノリといった海藻と野菜を混ぜて食べる方法をお勧めしたい」と博士。

ワカメは若返り食で「若女」

ヒジキと名コンビといってよいのがワカメだ。

「若芽」「若女」「若目」などの当て字でわかるように、「若さ」に通じる食物として重用されてきた。ワカメは、もともとコンブ科に属する。

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製法は、①塩干し、②湯抜き、③素干しなどがある。徳島の④灰干しなどは、灰をまぶした独特の製法。

見かけは灰まみれだが、洗って煮ると実に鮮やかな緑色となる。味わいも鮮烈なほど美味だ。

食べ方も乾燥品は水に戻して、刺身のツマ、和え物、汁の実、酢の物など、文字通り海の野菜として、楽しめばいい。

幅の広い島根ワカメなどは、直火で灸って、もんで御飯のふりかけとしても美味しい。三重県で産する糸ワカメは、葉脈部分を酢漬け、みそ漬けなどで食べる郷土料理がある。

なるべく生でビタミンA、Cを

ワカメは、ヒジキと同様に、栄養価に富む。とくに強調したいのは、そのカリウム分だ。近年、”減塩“ということが喧しい。

つまり「高血圧を防ぐために、塩を減らしましょう」という。しかし、これはあまりに一面的だ。

なるほど味噌には塩分が多い。

しかし、ワカメの味噌汁にすると、ワカメに豊富なカリウム分が、塩分のナトリウムと結合して排出してくれる。

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だから、ただ摂取する分量だけをうんぬんしても、ナンセンスなのだ。だから、ワカメの効用はまず①高血圧予防。また②肺ガン予防によし。③コレステロールを減らす。④便秘に卓効。

これは、海藻に含まれる豊富な繊維のおかげ。現代日本人は決定的に繊維不足だ。これは、決定的に野菜不足と言い換えてもいい。

先ほどの川島博士は「ワカメはなるべく生で食べるように」とすすめる。その理由は、生のほうがビタミンAとCをより多く含んでいるからだ。

ワカメがタバコの害を消す?

東京農大の故・渡辺義雄教授らはネズミに、A:二コチン・ワカメを混ぜたグループと、B:ふつうのエサだけのグループ、C:二コチンだけを混ぜた三グループを四か月間、観察した。

するとニコチンだけ混ぜたグループだけは肝臓機能の悪化が確認された。

この結果「ニコチンによって抑えられた酵素の働きが、ワカメ成分によって、正常化された」と教授らは考えた。

この成分はいまだ不明だが、海藻類の未知のパワーを暗示している。喫煙者のベスト選択は即禁煙につきる。

しかし、どうしてもやめられないなら、慈善の策で、ワカメなど海藻食を意識していただくこと。

その他の効用も恵みとしていただけるのだから。

―つ。海藻類は、すぐれたアルカリ性食品であることも特筆しておきたい。

最近病気の正体がはっきりしてきた。その90%以上が、「活性酸素(フリーラジカル)」が元凶となっているのだ。

体内に「活性酸素」が増えると体は酸性体質(アチドーシス)にかたよる。

アルカリ性食品は、それを中和するはたらきがある。

(表C)は、ヒジキ、ワカメなど海藻食品が、その”中和“能力でも、きわだって優れていることを示す。

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すなわち、「活性酸素」消去の面からも、海藻パワーは群を抜いているのだ。

母なる海の恵みに深く感謝して、いただきたい。

◎ヒジキ調理方法①水に漬けてよく洗う。②いったん水煮する。③塩、砂糖、酒、みりん、醤油で味つけ。④再び煮る。⑤様々な料理索材とする。

◎ヒジキと油揚げ煮付け:油揚げは豆腐を油で揚げたもの。大豆たんぱく質に、油の栄養分と美味しさにヒジキを合わせると栄養、味で抜群バランスに。

つまり相性がいい。ヒジキと油揚げの煮付けが美味しいのも当たり前なのだ。

◎若竹煮:ワカメと竹の子、大豆と煮る。一緒に煮つめることで、いずれも柔らかくなる。さらに、栄養価は超理想的なバランスとなる。おかずとしてもベスト。

◎ワカメとキュウリ酢物:ワカメは葉緑索だけでなくミネラルも豊富。キュウリはビタミンCがあり青野菜の代わりとなる。

酢にはクエン酸回路を軽快に動かしてエネルギー代謝を活発にし、元気を出させる。

ヒジキ、ワカメとも料理は超カンタン。汁もの、煮物、サラダなど自由に楽しもう。

月刊マクロビオティック 2002年07月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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