「フォークス・オーバー・ナイブス」に学ぶ超医食革命  松田 麻美子 (監修)

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「フォークス・オーバー・ナイブス」に学ぶ超医食革命

ジェームス・キャメロン(映画『アバター』監督)ら多くの著名人・医師が絶賛し、全米大ヒットしたドキュメンタリー映画

『フォークス・オーバー・ナイブズ』。

薬や手術に頼らない医療が、なぜこれほどまでに大きな衝撃を米国民に与えたのか。

ガン、心臓病、脳疾患、糖尿病などの驚くべき改善例と、私たち地球人がめざすべき「医療と食」の究極の姿がここにある。

食べ物で患者を治せるなら、薬は薬剤師の壺の中にしまっておきなさい。─ヒポクラテス

映画『フォークス・オーバー・ナイブズ』は個人個人の遍歴でもあり、大いなる物語でもあります。

撮影のために全米各地を訪れましたが、投薬やサプリメントや手術など受けなくても、あっという間に健康を回復した大勢の人に出会いました。

本書にはそうした人々の実例がたくさん示されています。

ライフスタイルを根本から変えることで、深刻な病気の進行が止まり、さらには改善に向かっている個々の実話は、大いなる物語の一部をなすものです。

テクノロジーと住宅をめぐるバブルがはじけたために、米国経済の安定性はあえなく崩壊しました。

天井知らずに増え続ける医療費が、さらに負担を重くしています。にもかかわらず、全体として見れば、人々は以前よりもさらに太り、いっそう不健康になっています。

とりわけ若い人たちの間に肥満と糖尿病が蔓延していることは、「将来国民の健康を国として守ることが経済的に成り立たなくなる」との予測を生み、「今の子供たちは親よりも長生きできなくなるかもしれない」という、暗澹たる言葉さえ聞かれる状況です。

この暗黒のシナリオの主役を務めるのは食品産業であり、その利益を追求し続ける人たちです。

食品業界は広告宣伝とマーケティングに毎年毎年何十億ドルもつぎ込んで、「乳製品、牛肉、豚肉、魚、鶏肉、卵を食べましょう」「砂糖、塩、脂肪たっぷりの食品をとりましょう」と、甘い言葉で誘惑しています。

こうした絶え間ないPR攻撃によって、わが身を守る術を持っていない一般の人たちは「食べなければいけない」と思い込まされたものを食べてさらに太り、病気になっています。

映画『フォークス・オーバー・ナイブズ』の教え

プラントベースの食生活(植プラント物を常食にする)というのは、ごく簡単な話です。

顔があるもの、母親から生まれたものを原料とするものを食べない、というだけのことです。

言い換えると、「すべての肉類(魚も含みます)・乳製品・卵」を食べない、ということになります。

私たちが食べるべきものは、穀物・果物・野菜、そして豆類です。母なる自然が差し出してくれる最高の食べ物を食べるのです。

一般にこうした食べ物は、肉をむさぼり食う人々にとっては単なる付け合わせにされてしまっていますが、実は何よりもおいしく、栄養も豊富な食事になるのです。

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ヘルシーな「プラントベースの食生活」はまた、自然なままの形(ホールフード)で食べることでもあります。

つまり、精製された食品は避ける、ということです。

炭水化物の摂取を控えないこと

「ローカーボ(低炭水化物)ダイエット」というのを聞いたことがあるでしょう。

炭水化物を減らしたダイエットが流行するようになって、もう何年にもなります。

けれども、炭水化物を減らしたからといって、必ずしもヘルシーな食事をとっていることにはなりません。

炭水化物は人体にとってむしろエネルギー源としては好ましいものです。炭水化物が豊富なものを食べることは、体にとって重要なことなのです。

もうひとつ大切なことがあります。どんな形で炭水化物をとるか、ということです。

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マンゴーもブロッコリーもスイーツも、どれにも炭水化物がたくさん含まれています。

ですが、スイーツよりもマンゴーやブロッコリーのほうがずっと好ましいことはすぐにおわかりでしょう。

精白粉と精白糖からできているケーキやクッキーを食べると、血糖値が急速に上がり、それに伴ってインスリン反応が起き、体重が増えます。

果物、全粒穀物、野菜といった丸ごとのプラントフードを食べるということは、炭水化物をたっぷりとる食生活なのです。

おまけに、こうした食べ物は繊維も豊富です。 繊維質のものを食べると満腹感を感じるようになります。

繊維質が豊富な食べ物は、全体として必ずといっていいほど、摂取するカロリーを減らしてくれます。結果的にダイエットの役にも立つわけです。


食生活を変えることは、冒険でも難問でもありません。

私たち自身の経験からいっても、学問上の文献に照らしてみても、そうした依存状態はほんの二、三週間で消えてしまうものです。

ですから、安心して「プラントベースの食事」に挑戦し、楽しんで食べてください。

そうすれば全く新しい味覚の世界を経験することになるでしょう。 これまで味わったことのない、新しい世界を楽しむことができるようになります。こうした食べ物のおいしさに、おそらくあなたはびっくりするでしょうし、しかも料理が簡単だということもおわかりになるでしょう。

まさにお楽しみはこれから始まるのです。

T ・コリン・キャンベル(栄養生化学博士)
コールドウェル・B ・エセルスティン(医学博士)

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