レッスン9ー1 カタリスト〜変化のキッカケ
あなたの人生は、あなた自身のものです。誰もあなたのために生きることはできません。
カタリスト( 変化のキッカケとなる物事)は、あなたの健康と幸福を呼び起こす引き金となるものです。
カタリストは、何か対処しなくてはならない物事が起こった際にその警鐘となるものであり、それにより変化が生まれます。
通常、カタリストはある特定の状況に対処するために微調整を図る、という自分の行動様式を修正する以上のことを指します。
むしろカタリストは大きな変化、人生を変えるような体験、人生の途上にある分かれ道でどちらに進むかを選ぶことになるものです。
時には行動様式の修正がカタリストに繋がる、あるいは、カタリストがその修正を誘発することもあります。
概して、違いが現れるのは内側であり、カタリストは人生を転換させるような変化をもたらします。
私がそれを経験したのは思いもよらない時でした。
10代の頃、煙草とマリファナに依存して毎日煙草を吸っていました。
乱れた生活の結果、花粉やカビのアレルギー症状と花粉症を罹い、子どもの頃からアレルギー対策の注射が手放せませんでした。
19歳の時、ゆくゆくは自分で薬代を払わなくてはいけないのだと気づき、アレルギー薬に代わるものを探し始めました。
健康食品店で働き始め( お店の人たち全員が喫煙者だったのはなんとも皮肉です)、アレルギーを和らげるためのアドバイス( 何千グラムものビタミンCを摂る、蜂の花粉のサプリメントを飲む、味噌を食べる、大量に水を飲む等)をたくさん聞きました。
禁煙したら? とアドバイスをしてきた人はいませんでした。
あるアドバイスには思わず笑ってしまいました。鍼灸です。1979年当時、アメリカでは鍼灸はまだ馴染みが薄く、隠れて施術されていて合法的なものとは見なされていませんでした。
その1ヵ月後、別の人にも勧められ、その6ヵ月後に決心し、予約を入れました。
初めて施術を受けに行くと、鍼灸師の先生が「吸うみたいね?」と聞いてきたので、床を見て靴を脱ぎながら、「どうして知ってるの?」と聞いてみました。
「歩き方でわかるのよ」と先生が言い、クスリを止めないと施術はしないと言ってきました。
止めるつもりはなかったので「止めないよ」と言い、帰ろうと出口の方に向き直りました。
先生は「待ちなさい」と言い、お互いに顔を見ながら「今日だけは止めることができるかしら? できるのなら今日は施術をしてあげる。あなたも感触をつかめるでしょ?」と提案してくれたので、私も少し考え、納得しました。
数時間なら吸わないよう自制できたため、施術台の上に横になり、私の手の指と足の指に鍼を刺してきました。
20分間、呼吸をしてリラックスし、友だちがどう思うかを考えていました。
新しい自分がそこにいました。家までの2マイル、自転車のレースに参加した小学生のようにペダルの上に立ちながら帰りました。
エネルギーと活力に溢れ、ルームメートに早く話したくて仕方がありませんでした。頭がスッキリし、幸せで、命に満ち溢れていました。
マリファナでも味わったことがないほど気分が高まっていました。
翌日、マリファナを一息吸ったことでワクワクした気分はなくなってしまいましたが、あの記憶は素晴らしかったので、また施術の予約を入れました。
この時は施術の数時間前から吸わずにいました。施術後は再びエネルギーに満ち溢れ、また自転車のペダルに立ちながら家に帰りました。
新しい感覚の高揚感があり、無気力でモチベーションがない状態ではなく、頭がスッキリして「何かをやろう」という熱意に溢れていました。
次の施術が待ちきれず、また予約を入れました。
しかし、これほど大きな感覚的な変化を感じられたにも関わらず、自分の習慣を捨てて友人から離れることはできませんでした。
週の真ん中に施術の予約を入れ、週末はパーティーができるようにしていました。
以後6週間、このパターンを繰り返していましたが、徐々にある気づきに至りました。マリファナの高揚感は無駄だ。
施術を受けた日、気分はスッキリして身もキレイな感じでした。職場でも仕事がはかどりました。喫煙している日は身体が疲れ、仕事のミスも多くありました。
第7週までに禁煙日を3日に延ばし、第12週までには1週間吸わないでいられるようになりました。
第16週までには「今後一切吸わないようにしよう」と心に決め、2010年、30年間の禁煙をお祝いしました!
鍼灸がカタリストとなり、私の人生が変わりました。
アレルギー症状を治療するためのキッカケ( アレルギー症状に対する治療費の支払いという恐怖)から始まり、最終的には煙草やマリファナ中毒から解放されることができました。
人生の贈り物を受け取ることができました。
その当時、これは確かに大きな変化だと捉えていましたが、私の命を救ってくれた出来事だったのだと今は思います。
全く別の道を歩んでいたかもしれないのですから。
時間がかかりました。一晩で変わったわけではありません。鍼灸の効果とマリファナの効果を比較できたことは貴重な体験でした。
鍼灸の施術を受けたことで私の身体にバランスが戻り、依存から解放されました。
身体が健康になるにしたがって心も強くなっていきました。友人がどう思おうと、吸わないという選択をしっかりと守ることができたのです。
これは私のキッカケ、変化のためのカタリストでした。依存症状を克服する際の困難さがあっただけでなく、自分を救済するために内なる自分に対して行ったコミットメントがありました。
学んだことはたくさんあり、未だにこの経験から学んでいる最中です。
この出来事を振り返り、新たな見識を蓄えています。カタリストはこのようなものです。
当時は救いとなり、未来へのインスピレーションが湧き、やがて毎日の刺激となっていきました。
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Julia Ferré
北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。
GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。
新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。
foodandintuition-jp.jimdo.com